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西野、内らブルペン陣の不振、故障が急失速に。平沢ら若手台頭もデスパイネの穴が最大の懸念【2016年通信簿】

ペナントレースでは2年連続Aクラス。しかし北海道日本ハムファイターズ、福岡ソフトバンクホークスとの力の差は歴然だった。 CSファーストステージ敗戦後、千葉ロッテマリーンズ・伊東勤監督はこう振り返った。 「レギュラーシーズンの力の差がそのまま出たシリーズだった」と。 その言葉どおり完敗の1年だった。 今季の目標はCS進出枠の3位滑り込みではなく、あくまでリーグ優勝のはずだった。 開幕からエース涌井秀章の登板間隔を何度もずらして、福岡ソフトバンクとの直接対決にぶつけ、前年度王者に向かって行った。 エースの奮闘もあって開幕から選手、首脳陣も高いモチベーションを維持して戦うことに成功。 しかし、オールスター明けの後半戦から上位2チーム(北海道日本ハム、福岡ソフトバンク)とのゲーム差は日を追うごとに開いていくと、集中力を保つ点で難しい戦いを強いられた。年間を戦う戦力が十分でなかったのは結果として証明されただろう。

2016/12/30

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投手陣の起用法に課題も。足を使った攻撃を

ベンチワーク 2点
 潤沢とはいえない戦力をやり繰りをして2年連続Aクラス入りを果たした手腕は確かに評価できる。しかし、4月23日のQVCマリン(対オリックス・バファローズ)で8回92球1失点の涌井をマウンドから降ろし、やや疲れが見えていたストッパー・西野勇士への継投にこだわった采配は、終盤戦のブルペン陣の崩壊に何らかの形でつながったのではないかと今となっては思う。

 もちろんこれは結果論であるし、その後、同点に追い付かれた西野を攻める気持ちは、私にも当然、涌井にもない。

 ただし、その一方で「投げられるときは最後まで投げ切りたい」と常日頃から話しているチームの大黒柱のことを考えるとこの日の継投はやはり疑問が残った。

 こうした不可解な継投が、この日だけでなく、シーズンをとおして何度か見られたのも残念だった。今年に関しては投手陣を上手く回せたとは言い難い。課題の多い1年だった。

 また、一発長打が期待できない攻撃力にあって、盗塁数がリーグ5位の77で終わったのは今後の改善材料といえる。優勝した北海道日本ハムが132盗塁、2位の福岡ソフトバンクが107盗塁だからこれらとの差は歴然だ。来季はさらに足を使った攻撃を期待したい。

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