コラム
2025/05/16
ドジャースが迎える“重要な課題”は… 長期的視点に立つとドジャースは過渡期を迎えている。野手のコアに衰えは見えないが、ベンチにはクリス・テイラー、オースティン・バーンズ、ミゲル・ロハスと限界を迎えている選手がいる。これに前述の不振に陥ったコンフォートを加えた3人は早ければシーズン中にも処遇を考えるべき選手だ。 ポジション的にはUTL、キャッチャー、両翼外野、内野と言うことになる。入れ替えるのはトレード補強かマイナー選手となるが、今回はドジャースのファームシステムに注目したい。 真っ先に浮かぶのは米公式サイト『mlb.com』ドジャース傘下1位C/ ... 続きを見る
2025/05/14
プロ野球 最新情報 埼玉西武ライオンズは昨日、敵地・京セラドーム大阪で福岡ソフトバンクホークスと対戦し、1対6で敗れて連勝は4でストップした。相手投手陣を打ち崩せない苦しい展開となったが、その中で見せ場を作ったのがベテラン・中村剛也だった。「おかわりくん」の愛称で親しまれてきた主砲が今、大きな記録に向けて歩みを進めている。(文・羽中田) パ・リーグがいつでもどこでも見放題! 過去の名勝負からファン感謝イベントも視聴可能なパ・リーグTVに加入[PR] 今月11日のロッテ戦で10得点を奪い、4連勝と勢いに乗っていた西武だが、昨日の試合はホームベースが遠い展開となった ... 続きを見る
2025/05/12
プロ野球 最新情報 埼玉西武ライオンズは昨日、本拠地のベルーナドームで千葉ロッテマリーンズに10-0で圧勝し、同一カード3連続零封勝利を収めた。そんな3連戦のうち、2試合でスタメンマスクを被ったのが、捕手の古賀悠斗だ。一昨日、昨日と2試合連続で複数打点を記録するなど、この3連戦で古賀は確かな成長の一端を示していた。(文・羽中田) パ・リーグがいつでもどこでも見放題! 過去の名勝負からファン感謝イベントも視聴可能なパ・リーグTVに加入[PR] 西武が本拠地・ベルーナドームで行われたロッテとの第7回戦に勝利し、チームは今季最多となる貯金「4」となった。勢いを感じさせ ... 続きを見る
2025/05/09
「すみませんでした、課長」松葉が見せた想像を超えるピッチング オリックス時代からずっと先発メインで投げ続けている松葉。ドラゴンズでも、登板試合は1試合を除いてすべて先発だ。そんな松葉に移籍後つけられたニックネームが「松葉課長」。空調の効いたバンテリンドームで5回まで投げてお役御免、というケースが多く、それが定時に退社するサラリーマン課長を連想させたからだ。6回、7回まで投げたりすると「おっ、松葉課長、きょうは残業だがや」(笑)。松葉本人はかつてこのあだ名について「自分のことで盛り上がってもらえてありがたい」「7回まで投げるだけで褒めてもらえてラッキー」なんて語っていたが、本心は ... 続きを見る
2025/05/08
“今年も“故障者続出で… 今季も例によって故障者が多発している。シーズン当初40人枠には先発投手が13人登録されていたが、うちギャビン・ストーン、エメット・シーアン、リバー・ライアン、クレイトン・カーショーの4人はシーズン前の怪我と手術により離脱。 開幕前にはトニー・ゴンソリンが背中の張り、シーズン開幕後にはブレイク・スネル(肩炎症)とタイラー・グラスノー(肩炎症)という2人のエース候補が立て続けに離脱してしまった。 それでも、ゴンソリンは4/30のマイアミ・マーリンズ戦で復帰し6回3失点9奪三振、カーショーは60日故障者リストの制限が空ける5月中旬を目指して ... 続きを見る
2025/05/08
復活の兆しが見えた“4回表の場面” 西武先発・髙橋光成は投球が大雑把にも見えた。それでも、悪いなりに5回1失点と試合は作った。連敗中の髙橋なら、4回表の場面で山川穂高をダブルプレーには打ち取れていない。運も味方していると感じた。 5回表は2死一、二塁のピンチを招くも、今日ホームランを放っている栗原をファーストゴロに仕留めた。結果的には抑えたが、0ボール2ストライクから勝負を急いだことは再考すべき点だろう。
6回表からは羽田慎之介、甲斐野央、トレイ・ウィンゲンター、山田陽翔が1イニングずつ登板し、4投手ともに無失点リリーフを演じた。た ... 続きを見る
2025/05/01
