コラム
2024/06/16
ドジャースのプロスペクト(投手) 順位は左から『mlb.com(全体)』, 『mlb.com(球団別)』,『Baseball America(球団別)』 ,『Fangraphs(球団別)』 リバー・ライアン 25歳 (N/A(該当なし), 4位, 7位, 1位) リバー・ライアンは99マイル(約159キロ)に達する速球が魅力の右腕だ。球種は平均96マイル(約154キロ)のフォーシーム、落ちるカーブ、88マイル(約141キロ)でスライダー気味のカッター、落ちるチェンジアップを持っている。 速球に加えスライダー/カーブの評価が高く、メジャーの選手であればタイラー・グ ... 続きを見る
2024/06/15
今後の課題は“鬼門“ヤンキー・スタジアムの陥落? ヤンキー・スタジアムでの大谷選手の通算成績は打者、投手別に以下のようになり、今年も相性の悪さを変えられなかった。 打者:59打数8安打4本塁打8打点 打率.136 OPS.612 投手:2先発 0勝1敗 投球回数3回2/3 防御率27.00 ただし、この数字が課題として残ったこと、今回の対戦でジャッジ選手という壁や目標ができたことは、大谷選手本人のキャリアや今後の成長につながるだろう。 実際、米メディア『ESPN』のインタビューで大谷選手は、どんな状況でも変わらない ... 続きを見る
2024/06/12
トップスピードは意外な数字に… 大谷選手の走塁の特徴を米分析サイト『Baseball Savant』の数値データからまとめると、以下のようになる。 「トップスピードは速くないがスタートダッシュが良いために全体として速い」 『Baseball Savant』から引用した、6月2日終了時点における“Sprint Speed“の一覧の図を以下に示す。これは、簡単に言えば走塁中のトップスピードに相当する。大谷選手の箇所にはマークを付けている。 大谷翔平選手の数値は秒速28.1フィート(時速換算で30.8㎞)と、MLB平均(秒速27.0フィー ... 続きを見る
2024/06/09
アクシデントの影響が…? その他の5月(2024年は現地時間26日まで)の主な指標は以下のようになる。三振の減少傾向が続く一方、本塁打のペースは昨季までの5月と同水準にある。 ・三振率(K/AB):2021~23平均28.6%、2024年22.5% ・AB/HR(1本塁打に要する打数):2021~23平均13.5、2024年13.3 もっとも、全体では好調に見える5月も前半と後半では様相が異なる。以下に5月の塁打数の推移とともに、5月1~15日、5月16~26日の主要な数字を示す。 OPS、打率、得点圏打率とも、16日以降は15 ... 続きを見る
2024/06/07
打者の補強候補予想 ボー・ビシェット(遊撃手) ※FAまで1年半 打率 .243, OPS+ 90, OAA 0 2021,2022年とMLB最多安打を放ったトロント・ブルージェイズのボー・ビシェット。今季は過去3年と比べて長打力が急激に低下し、2019年のデビュー後ではキャリアローの打率.243、OPS.663と低い数字になっている。 元々守備が得意ではないビシェットは打撃で価値を出す必要があるが、現状はそれができていない。特に対左投手の攻略に苦戦していて、38打席でヒットは4本しか打てていない。一方で、4月に.589だったOPSが5月には.76 ... 続きを見る
2024/06/06
先発投手の補強候補予想 ジャスティン・バーランダー ※FAまで半年(プレイヤーオプション付き) ERA 3.60, ppERA 4.22(85位/154人), Stuff+ 123, K-BB% 8.6 ※Stuff+: 投球をその物理的特徴のみから評価した指標。平均は100 ※ppERA: 球質・コマンドを含めた指標であるPitching+ から算出した予想防御率。リーグ平均は4.13 サイヤング賞3回受賞、オールスター9回選出の「生きる伝説」バーランダーは、今季1カ月弱出遅れたものの、復帰後は先発投手としてソリッドな活躍を見せている。   ... 続きを見る
2024/05/28
