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大谷翔平、待望のWBC初アーチ 準々決勝は盟友のいる“大穴”との戦い【WBC2023コラム】

2023/03/13

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WBC2023 最新情報

 WBC1次リーグB組が12日、東京ドームで行われ、1次ラウンド全勝突破を狙う日本代表・侍ジャパンは、オーストラリアとの全勝対決をを7-1で制し、開幕4連勝でB組1位で準々決勝進出を決めた。侍ジャパンの先発は、自身初となるWBCのマウンドとなる、2年連続の沢村賞右腕・山本由伸。4回60球を被安打1、無失点の内容で勝ち投手となり、打撃でも、大谷に待望の大会初アーチが飛び出すなど、打線も爆発。侍ジャパンを8強進出に導き、16日に東京ドームで行われる準々決勝・イタリア戦に向け、大いに弾みをつけた。

 

 

看板直撃!度肝を抜いた大谷のWBC初アーチ

 第1回大会から出場を続けるオーストラリア。いずれも1次ラウンドで敗退しているものの、前回大会ではキューバや日本と接戦を演じた。2019年の第2回プレミア12ではオープニングラウンドを突破するなど、強豪国の仲間入りに近い存在となりつつある。オーストラリアの国内リーグは11月から1月にかけて開催されるため、選手のコンディションが整った状態で大会に臨める点もアドバンテージだ。
 
 東京ラウンド開幕戦となる初戦の韓国戦では、下馬評を覆し、3発のアーチを浴びせ打撃戦を制すると、続く第2戦では、中国を相手に12安打12得点を奪い、7回コールドで圧倒。打線が絶好調で開幕2連勝と、この上ないスタートを切っている。
 
 ただ、韓国戦では、中盤から終盤にかけて猛追を許したように、中継ぎ、抑えを担う投手層に不安を抱えており、いかに早く先手を奪うかが勝負のポイントとなる。
 

 
 2022年11月に行われた「侍ジャパンシリーズ2022」では日本が8-1、9-0と投打に圧倒した。しかし当時、豪州はシーズン開幕前。選手たちが調整段階にあったことを思えば、額面通りには受け取れない。
 
 選手は国内リーグや米マイナーリーグの選手がほとんどだが、チームの中心は、メジャー通算82試合に登板し、2013年、2017年のWBCにもオーストラリア代表として出場した右腕のワーウィック・サーポルトだ。現在は無所属ながらも、2016年からMLBのデトロイト・タイガースでプレーし、3年間で通算82試合に登板、8勝4敗、3ホールド、1セーブ、防御率4.98という成績を残している。
 
 また、前回大会でも日本戦で好投した本格派右腕ティム・アサートン(ブリスベン・バンディッツ)も注目だ。
 
 打線に目を移すと、メジャーリーグ公式サイトで「WBC出場各国の“最高の選手”」として紹介され、昨季、大谷が所属するエンゼルスで5試合に出場した俊足外野手のアーロン・ホワイトフィールドや、ロイヤルズ傘下2Aで昨年19本塁打を放った内野手ロビー・グレンディニング内野手が中心となるが、国内リーグで活躍する強打のアレックス・ホール捕手やウルリヒ・ボヤルスキ外野手のパンチ力あふれる打撃にも要注意だ。
 
 さらにこの日、4番・三塁に入ったダリル・ジョージは、2015~2016年にBCリーグ新潟アルビレックスで、2017年は1シーズンのみのみではあったが、オリックスの育成選手としてプレーしている。
 
 そのベンチに座るのは、2018年から代表監督を務め、監督としては初のWBCに挑むのは、かつて中日で「ディンゴ」の登録名でプレーしたデーブ・ニルソン監督。選手としては2006年大会に出場し、さらに2000年のシドニー五輪、2004年のアテネ五輪にも出場し、国際試合の経験は豊富だ。
 
 加えて、巨人などでプレーした元投手のマイケル中村コーチ、元オリックスのダリル・ジョージ(メルボルン・エイシズ)、指名投手枠として登録された元阪神のクリス・オクスプリング(シドニー・ブルーソックス)など、日本球界を知る選手と首脳陣の存在が加わり、不気味に映る。
 
 特にアテネ五輪準決勝では、日本を破り決勝に進出。キューバに敗れたものの銀メダルを獲得した。当時、日本代表を率いた中畑清監督代行によると、ニルソン監督は日本時代の経験を生かしつつ、日本野球を研究し尽くしていたという。

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