MLB投手を入れることのデメリット 前回大会では、MLB球団が投手をWBCに派遣する際に、強力な登板制限を設けた。これはWBCがスプリングトレーニングの時期と完全に重なるためであり、WBCの登板がそのままレギュラーシーズンに向けた調整の一環となるからだ。 この登板制限には、先発投手の球数制限、リリーフ投手の連投禁止、一度ブルペンで肩を作ったら必ず登板し、追加のウォームアップは禁止――といった内容が含まれている。 2023年のグループステージにおいて、アメリカ代表はこの制限に大きく苦しめられた。3月13日と14日にメキシコ、カナダとの連戦が予定され ... 続きを見る
2025/04/23
スライダー フォーシーム/スプリットのコンボ、大きく落ちるスローカーブなど武器を持っている山本だが、もう一つ武器を持っている。それがスライダーだ。 山本のスライダーは平均85-86、最速89マイル(約143キロ)と平均より速い上に平均より落ち、曲がる。昨季は48球を投げ平均以上の空振りを奪えている。またプレーオフではタティス、アロンゾ、ジャッジと名立たるスーパースターから三振を奪った球だ。 山本はスライダーが腕に負担をかけることを理由に投げることを好まないようである。今年の使用割合も1.4%で1試合に1球投げる程度に抑えられている。 理由が理由 ... 続きを見る
2025/04/16
フォーシームの衰退 この「球種の数を増やす」という流れは、裏を返せば使用割合が減る球種が存在することを意味する。そのあおりを最も受けそうなのがフォーシームだ。長年フォーシームは投球の「基本のキ」として扱われ、リーグ全体の投球割合でも過去15年は3割台を保ってきた。 しかし近年は、「悪いフォーシームをわざわざ投げる必要はない」との考えがリーグ全体で定着しつつあり、2024年は投球トラッキングが始まった2008年以降最小のフォーシーム割合31.8%を記録した。今年は4/9時点で32.7%と若干持ち直しているが、依然として低い水準に抑えられている。 こ ... 続きを見る
2025/04/03
大きな可能性を秘めていそうなスライダー 佐々木のスライダーはジャイロスライダーとスイーパーの中間のような球だ。 フォーシーム/スプリットコンボだけでは特に右打者に苦労する可能性が高いため、その点においてスライダーは佐々木のキャリアをより進めるうえで重要になりそうなのだが、オープン戦を含めて20球程度しかスライダーを投げていないため、どのタイプを目指しているのかがイマイチわからない。 今のところシンカーを持たない佐々木には曲がりより球速と縦変化を意識したジャイロスライダーが合う可能性が高い。球速を今の85マイル(137キロ)から87-88マイル(1 ... 続きを見る
2025/03/30
SP ランドン・ナック ランドン・ナックは故障者が続出した昨季のドジャース先発投手陣を支えた先発投手だ。今季はマイナースタートで先発デプスの一人としての役割を期待されている。 そんなナックは昨シーズンを12先発で69回防御率3.65という微妙な結果に終わったが、リーグトップともいえる層の厚さを誇るドジャースの先発ローテ入りとその先の活躍を目指して、オフシーズンにチェンジアップの改良に取り組んだ。 昨季のチェンジアップは平均的な84.2マイル(約135キロ)の球速からフォーシームとの違いがほとんどない軌道で飛ぶ球だった。被打率は.182と低かったが ... 続きを見る
2025/03/28
「周辺住民との約束で…」限られた時間と環境 「なかなか目標通りに始められないですね。グラウンド周辺の住民との約束で、練習ができるのが午後7時まで。11月以降になれば、4時半をすぎればもう暗くなってきますからね」 照明はあるものの、明るさがまったく足りない。練習中に「ボールが見えません」と声があがるたびに、選手たちへ「心で見ろ」と笑い飛ばしてきたと辻川監督が言う。 「最後は訳のわからない会話になっていましたけど、新聞記者の方に外野の選手たちが『ボールが見えないなかでノックを受けるときには、スイングや打球の音を聞いて判断する。そういう練習に ... 続きを見る
2025/03/26