序盤の不調を乗り越え、予期された完全体スーパーチームへ 開幕前から言われていたが、やはりドジャースの打線は強力だ。ムーキー・ベッツ、大谷翔平のMVP級の活躍、ルーキーのアンディ・パヘス、新戦力のテオスカー・ヘルナンデスの好調もあり、「wRC+」126、「WAR」(※選手の貢献度)12.4はメジャー1位となっている。 また、今季は守備力が大幅にアップしている。昨季9人だった「OAA」がプラス値の選手は今季既に10人を超えている。特に昨季-7を記録したマックス・マンシーの三塁守備は+1、昨季を全休したギャビン・ラックスの2塁守備は+2を記録し、強固な内野陣を形成して ... 続きを見る
2024/05/27
チームメイト、ライバルたちとの比較 大谷選手のスイングの数値につき、『Baseball Savant』を用いて、一番イメージしやすいBat Speedに関して主要選手と比較する。まずは同チームのムーキー・ベッツ選手、フレディ・フリーマン選手との比較だ。 ベッツ選手、フリーマン選手はMLB平均を下回るのに対し、大谷選手は両選手やMLB平均を上回っている。大谷選手のBat Speedはドジャースのチーム内で1位である。 次に、ニューヨーク・ヤンキースの主力打者3人、ジャンカルロ・スタントン選手、アーロン・ジャッジ選手、フアン・ソト選手と比較する。 ... 続きを見る
2024/05/19
大ベテランは流石の投球術で翻弄!? 大谷選手に対して見事な攻め方をしている投手として見逃せない投手がいる。サンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有投手だ。 今シーズン、ここまでダルビッシュ投手は大谷選手と2試合で5打席対戦、5打数1安打に抑え込み、うち4月14日の試合では2三振を奪った。今季の大谷選手から1試合複数の三振を奪ったのは、5月12日現在、ダルビッシュ以外に3人だけだ。 以下、ダルビッシュ投手が大谷選手から奪った2三振の内容を取り上げる。 2打席合わせて、半分がスウィーパーやカット ... 続きを見る
2024/05/16
マイケル・グローブ 今季でメジャー3年目のマイケル・グローブは、22年にアンドリュー・フリードマン編成本部長のキャリアで初となる、ダブルAからの飛び級でデビュー。当初先発として起用されたが、23年シーズンにフォーシームの精度に苦しみ、今季よりリリーフに完全配置転換された。 カッター、シンカーの割合を増やし、1イニングオンリーで使われることが増えた4月後半からは徐々に成績を上げていき、4月15日以降の奪三振率は13.03を記録している。 グローブの武器は投球の半分以上を占めるスライダーで、流行りのスイーパータイプではなく落ちながら曲がるタイプだが、 ... 続きを見る
2024/05/12
ボビー・ミラー(故障者リスト入り) デビュー2年目の飛躍を目指すボビー・ミラーだが、肩の炎症で故障者リスト(IL)入りしてしまった。デーブ・ロバーツ監督によれば怪我は軽傷であり、肩の構造上の故障はないとしているため、1か月程度で戻ってくるだろう。そもそもミラーの球速を踏まえれば故障は既定路線でもあるので、長期離脱を避けるための休養としてちょうどよかったかもしれない。 故障前のミラーは今季初登板で6回11奪三振とエースの片鱗を見せたが、その後の2先発で5.2回、7失点と大コケしてしまった。『Stuff+』と『Location+』にみられるようにミラーの課題は自分の ... 続きを見る
2024/05/11
監督の助言が功を奏し…? ここで、大谷選手が4月17~28日に得点圏で打ったヒットに関する投球をまとめた。 丸数字は投手が投じた投球数だが、5回中3回のケースで5球目以降をヒットにしている。球種別には、5球中3球がフォーシームとなっている。98.2マイル(約158キロ)のインコースのフォーシームは、トロント・ブルージェイズの菊池雄星投手から今季メジャー最速となる打球を打ったコースだ。 これらは、状態が上がったことで、開幕直後に苦戦していた球を捉えられるようになった結果ともいえる。紫の丸は、4月16日に上記コービン投手から得点圏で凡退したコースだが ... 続きを見る
2024/04/30
