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佐々木朗希が「特別な日」に捧げたウイニングボール。侍ジャパンに襲い掛かったチェコの“粘り”【WBC2023コラム】

2023/03/12

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WBC2023 最新情報

 WBC1次リーグB組が11日、東京ドームで行われ、初戦で中国に、2戦目で韓国に快勝し、3連勝を狙う日本代表・侍ジャパンは、WBC本大会初出場のチェコを10-2で破り、開幕3連勝で準々決勝進出に王手をかけた。

 
 侍ジャパンの先発は、“令和の怪物”佐々木朗希。岩手県陸前高田市出身で、12年前のこの日、小学3年生時に東日本大震災で被災、父と祖父母を失った右腕は、この「3.11」について、「忘れることができない日。3月11日は毎年、特別な日です」と口にする。故郷への思いを胸に、4回途中、66球を8奪三振、被安打2、四死球3(死球1)、1失点(自責点0)の内容で勝ち投手となり、日本中の期待に応えた。
 

 

「特別な日」3.11に捧ぐ“令和の怪物”佐々木の164キロ

 これほど“勝利以上”のものを求められる投手は日本にはいないだろう。昨季、4月10日のオリックス戦で、日本プロ野球史上最年少(20歳5か月)の完全試合を達成し、同時にNPB記録かつ世界記録となる13者連続奪三振、プロ野球タイ記録の1試合19奪三振を記録。「連続奪三振数」と「完全試合を達成した投手と捕手(松川虎生)の最年少合計年齢(計38歳330日)」はギネス世界記録だ。
 

 
 さらに次戦の先発登板となった4月17日の日本ハム戦でも8回までに14奪三振を奪い、1人の走者も許さないまま途中降板。この試合では勝敗は付かなかったが、2戦連続の“完全試合”の離れ業を演じた。
 
 昨季は規定投球回数には到達しなかったものの、20先発で9勝4敗、防御率が2.02、奪三振数(173)は山本由伸に次ぐパ・リーグ2位の好成績を収めた。
 
 ファンならずとも、相手を考えれば、パーフェクトピッチングを期待されるのは無理からぬところ。対するチェコ打線にとっては、MAX165キロの豪速球は“未知との遭遇”に違いない。メジャーのスカウトが熱視線を送るなど、世界から注目を集める中、WBCの先発マウンドに上がった。

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