僕のなかで大きなマインドチェンジがありました 2024シーズンは、開幕からクローザーを任され、最後は日本シリーズで胴上げ投手になるなど、ありがたいことに務めをまっとうすることができました。 春先、クローザーを言い渡され、自分としては最後までやり抜くことができれば、これは自分の人生にとって大きな財産になると思っていました。 このシーズン、僕のなかで大きなマインドチェンジがありました。 それはSNSでポストした「勝ちゃえんよ」という言葉に集約されています。 以前の僕は『完璧主義』の側面がありました。 しかし、キャリア ... 続きを見る
2025/03/22
指導者の「最上位目的」を考える スポーツ指導の現場は、叱る行為が多用されやすい環境が整っていることも理解しておいたほうがいいでしょう。 「権力格差」(指導者と選手)が明確なうえに、「密室性」が高い。外部の目が入りにくく、指導者の言葉が強く通りやすい環境であるのです。 裏を返せば、叱る指導を手放すカギは、「権力格差」と「密室性」を意図的に緩めることです。選手が練習メニューを決めるなど、自己決定の場面を増やしていく。自己決定できる喜びや学びは、大人が思っている以上に大きなものがあります。 指導者としての「最上位目的」を明確にすることも、 ... 続きを見る
2025/03/21
表情を変えることで、自分でも心のスイッチが切り替わるのを感じます よく〝心が身体を動かす〞と言いますが、その逆もしかりで〝身体が心を動かす〞こともあります。 僕は微笑みのクローザーと称されることがあります。たしかに僕はマウンドでよく微笑んでいます。 これは相手バッターに気持ちを悟られるのを防ぐためでもあり、仲間に安心感を与えるためでもあります。 さらに言えば、緊張してしまうと自分のパフォーマンスを発揮できないので、自分自身をリラックスさせるために楽しそうな表情をしているのです。 シーズン中、めちゃくちゃ調子の悪い日もあります。 ... 続きを見る
2025/03/18
大谷翔平 長期離脱からの復帰が注目される投手の中で、最も重要な存在と言えば大谷翔平だろう。2度目の肘手術の影響で、以前のようにフル稼働で圧倒的な成績を残すのは難しいかもしれないが、メジャーリーグの先発投手としてまずまずの結果を期待できるはずだ。 二刀流の「打」の側面では、50本塁打、50盗塁やOPS1.000超えといった華々しい数字が目立つ。しかし、投手としての「投」の能力も一線級だったことを忘れてはならない。 ロサンゼルス・エンゼルスで完全な二刀流として活躍を始めた2021年には130イニングを投げて防御率3.18と安定した成績を記録。 &nb ... 続きを見る
2025/03/18
上手くなっていく選手と、そうではない選手では一体何が違うのか? 僕が野球はもちろん、物事に取り組む際に大切にしていることは〝継続する強い意志〞です。それに気づかされたのは小中学生の頃でした。 当時、日本やアメリカの球界で活躍していたイチローさんの著書を読んで、世界屈指のバッターは〝ルーティン〞を大事にしていることを知りました。 とにかくイチローさんは毎日練習で決まった数を素振りし、変わることのない同じトレーニングをして、決まったルーティンで打席に入るのです。 自分のカタチを崩さずコツコツと我慢強く続けることが、成長するためには必要 ... 続きを見る
2025/03/14
ドジャース投手陣のロースター予想 投手陣は契約上の縛りは野手ほど厳しくない。ただ、佐々木やベシアはマイナー降格が可能だが、過去の実績や期待度を踏まえればマイナースタートとならない可能性が高く、枠はそれほど残っていない。 先発ローテはスネル、山本、グラスナウ、佐々木、メイ。ブルペンはスコット、トライネン、イエーツ、バンダ、ベシア、カスパリウスがほぼ確定で、残りはブルペンの2枠を残すのみとなっている。 【次ページ】ロースター入りの当落線上となる投手は…?... 続きを見る
2025/03/07
今後も二刀流を継続するためには…? 大谷が今後も長く二刀流を続けていくには何が必要だろうか。 現在の大谷は並外れた身体能力を活かした圧倒的なパフォーマンスを見せている。打撃では最大、平均打球初速は常にリーグトップクラスでホームランを量産する一方で、投球では100マイル(約160キロ)に達する速球と大きく曲がるスイーパーを武器に奪三振を軸とする投球スタイルをとってきた。 しかし、投打両方においてこのスタイルが今後5年以上維持できるとは考えにくい。例えば、打球初速の権化として有名なジャンカルロ・スタントンは、35歳となった今でも120マイル(約193 ... 続きを見る