次に、両バッターが放った本塁打の詳細を見ていこう。 大谷選手は右投手からの割合が高い一方、Late&Close(※1)の本塁打数は松井氏の方が多い。走者の状況での比較でみると大差はない。 (※1)7回以降で1点リードか同点、もしくは連続本塁打が出れば同点になる状況 【左右別】 ・松井:右119、左56 ・大谷:右131、左45 【得点圏】 ・松井46 ・大谷45 【走者なし】 ・松井93 ・大谷95 【Late&Close】 ・松井31 ・大谷20 MLB分析サイト『Baseball Savant』から引用した以下の図を比較してわか ... 続きを見る
2024/04/29
上位打者の活躍: “期待通りの活躍” 次に、ドジャースの上位打線について見てみよう。メジャーリーグ分析サイト『Fangraphs』を基に、各打者の指標を纏めた。 上位6人は期待に合った活躍をしていると言って良い。ショートへのコンバートがあったムーキー・ベッツだが、守備負担をもろともせずメジャー3位のwRC+211を記録し、昨季MVP投票2位に入ったレベル以上の活躍を見せている。 大谷翔平は開幕から調子を落とし気味だったが、最初のホームシリーズ最終戦でホームランを放ってからは調子を戻し、メジャートップのヒット3 ... 続きを見る
2024/04/21
ドジャース補強方針の後押しとなったのは二刀流スター? ドジャースがこれほどの資金を投入できるようになったのは、やはり大谷翔平の加入が大きい。大谷は10年7億ドルの契約を結び年俸換算で7000万ドルだが、その97%を後払いにしたため契約期間中の支払いは総額で2000万ドルしかない。 これはドジャースの今後10年の資金を確保しただけでなく、贅沢税計算上の年俸も圧縮できたため支払う贅沢税も少なくて済む。 さらには大谷への支払いのための資金は別途確保・保存しておく必要があるが、球団の筆頭オーナーであり、3100億ドルの取扱額を誇る投資顧問会社『グッゲンハ ... 続きを見る
2024/04/20
今季放った4ホームランの特徴 米解析サイト『Gameday』の記載に基づく4月14日終了時点での4ホームランの内容は以下のとおりである。丸数字は号数で、球速、球種、打球速度、飛距離、角度の順に示している。 ホームラン内容や球種・コースの詳細(4月14日まで) 青文字は右方向、赤文字は左方向の打球である。球種や球速に差はあるが、いずれのホームランも真ん中よりも外角を捉えている点、外角高めのファストボール系の球種をホームランにしている点が特徴である。前の図と合わせてみると、外角高めが高確率でホームランになっている。 唯一の課題は“得点圏での打撃”? ... 続きを見る
2024/04/16
コース別ハードヒット数、バレル数(2024年開幕直後:現地時間4/2まで) 2024年開幕直後になると、過去3年で20%台後半を記録していた真ん中のハードヒットの割合が11.1%に大きく低下、インコースのハードヒットは1本だけだった。 一方、2023年に得意としていた外角や真ん中低め、さらに外角高めのボールコースは高い割合でハードヒットにしている。打球方向と合わせると、外角を引っ張って強い打球にする傾向がみられていた。バレルを記録した投球コースは、真ん中の高低、外角真ん中の3球だけだった。 開幕直後における大谷選手への特徴的な投球と、打席結果を3 ... 続きを見る
2024/04/14
佐々木朗希はドジャースにフィットするのか さて、佐々木朗希の素質や契約条件などを踏まえてドジャースにフィットするかを考えてみよう。 まず前提として、佐々木は先発投手である。ドジャースの2025年先発ローテはデプスも含めて以下のようになる。 1. 大谷翔平 2. タイラー・グラスノー 3. 山本由伸 4. ボビー・ミラー 5. ギャビン・ストーン 6. ??? メジャーデビュー済: エメット・シーアン、カイル・ハート、 メジャーデビュー前: ランドン・ナック、ニック・フラッソー、リバー・ライアン 負傷者リスト(IL): ダスティン・メイ ... 続きを見る
2024/04/08
大谷翔平、2024年シーズンの成績予測を徹底解説! 主体別には、ZiPSおよびZiPS DCの予測が低位で、THE BATおよびTHE BAT Xの予測が高位である。 打点は全主体が2023年を上回る数字を予測している。HR、OPS、AB/HRといった長打力関連の指標については、2021年と2023年の中間の数字が予測されている。HRに関しては38~40本と予測の振れ幅が少ない。 2021~2022年にかけて大幅に低下した三振率は、2024年になっても過去2年の水準が続くとみられている。盗塁は見方が分かれている。 一方、過去3年で ... 続きを見る
