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大谷翔平の元通訳・水原一平氏の事件から見えてきたのは…? プロスポーツと違法賭博の関係性を考える【第1回】

2024/03/28

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ドジャース・大谷翔平(左)と水原一平元通訳

 ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手が3月25日(日本時間26日)、自身の通訳を務めた水原一平氏の違法賭博関与の発覚に伴い、初めて記者会見に応じた。だが、賭博に関することは、疑問が残る内容も多くあった。ここでは、プロスポーツにおけるコンプライアンスとガバナンスの観点から、今回の騒動を解説していく。【第1回】

 

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大谷翔平の元通訳・水原一平氏の違法賭博関与から見えてきたもの

 近年は、他のプロスポーツでも賭博に関しての摘発が相次いでいる。NFL(プロフットボール)でも、ギャンブルポリシー違反者へのペナルティが近年連続して課されている。
 
 賭博とプロスポーツは本来隔絶されなくてはならないことである。理由は「八百長」と近接領域にあるためだ。プロスポーツ選手および、プロスポーツチームにおけるリスク管理、すなわちコンプライアンスとガバナンスに関する質の向上が見られないのは、日本もアメリカも同様である。
 

 
 この背景には、公私混同の環境が、特に高額年俸のスター選手に与えられることが大きい。簡単に言えば、活躍する選手の意向に沿った形でスタッフも入れ込めるし、対応も併せてもらえる。いわゆる「わがままの効く」チーム環境になってしまうことが影響している。こうしたことが通用するのは、スター選手とよばれる者しか通らない。
 
 「甘え」は結果としてコンプライアンスをほころばせ、ガバナンスをゆがめてしまう。例外を「金」になる選手が買っているような構図だ。自分が入れたいスタッフには、公私の区別なく様々な仕事をさせてしまう、特に日本人が海外でのサポート受ける際の特徴でもあるが、こうした境目のないサポートには常に危険が潜んでいる。そのためにも本来はチームやMLBなど組織全体でコンプライアンスなどについて、確立したものを提供する必要がある。

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