2025/03/03
Prospect Promotion Incentiveと佐々木朗希のイニング管理 2022年に結ばれた選手会-MLB労使協定により、トッププロスペクトとされる選手がシーズンで活躍するとドラフト指名権が追加でもらえる制度、『Prospect Promotion Incentive』が導入された。 対象となる選手は『ESPN』、『MLB Pipeline』、『Baseball America』の少なくとも2つでトップ100に入る必要がある。指名権は30球団の1位指名が終わったあとの位置が付与され、昨季のドラフトではダイヤモンドバックスが31位指名、オリオールズが32位指名を受け ... 続きを見る
2025/02/21
ドジャース先発陣の成績予測 もはや”故障しなければ”という文言が全員に当てはまるようになってしまったドジャース先発陣だが、故障は予測できないのでここでは横に置いておく。 成績予測上はサイ・ヤング賞に値する投手はいない。これは6人ローテ採用によりイニング数が他投手より減少するというのもあるだろう。 一方で全体としては非常に強力で、先発投手にfWAR3.0以上が3人(スネル、山本、グラスノー)いるのはドジャースの他にはフィラデルフィア・フィリーズ(フィリーズ、ノラ、サンチェス)だけである。 また、TJ手術により1年以上ブランクがある投 ... 続きを見る
2025/02/14
球種ミックスの多様性 特に先発投手にとっては、1試合で約3回同じ打者と対戦する必要があるため、自分の球種ミックスに多様性を持たせることも重要となる。 今オフFAとなった先発投手の中で全く違う道をたどった投手としてマックス・フリードとジャック・フラハティ―がいる。 31歳のフリードはニューヨーク・ヤンキースと8年2億1800万ドルという大型契約を勝ち取った。 一方で、29歳と2歳も若いフラハティ―は2024年に結果を残し、1億ドル超の大型契約を狙って2月まで待ったが、結果的にはデトロイト・タイガースとのオプトアウト付き2年3500万 ... 続きを見る
2025/02/08
アトランタ・ブレーブス 長年NL東地区の盟主であり続けたアトランタ・ブレーブス。2024年はライバルのフィリーズに敗れ、プレーオフでもWCSでの敗退となってしまった。 今オフはプロファーの獲得以外はほぼ動きがないが、近年ブレーブスを支える格安で囲い込んだ若手のコアは健在だ。 野手では特に2023年に54本塁打を放ったオルソン、2021~2023年で毎年MVP投票7位以内に入ったライリーの復活は不可欠だろう。 投手ではサイ・ヤング賞投手のクリス・セールが故障体質に戻らず活躍を続けることに加え、デビュー2年目のシュワレンバック、リリーフからの転向に ... 続きを見る
2025/02/04
捕手:正捕手は不動、プロスペクトの台頭も期待…? 2025年も正捕手は不動のウィル・スミスが務め、バックアップを35歳ベテランのオースティン・バーンズ、40人枠上の第3捕手を2024年デビューのハンター・フェドゥーシャが担う。 興味深いのがドジャース傘下1位、全体39位のトッププロスペクトであるドルトン・ラッシングの扱いだ。GMブランドン・ゴームスによればラッシングの2025年はキャッチャーと外野手で分割し、ラッシングの攻撃力を活用する方針だという。 既にマイナー3Aで外野手として27試合出場、243.1イニングをこなしており、必要となればメジャーでの外野手起 ... 続きを見る
2025/01/25
ジャクソン・フェリス(左先発投手 20歳 2A, BPランク: 全体52位,傘下3位) 前述のホープと同様にマイケル・ブッシュのトレードでやって来たジャクソン・フェリス。今季は最高マイナー1Aと2Aでプレーし126.2回、防御率3.20、K%27.4を記録した。 レベル別では2AにおいてK%が下がっており少し壁に当たった感じがある。それでもBPのランキングでは全体52位の評価を受けており、潜在能力は高そうだ。 フェリスは左から平均93マイル(約149キロ)、最速97マイル(約156キロ)のフォーシームに加え、落ちるカーブ、スイーパー、チェンジアップをなげる。 ... 続きを見る