2024/04/05
球団のガバナンスにおける希薄化とは 選手の管理をチームがしっかりと管理していないのが実情だ。選手教育に関わることである。単にスキルを磨くことだけが選手教育ではない。セカンドキャリアに関することもそうだし、チームでもっと学ぶべきことがあるし、チームはもっと選手に学ばせる機会を与えるべきだ。 単なる「競技バカ」にすべきではない。プロでいれる時間など、たかだか知れている。それ以外の人生をしっかり進めるように後押しすることもチームの仕事ではないだろうか。 単純に勝利に結びつき、グッズが売れて、チケットが売れればよいのだろうか。チームの健全化に基盤を形成す ... 続きを見る
2024/04/04
ドジャースの投手ロースター 1試合当たりの平均失点予想: 4.48(メジャー7位) SP1 タイラー・グラスノー SP2 山本由伸 SP3 ボビー・ミラー SP4 ジェームス・パクストン SP5 ギャビン・ストーン CL エヴァン・フィリップス SU8 ブルスダー・グラテロル SU7 ジョー・ケリー MR アレックス・ベシア MR ダニエル・ハドソン MR ブレイク・トライネン MR ライアン・ブレイジャー LR ライアン・ヤ―ブロー 上記は、ドジャースの投手陣による1試合当たりの平均失点数予想だ(参照:)。先発ローテーションではタイラー・グラスノー、山本由伸、ジ ... 続きを見る
2024/04/01
MLBが今後取るべき対策は? スター選手のサポートをチームがどこまで許容しうるかは、機構がまずガイドラインを示すべきだ。それに基づいて、各チームはその範囲を逸脱しない範囲で対応することが重要だ。今はその境界がグレーではっきりしない。 そのガイドラインでは、選手の不利益になるようなことへの行動制限は言うまでもないが、選手のプライバシーやプライベートに関わることへの関与が焦点である。仕事とプライベートをしっかりと切り離せる選手はそういない。とりわけ外国人になる「日本人」には相談できる人材、手足となって動ける人材は必要だ。そのカテゴライズを遵守させられるかが問われる。 ... 続きを見る
2024/03/28
プロスポーツチームが構築すべきことは? プロスポーツのコンプライアンス・ガバナンスについて 一般企業では緊急事態や災害時に活用するBCP(業務継続計画)を作ることが推奨されている。プロスポーツチームでもそれを構築すべきである。 コンプライアンス違反や事件など、またゲームでのマスギャザリングと称される事故などにも対応し得るもので、このプロスポーツチーム用BCPを構築し、かつ定期的な訓練と並行して、選手らへの教育や研修、そしてアップデートを繰り返して、質を向上させる。 プロスポーツチームはこうした分野で課題が多いのに、このBCPの整備と関連した訓練等 ... 続きを見る
2024/03/20
ジェームス・パクストン 山本由伸、タイラー・グラスノーの2人を獲得後のドジャース先発陣だが、依然として4番手5番手に不安があった。そんな中加入したのがジェームス・パクストンだ。パクストンはシアトル・マリナーズでメジャーデビューし、メジャー通算156先発で850.2イニングを投げ防御率3.69の実績を持つ35歳のベテランだ。2018年には史上初のカナダ人によるカナダでのノーヒッターを達成している。 20年~22年は椎間板、左ひじ、広背筋と次々と負傷し、3年間で6先発にとどまったが、昨季は19試合に先発。96.0イニング、防御率4.50と復活の兆しを見 ... 続きを見る
2024/03/18
ギャビン・ラックス ドジャースの補強リストを見ても、ギャビン・ラックスの名前はない。それもそのはず。ラックスはドジャースにドラフトされドジャースのファームシステムで育ち、メジャーデビューした。しかしラックスは、昨季のスプリングトレーニングのゲーム中において、送球をよけようとした際に転倒し、前十字靭帯を断裂する大けがを負った。このけがが理由で2023年シーズンを全休。実質的に24年の新戦力として考え、今オフの補強に含ませてもらった。 ラックスは、19年にデビュー。当時はMLB70位、ドジャース内4位のプロスペクトだった。本職はショートだったが、21年まではコーリー ... 続きを見る