2025/01/20
“制球力”を測るのは難しい…? 投手の軸となるのはStuff(球威)とCommand(制球)である。Stuffの分析は大きく進んでいる一方で、Commandの分析は発展が遅い。 数字上ではBB%やゾーン%などで間接的に測ることはできる。しかしCommandを「意図した場所に投げる能力」と定義するなら、毎回投手が投げる際に意図した場所をいちいち尋ねることができない以上、真のCommandを測ることはできない。 前述した『Driveline Baseball』による『Command+』のデータ収集は専門の人員による手動計測で行われている。計測員が投手 ... 続きを見る
2025/01/12
過保護なマイナーリーグ マイナーリーグとメジャーリーグの投球環境の違いも一因として挙がっている。メジャーレベルでは厳しい環境が待っているわけだが、マイナーレベルでその準備が十分にされていないという。 マイナーレベルには高校を出たばかりの若手からベテランまで幅広く在籍しているため、メジャーと同じ投球環境にすることはできない。しかし、グラフを見ると主に先発においてメジャーとマイナーの乖離が拡大していることが分かる。 若い才能を潰さないためにもイニング数の管理は重要だ。「肘・肩は消耗品」と言われる時代において、マイナー時代にイニング数を消費するのはもっ ... 続きを見る
2024/12/30
ドジャースが狙いたいリリーフ投手 リリーフ市場の上位層からクレイ・ホームス、デビン・ウィリアムスが消え、強力なリリーフは少なくなってしまった。リリーフに投資するのを嫌うドジャースとしては、資源を投入するならそれに見合う強力な人材を加えたいはずだ。 少し可能性が低いところまで手を伸ばして、ドジャースにフィットする投手を探してみる。 タナー・スコット デビン・ウィリアムスをニューヨーク・ヤンキースに獲られた現状で、リリーフ市場の最上位は左腕タナー・スコットだ。対パドレスのNLDSにおいて大谷翔平を全打席三振に切ったのは記憶に新しい。 ... 続きを見る
2024/12/25
今後はサイ・ヤング賞受賞が至上命題…? 2024年は山本にとってMLB適応の年となった。故障によりイニング数は少ないながらも良い成績、良いポストシーズンでの活躍を見せることができた。 一方、12年$325Mという契約を結んだ投手ならより高みを目指せるはずだ。 山本の前に投手史上最高契約額記録を保持していたヤンキースのゲリット・コールは、現在9年契約の5年目が終了した段階だが、オールスター選出3回、サイ・ヤング賞1回、サイ・ヤング賞5位以内3回、MVP得票2回の実績を残している。 山本の契約が成功となるには、山本の全盛期となる今後7年が勝負だ。そ ... 続きを見る
2024/12/21
佐々木朗希がドジャースにベストフィットする理由 密約疑惑や佐々木自身の意思、MLB選手との交友関係など証明不能なことは横に置いて、野球の面から佐々木のフィットする球団を考えるとドジャースがベストフィットだということが分かる。 理由1: ドジャースの先進的な投手育成能力 ドジャースの投手育成能力はMLBでもトップレベルだ。過去5年においてもタイラー・アンダーソン、アンドリュー・ヒーニーなどの低迷していたベテランや、ボビー・ミラー、ギャビン・ストーンなどの評価が低かった若手を育成した実績がある。 佐々木が「世界一の選手」になりたいならばドジャースがその思いをかなえ ... 続きを見る
2024/12/12
先発転向ならエース級になり得る選手 グリフィン・ジャックス(ツインズ, 30歳) ここからは、先発投手としての高いポテンシャルを秘め、先発転向も検討されている選手をピックアップした。 米空軍アカデミー出身のグリフィン・ジャックスは2021年にデビューし当初は先発投手として稼働したが、同年は14先発で防御率6.37と壁に阻まれリリーフへ配置転換された。 2022、2023年終了後と続けてトレーニング施設であるドライブラインにおいて投球メカニックを改良することで年々実力をつけていき、今季は72試合の登板で防御率2.03、リリーフ投手としてはクリーブラ ... 続きを見る
2024/11/30
トッププロスペクトの覚醒に期待も ドルトン・ラッシング FA市場で満足いく補強ができなかった場合は、トッププロスペクトのドルトン・ラッシングに白羽の矢が立つ。 ドジャースNo.1であり、MLB全体No.39プロスペクトのラッシングはドジャースの未来を担う逸材だ。 元はキャッチャーだったものの、ウィル・スミス、ハンター・フェドゥーシャ、ディエゴ・カルタヤと詰まっていたため、打撃の才能を活かすために2024年途中から外野手に転向した。 ドジャースがラッシングを高く評価していることは2024年トレードデッドラインでの動きか ... 続きを見る
2024/11/27
補強候補となるリリーフ投手は…? ドジャース編成本部長のアンドリュー・フリードマン氏はリリーバーに投資をすることを嫌う。 なので、あまり資金をかけずに最大限のパフォーマンスを引き出せる選手を考えてみる。ちなみにトライネンの再契約が最も可能性が高いが、ここでは割愛する。 2021年シーズン途中にニューヨーク・ヤンキースにトレード後覚醒したホームスは、チームのクローザーとなったがシーズン途中にパフォーマンスが悪化し、ルーク・ウィーバーに取って代わられてしまった。 これによりヤンキースファンからは多くのヘイトを受けているホ ... 続きを見る
2024/11/21
評価が分かれる…?プレーオフの功労者も キケ・ヘルナンデス ファン感情が最も絡んでくるのがエンリケ・ヘルナンデスの去就だ。長年ドジャーブルーを身に纏い、ポストシーズンでは数多くのクラッチヒットを打ってきた。 そして今季のポストシーズンも多くのホームランを打った。キケなしではWS優勝は成し遂げられなかったと言っても過言ではない。 しかし、ビジネス面で冷静にキケとドジャースが組み合わさるか、というと微妙だ。キケの魅力はどこでも守れるユーティリティ性と平均的な打撃の両立だが、ドジャースのロースターにはトミー・エドマンとクリス・テイラーというユーティリテ ... 続きを見る
2024/11/18
現代最強VS歴代最強…? 以降は、受賞時の成績が突出しているボンズ選手と大谷翔平選手とのMVP受賞時の成績比較を行う。ボンズ選手に関しては、2000年より前の3度のMVP受賞時の成績も含めた。 受賞時の成績やWARについてみると、1990年代のボンズ選手と2020年代の大谷選手が類似している。ただし、出塁率はボンズ選手の方が若干高く、本塁打は大谷選手の方が若干多い。 これらの数字を大幅に上回るのは、2000年代のボンズ選手の成績だ。中でも、2001年の本塁打、2001~2004年の四球数の多さが顕著である。率に関する指標で大谷選手が ... 続きを見る
2024/11/17
投手陣のMVPを選ぶなら… 最後に、今ポストシーズンでブルペンの柱になったトライネンにも触れておきたい。トライネンは今季36歳となるベテラン投手だが、大車輪の働きを見せた。 ワールドシリーズを通して3登板して、すべてで20球以上、2登板では1.0回以上を投げている。さらにヤンキース中核打線とも多く対戦しており、ジャッジと3回、フアン・ソトと2回、ジャンカルロ・スタントンは3回対戦している。最もストレスフルな場面をチームで最も多くこなしたわけだ。 ドジャースが優勝を決めた試合ではブルペン投手が明らかな不足状態にあった。前日にそれぞれ4 ... 続きを見る
2024/11/10
獲得には大きなリスクも…? ドジャースは近年、多くの選手に大型契約を渡しているが、多くの全盛期はここ4,5年で終了する。特にベッツ、大谷、ウィル・スミスの成績下降が顕著になるであろう2028年シーズンあたりで更なる野手補強が必要になる可能性が高い。この時点で37歳のフリーマンの契約は終了している。 あと3、4年で何が起こるかは予想が難しいが、順調にいけばガナ―・ヘンダーソンやエリー・デラクルーズなどの若手大物選手のFA時期が近づく。 さらに2025年シーズンに革命的な活躍をする若手が現れたとしても、年数を待てばトレード可能になる可能 ... 続きを見る
2024/11/07
ジャッジとのMVP対決の結果は…? そして、戦前注目を浴びたヤンキースのアーロン・ジャッジ選手との「直接対決」だ。両選手とも不振に苦しんだ感のあるこのシリーズの最終結果は以下のようになった。 ・大谷翔平 :19打数2安打0本塁打 OPS.385 ・アーロン・ジャッジ:18打数4安打1本塁打 OPS.836 打撃の数字だけ見れば、第4戦から状態を上げた「ジャッジの勝ち」となるだろう。一方、チームリーダーとなる打者にとって、不調時であっても次打者につなぎチームに貢献することが重要だ。 この観点に立つと、両選手と ... 続きを見る