2024/01/10
大谷翔平は、オープン戦で調整続けている。異例とも言える二刀流の挑戦は現地でも大きな注目を集めており、当初は好意的な評価が続いていたものの、徐々に厳しい声も上がり始めている。... 続きを見る
2023/03/17
吠える大谷!WBC“最後のマウンド”で5K 打ではセーフティーバントで躍動 イタリアの先発は10日の台湾戦で2回45球を被安打3、2失点だった右腕のライアン・カステラーニ。現在はFAの身だが、昨季はアスレチックスで3試合に登板。2回2/3を投げて防御率0.00の成績を残した。メジャー通算は3年間で14試合に登板し1勝4敗、防御率5.47。大きく曲がる“お化けカーブ”が武器で、メッツの大エース、マックス・シャーザーにそっくりのスリークォーターのフォームでも話題になった。 大谷は、左打者を6人並べるイタリア打線を相手に130キロ後半のスライダーを中心に組み立て、初回いきなり三振を ... 続きを見る
2023/03/16
世界の表舞台に帰ってきた「赤の軍団」 WBCでは初対戦となるオーストラリアを撃破し、マイアミ行きのチケットを手にしたと同時に、2004年のアテネ五輪決勝のリベンジを狙うオーストラリアの野望を返り討ちにしたキューバ。その姿はかつて“赤い稲妻”として恐れられた一発頼みのパワー野球ではなく、隙のない守備力とシュアな打撃に裏打ちされた手堅い野球だ。追加点が欲しい終盤には、得点には繋がらなかったものの送りバントも決めてみせた。 実際、今大会でも、本塁打は台湾戦の2発のみであり、つなぐ打線と細かい投手リレーで勝ってきたチームだ。大会2連敗スタートから立ち直り、3連勝で4強入りを決めたメン ... 続きを見る
2023/03/13
オーストラリアの実力はこんなものではない この日のオーストラリアは、先発シェリフの大乱調もあり、自滅といっていい苦しい試合となってしまったが、真の実力はこんなものではないはずだ。 この日も、最終回に一発を放ち意地を見せたように、長打力を持ち合わせる打線と、コールド負けを回避させた中継ぎ投手陣の踏ん張るには、目を見張るものがあった。 そして、13日のチェコ戦に勝てば、韓国との直線対決を制していることから初の1次ラウンド突破と準々決勝進出が決まる。オーストラリアの野球界は着実に、その実力を高めているのだ。 しかしながら、オーストラリアでは野球はまだ ... 続きを見る
2023/03/12
“まさか”の展開にも焦らず 連打で逆転 初回から飛ばす佐々木は164キロを記録するが、二死からクラップに内角直球を上手くさばかれ、左翼線二塁打を許す。続くセルヴェンカのゴロを、この日、遊撃に入った中野が一塁に悪送球。まさかの先制点を奪われる波乱の幕開けとなった。 チェコの先発は大会初登板のサトリア。MAXでも130キロにも届かない“遅球”ながらも、抜群の制球力と変幻自在の変化球でヌードバー、近藤を連続三振。大谷もボテボテの一ゴロに打ち取り、最高の立ち上がりを見せる。 2回から佐々木は、ストレート一本の投球スタイルを改め、スライダー、チェンジアップ ... 続きを見る
2023/03/11
韓国が先手も試合は思わぬ展開に… 韓国先発のキム・グァンヒョンは、往年の迫力こそないが、低めにボールを集め、初回から近藤、大谷から連続三振を奪う上々の立ち上がりを見せる。2回も先頭打者の村上を見逃し三振に切って取り、波に乗るかと思われたが、続く吉田の遊ゴロを悪送球し、一死2塁のピンチを迎える。しかし、動揺する素振りもなく、岡本、牧を連続三振に仕留めた。 侍ジャパンの先発は、2大会ぶりの出場となるダルビッシュ。伝説となった2009年大会決勝でリリーフし、優勝投手となって以来の韓国戦登板だ。今オフ、所属するパドレスから、36歳にして6年総額1億800万ドル(約141億円)契約を提 ... 続きを見る
2023/03/10
未知の中国に攻めあぐねる場面も 侍ジャパンのマウンドに立つのは、3番指名打者兼先発投手の“リアル二刀流”。日本、いや世界を代表する大谷翔平だ。序盤こそ、ボールが指にかからず、制球に苦しむ様子を見せていたが、徐々に本領を発揮し、MAX160キロのストレートを中心に、4回を49球、5奪三振、無四球、被安打1と、2塁を踏ませない完璧な投球を披露した。 しかし打線は序盤、大谷の好投に応えられない。中国の先発、19歳の長身左腕ワン・シャンは制球が定まらず、6四球を与え、2回途中で降板。後を引き継いだ20歳右腕のワン・ウェイイーが2死満塁のピンチを切り抜け、侍ジャパンは3回までで2安打、 ... 続きを見る