2024/10/31
シリーズを通して“神采配”披露…? ドジャースの指導部も良い仕事をした。攻撃、防御両方での作戦勝ちと言って良いだろう。 投手運用ではNLDSで勝利を手繰り寄せたブルペン運用が再び炸裂した。Game 1はジャック・フラハティ―の好投によりすることは特になかったが、それ以外は先発が4回以内に降板するかブルペンデーであり運用の上手さが問われた。 先発のイニング消費が期待できないときは必然的にブルペンにしわ寄せがくるわけだが、ブルペンに登録できる人数は限られている。 ゆえにハイレバレッジリリーフは勝負所で惜しみなく投入する。負け試合ではリ ... 続きを見る
2024/10/30
両チームのスイング比較 最後に、スイング指標に基づくスイングの内容を比較したい。レギュラーシーズン、地区シリーズ、リーグ優勝決定シリーズの順に図を並べた。 なお、スクエア・アップ率とは、バットスピードと球速からの理論上の最大打球速度の80%超の打球(スクエア・アップ・スイング)を打てた割合で、平たくいえばジャストミートの割合ともいえる。 レギュラーシーズンからは、バットスピードの高いジャッジ、スタントン、スクエア・アップ率の高いベッツ、フリーマン、バランスの取れた大谷、ソトという構図が成り立つ。 &nbs ... 続きを見る
2024/10/25
内野手の補強ポイントは? ショートを除いた内野ではほとんど陣容が確定している。サードのマックス・マンシー、セカンドのギャビン・ラックス、ファーストのフレディ・フリーマンは3人とも健康ならフルシーズン戦えるメンバーだ。 緊急時には内外野守れるテイラー、エドマンがおり、マイナーではこの3ポジションすべてを経験しているアンドレ・リプシウスとオースティン・ガシアーがいる。層の厚さは十分と言って良いだろう。 課題はマンシーとラックスの左投手への対応である。今季の対左投手はマンシー、ラックスそれぞれ.747、.402と2人の対右投手OPSと比べ ... 続きを見る
2024/10/25
意地を見せたMVP 2021年のNLCS vs ブレーブスから続くドジャース打線の沈黙。ムーキー・ベッツは2022年に14打数1安打、2023年は11打数0安打とレギュラーシーズンと比べれば失望が続いていた。今年のNLDSもGame 1では3四球も0安打、Game 2では4打数0安打と不振を極めていた。 今季のベッツは特に外角への球に苦しんでいた。パドレス投手陣はGame 1、Game 2を通して徹底的に外角へのフォーシーム、スライダー、スイーパーを投げベッツを抑えた。 これに対してベッツはGame 3でシンカー/スイーパーの横変化 ... 続きを見る
2024/10/23
“夢の舞台”へ向けてもチームは良い流れ…? この2試合ともドジャースは大勝し、第5戦でのリリーフ投手温存策など後の展開を有利にした。大谷選手を生還させたムーキー・ベッツ選手(シリーズ中のOPS1.183)、トミー・エドマン選手(同1.023)はこのシリーズ中好調で、後者は今シリーズのMVPを獲得している。 一方、大谷選手が出塁しながら得点できなかったことが敗戦に直結した例もあった。第5戦の初回、安打で出塁後ベッツの二塁打で無死2,3塁になった場面だ。3番打者テオスカー・ヘルナンデスのショートゴロで3塁走者の大谷選手は本塁へ突入しなかった。 デーブ ... 続きを見る
2024/10/23
消滅寸前の弱小球団が11年連続ドラフト指名選手を輩出するチームへと遂げた徳島インディゴソックスを追った『崖っぷちリーガー 徳島インディゴソックス、はぐれ者たちの再起』(高田博史 著、菊地高弘 編集)が10月21日に発売される。ドラフト会議が迫るこのタイミングで、「終章 渇望 2024年ドラフト指名を待つ男たち」から一部抜粋で公開する。徳島インディゴソックスから12年連続ドラフト指名選手を輩出することになるか! (文:高田博史) 今シーズンのプロ野球はDAZNで生中継! 月額1270円お得に観るならDMM×DAZNホーダイ[PR] 大学4年の11月に引退を撤回した変則 ... 続きを見る