2023/02/08
得点ではなく勝利を増やした数なら村上は… ランキングについて、全体的な顔ぶれについてはほぼ想像されたものであろう。ただその並びについては様々な感想を持たれると思う。例を挙げると1950年はベスト10に小鶴誠(松竹)、藤村富美男(大阪)と複数名がランクインしている。これはこの年、よく飛ぶボールが使用されて打撃記録のスケールが大きくなりやすかったこと、8チームだったリーグを15チームとする大エクスパンションにより、選手間の差がつきやすくなった影響が大きい。NPB創設後2リーグ分裂を経て、現行のチーム数になるまでの成績は、扱いが難しい。 ただこのうち、前者の打撃成績が大きくなりやす ... 続きを見る
2022/12/05
2022年のセ・リーグ チーム 試合 勝率 得点 失点 得失点差 ヤクルト 143 .576 619 566 53 DeNA 143 .518 497 534 -37 阪神 143 .489 489 428 61 読売 143 .486 548 589 -41 広島 143 .471 552 544 8 中日 143 .468 414 495 -81 2022年は村上宗隆(ヤクルト)一色のシーズンとなった。8月3日、96試合消化の時点で本企画の特別編として村上の圧倒的な傑出を取り上げた。しかし、その後の村上はさらにペースアップ。チーム129試 ... 続きを見る
2022/11/24
パ・リーグ パ・リーグの受賞候補は、水上由伸(埼玉西武ライオンズ)と阿部翔太(オリックス・バファローズ)だ。水上は同僚の平良海馬と並んで「最優秀中継ぎ投手」のタイトル(35HP)を獲得。一方の阿部は、防御率0.61と抜群の安定感をみせた。 そのほか、先発投手では大関友久(福岡ソフトバンクホークス)が100イニングをクリアし、7勝(6敗)、防御率2.93と活躍。若手が躍動した北海道日本ハムファイターズでは、根本悠楓、北山亘基、そして上川畑大悟らが主力として存在感を放った。 昨年は、セ・リーグが栗林良吏(広島東洋カープ)、パ・リーグが宮 ... 続きを見る
2022/10/30
「成長できる環境」求め青森へ 広島生まれ広島育ちで、高校は瀬戸内でプレー。3年春には選抜に出場し、1回戦で敗れたものの1安打を放った。大学は広島から1000キロ以上離れた青森大に進学。「プロを目指す上で自分を一番成長させられるのはどういう環境なのか考えた時に、地元から離れた場所がいいと思った。例えば、地元だと友だちに遊びに誘われることもあるけど、青森だとそれができない」。自らを律し、野球に打ち込むため、地元からの距離と野球部のレベルを鑑みて進学先を決定した。 青森大では1年秋からベンチ入りし、3年春には右翼のレギュラーをつかんだ。大学入学後に体を大きくし、変化球への対応力を向 ... 続きを見る
2022/10/24
1年生や新戦力も存在感 1年生ながら秋は正二塁手の座をつかんだ湯浅桜翼。【撮影:川浪康太郎】 新チームでは野手の新戦力もレギュラー争いを活発化させている。1年生では秋の宮城大会、東北大会で全試合にスタメン出場し、3番、5番、9番とあらゆる打順を打った湯浅桜翼内野手(1年)が躍動。宮城大会では打率4割超え、東北大会でも準決勝の能代松陽戦で決勝打を放つなどバットで魅せた。宮城大会の石巻工戦で満塁本塁打を放り込んだ濱田大輔外野手(1年)、現在は主に代走や守備固めで出場している登藤海優史内野手(1年)、熊谷禅外野手(1年)らもポテンシャルが高く、今後の成長が楽しみだ。 & ... 続きを見る
2022/10/24
下位打線も脅威、「ヒロシさん」のもと全員が伸び伸びプレー 東北大会では上位打線につなぐ役割を果たした小野洋一郎。【撮影:川浪康太郎】 打線は下位打線も抜け目がない。東北大会では全試合で7番を打った伊達一也外野手(2年)、同じく9番を打った小野洋一郎内野手(2年)がともに3割を超える打率をマーク。特に八戸工大一との初戦では小野が3、8回に得点につながる安打で出塁し、伊達は9回にサヨナラ打を放った。来春に向け打線の組み替えはあるだろうが、この二人がさらなる得点力向上のキーマンとなりそうだ。 この秋は東北ナインのはつらつとしたプレーが強く印象に残った。仕掛け人は佐藤新 ... 続きを見る