2024/10/20
消滅寸前の弱小球団が11年連続ドラフト指名選手を輩出するチームへと遂げた徳島インディゴソックスを追った『崖っぷちリーガー 徳島インディゴソックス、はぐれ者たちの再起』(高田博史 著、菊地高弘 編集)が10月21日に発売される。ドラフト会議が迫るこのタイミングで、「終章 渇望 2024年ドラフト指名を待つ男たち」から一部抜粋で公開する。徳島インディゴソックスから12年連続ドラフト指名選手を輩出することになるか! (文:高田博史) 今シーズンのプロ野球はDAZNで生中継! 月額1270円お得に観るならDMM×DAZNホーダイ[PR] 「何キロ出てます? いま、159キロ ... 続きを見る
2024/10/17
地区シリーズでは“繋ぐバッティング“に…? 一方、大谷選手も、厳しい投球をされる中で、しっかりとチームの勝利に貢献できる働きはできたといえる。初戦にシース投手から打った上記の本塁打だけではない。 パドレスに王手をかけられて迎えた第4戦も注目される。この試合の大谷選手は3打数1安打1打点2四球だったが、出塁した打席の内容がチームに貢献する重みを感じさせるものだった。 2回表2死1,2塁から放ったタイムリーヒットによりドジャースはリードを広げることができ、直後のムーキー・ベッツ選手のタイムリーや3回表の追加点をも呼び込んだ。6回の第4打席は、ジェレミア・エストラダ ... 続きを見る
2024/10/10
両チームの主力で一番いいスイングをしたのは… 今季から導入されたスイング指標を用いた比較を以下に行った。横軸は平均バットスピード、縦軸がスイング数に対するスクエア・アップ率(バットスピードと球速からの理論上の最大打球速度の80%超の打球(スクエア・アップ・スイング)を打てた割合)である。 この2指標は一般に負の相関があり、右上に行くほどバットスピードとコンタクトやミートのバランスの取れたスイングとなる。 ベッツ、プロファー、メリル、ヘルナンデス各選手の座標が左上から右下に一直線に並んでいる中、マチャド、タティス、大谷各選手の座標がこの右上に位置し ... 続きを見る
2024/10/10
“野戦病院化”を乗り越えて… 前述の通り、オフに大補強を敢行したドジャースだが、ふたを開けてみればロバーツ-フリードマン政権では2018年以来6年ぶりの100勝未達成となってしまった(2020年は116勝換算)。その大きな要因は投手陣に相次いだ故障離脱だろう。 今季の投手陣が生み出したfWARは13.9でメジャー16位と野手陣のfWAR32.1メジャー3位と大きく離されている。ドジャースが誇る圧倒的なファームシステムと選手改造能力をフル稼働させてどうにかシーズンを乗り切ることができたが、結果的に40人のピッチャーが使われることなった。 オフシーズ ... 続きを見る
2024/10/05
見えてきたプレーオフロースター これらを踏まえるとドジャースのプレーオフロースターの全体像が見えてくる。新たな故障や逆に復帰などで若干の変更はあるかもしれないが、大体このようになるだろう。 先発投手 RHP 山本由伸 RHP ジャック・フラハティ― RHP ウォーカー・ビューラー RHP ランドン・ナック リリーフ投手 RHP マイケル・コペック RHP エヴァン・フィリップス RHP ブレイク・トライネン LHP アレックス・ベシア RHP ダニエル・ハドソン RHP ブルスダー・グラテロル RHP ライアン・ブレイジャー RHP ジョー・ケリー ... 続きを見る
2024/10/04
自身初の“ヒリヒリ経験”が最高の結果に 大谷選手の得点圏で目覚ましい成績を挙げた時期は、所属するドジャースにとっても最高のタイミングだった。以下、ナショナルリーグ西地区の9月の上位3チームの貯金の推移に、大谷選手が得点圏で大活躍した時期を重ね合わせた。 9月に入る直前で28あったドジャースの貯金は、先発投手陣の故障者続出も背景に、9月に入って伸び悩んだ。そこでパドレスが9月中旬からじわじわと追い上げ、ドジャースのマジックは一旦消滅した。 そして大谷選手が得点圏で快進撃を見せ、チームを救う打撃を見せたのがまさにこの時期だ。その集大成のような試合が9 ... 続きを見る