2022/10/22
入山海斗(オリックス育成3位) ドラフト当日、笑顔を見せる入山海斗。【撮影:川浪康太郎】 昨年、大学公式戦登板わずか2試合だった大竹風雅投手がソフトバンクから5位指名を受け、話題を呼んだ。今年は公式戦登板1試合の入山海斗投手(4年=日高中津)がオリックスから育成3位指名。2年連続で東北福祉大の「隠し玉」がプロへの扉を開いた。 日高中津では2年秋にエースとしてチームの近畿大会出場に貢献すると、同年冬には和歌山選抜の一員として台湾遠征に参加。140キロ超のストレートを投げ、当時からプロの注目を集めた。東北福祉大では1年秋にリーグ戦デビューし1回を無失点に抑えたが、そ ... 続きを見る
2022/09/12
「夢の舞台」への挑戦 社会人野球に進む選択肢もあったが、「夢の舞台であるプロ野球に挑戦できるのであれば挑戦したい」と夏を前にプロを目指すことを決意。不退転の覚悟で最後の秋に臨んでいる。 全国の舞台での4本塁打は「自信にはなった」が、一方で「相手チームの指導者や選手など、周りからの目が前とは比べものにならないくらい違う」とプレッシャーも感じている。秋季リーグ戦はここまでの3試合で10打数1安打と苦戦。取材した10日も福島大バッテリーに徹底した外角攻めを受け、無安打に終わっていた。 それでも、「練習で調整するしかない。ここからが勝負なので、もう一回ゼ ... 続きを見る
2022/08/21
応援の構成~盛り上がる応援を作り出すのは難しい 2016年以降、プロ野球という枠組みを超え高校野球、大学野球 さらにはもっと広いスポーツ全般(Jリーグ、Bリーグ等)においての『音楽』『応援』を主体とした制作活動へと活躍の場を広げる「応援」のカリスマ! ジントシオ氏に応援スタイルの構築について掘り下げてもらった。(8月9日発売『野球と応援スタイル大研究読本』より一部抜粋) 今シーズンのプロ野球はDAZNで! いつでもどこでも簡単視聴 サブローへの思いをストレートに詰め込んだ応援歌 選手の言葉を聞いて作り、印象に残っているのはサブローの応援歌です。1994年ドラフト1 ... 続きを見る
2022/08/20
決勝は聖和学園のエースに苦戦も接戦制す 準決勝は相手の仙台南が新型コロナの影響で出場を辞退し、不戦勝で決勝に進出。決勝では、東北や古川学園などの強豪校を破り勝ち上がってきた聖和学園と対戦した。この試合で立ちはだかったのは、準決勝までの5試合のうち4試合で完投していたエース・阿部航大。仙台育英打線相手にも疲れを感じさせない粘投を見せた。 仙台育英は2回に遠藤のスクイズで先制するも、直後に先発・高橋が1年生の好打者・三浦広大に適時打を浴び追いつかれる。打線はその後も阿部を打ち崩すことはできなかったが、4回は遠藤の適時内野安打、7回は山田脩也のスクイズで2点をもぎ取っ ... 続きを見る
2022/08/19
福島県勢は51年前の磐城のみ 福島県勢は磐城が1971年に準優勝。この年は平均身長170センチ以下の「ちびっこ軍団」がノーシードの福島大会から勝ち抜き、初めて決勝に駒を進めた。中でも獅子奮迅の活躍を見せたのが、「小さな大投手」と呼ばれた田村隆寿だ。初戦から3試合連続完封を挙げると、桐蔭学園(神奈川)との決勝でも好投。7回に喫した大会唯一の失点が決勝点となり0—1で敗れたが、高校野球史に残る活躍ぶりだった。 聖光学院のベスト4入りはその磐城以来、51年ぶり。今大会は日大三(西東京)、横浜(神奈川)、敦賀気比(福井)と強豪校を次々と破り、九州学院(熊本 ... 続きを見る
2022/08/19
8強入りに沸いた4年前の夏 3季連続出場となった18年夏は、学校の歴史を塗り替える戦いぶりを見せた。初戦の相手は岩手の強豪・花巻東。「4番・エース」の鶴田克樹(現・東京農業大)が10回2失点と力投すると、延長までもつれ込んだ接戦を制し4-2で勝利。甲子園初白星をつかんだ。 2回戦の創志学園(岡山)戦は2点を追う9回に相手の好投手・西純矢(現・阪神タイガース)から3点を奪い逆転。5-4で勝ち上がると、木更津総合(千葉)との3回戦も4-1で勝利した。準々決勝では日大三(西東京)と当たり2-3で惜敗したが、4試合すべてで好ゲームを展開し、大きな爪痕を残した。 &nbs ... 続きを見る
2022/08/18
高校野球でのタオル回しはマナー的にどうかな、と思います ジン 高校野球に影響があると言えばタオル回し。2017年の*東邦高の件で一気に有名になりました。 藤田 高校野球でのタオル回しはマナー的にどうかな、と思います。生徒たちは「楽しそうだから回そう」という素直な気持ちでやる。でもそれが球場中に伝播してしまう。応援の力はすごいと思いました。応援が実力以上の力を引き出すことを証明したわけですから。(対談の全編は書籍にて) *東邦高校 2016 年夏の甲子園、東邦高校vs 八戸学院光星高校の試合。劣勢だった東邦高校側が行ったタオル回し応援が球場中に広がった。 ... 続きを見る
2022/08/14
バース、カブレラ、松井、バレンティン、落合、長嶋を超えるペース しかし王は日本プロ野球の歴史において例外的な存在である。このwRAAについて歴代でベスト10を作ると、10人中9人が王の記録となるほどだ。そこで王を除いた中でランキングを作成してみた。王を除いた場合のトップは、1986年、三冠王を獲得し阪神の日本一に貢献したランディ・バース。このバースが王以外で唯一歴代ベスト10に入った打者である。 王貞治を除いたときのシーズンwRAA歴代ベスト10 バース(1986) 85.8 バレンティン(2013) 82.0 カブレラ(2002) 81.8 小鶴誠(1950) 80.9 ... 続きを見る
2022/08/09
球場が1つになるだけでなく、演奏者の休憩時間を作り出す 『かっ飛ばせ〇〇!』『〇〇ヒット!』が応援に欠かせない掛け声になった理由はいくつかあると思います。一番はスタンドのみんなが声を合わせることができるからです。声が1つになることで選手に応援の声、自分たちの思いを届けることができます。 また、球場内の雰囲気を作り上げ、流れを作り出せます。トランペットの名演奏や太鼓の迫力ある重低音も大きな力になります。しかし、それ以上に人の声は、選手や見ている側の胸に刺さり、伝わるものがあると思います。 そして、忘れてはいけないのが、掛け声があることで楽器演奏者が休憩をする時間が取れることです ... 続きを見る
2022/07/07
奪三振能力で被安打リスクを低めた山本由伸 投手のWARは投球の質と量両面でどれだけ貢献したかから求める。質は「奪三振」、「与四死球」、「被本塁打」、量は「投球回」によって決まり、そこから平均的な投手と比較しどれだけ多くの失点を防いだかを算出。それが何勝分に値するのか換算したものが投手のWARとなる。 投手部門でパ・リーグは山本由伸(オリックス)、セ・リーグでは小川泰弘(ヤクルト)がそれぞれ1.67、1.09のWARを記録した。 山本は6月18日の西武戦でノーヒットノーランを達成したことをはじめ、月間を通して素晴らしい投球を見せた。投手では12球団トップのWAR ... 続きを見る
2022/05/09
4 助走の有無 なぜ、体重移動の距離が短い野手が強い球を放れるかというと、ステップを使えるからだ。内野手がゴロを捕球したあと、一塁方向に向かって、何歩かステップを入れる。正面のイージーなゴロであれば、捕球後に右足、左足とステップして、3歩目の右足を軸にして送球するケースが多い。ギリギリのプレーであれば、ノーステップで送球することもあるが、基本的にはステップ( 助走)の力を送球に加えることができる。 ゆるい当たりの場合は、前にチャージしてきて、その勢いを活かしたままランニングスローで放ることも。これも助走であり、足で生み出した力を送球に活かしている。 もっとわか ... 続きを見る
2021/12/20
若林忠志 右投右打 投手 現役年数 17年(1936〜1944、1946〜1953) 所属球団、大阪タイガース・阪神(現阪神タイガース)、毎日オリオンズ(現ロッテ) 通算成績 528試合(3557回1/3)、237勝144敗、1000奪三振、防御率1.99 多彩な変化球と高い制球力を武器に、主に先発として活躍した若林。 現役時代を過ごした阪神・毎日ではともに選手兼任監督も務めた。 1936年に阪神へ入団し、初年度から登板を重ねた。4年目の1939年には大きく飛躍し、28勝、防御率1.09、勝率.800で最優秀防御率、最高勝率を獲得した。 以降はエースとしての ... 続きを見る