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故障者復帰で後半戦の戦い方は変わる…?ドジャース、プレーオフへ向けた先発ローテーションを徹底予想!【コラム】

2025/07/31 NEW

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産経新聞社



(左から)山本由伸、大谷翔平、佐々木朗希

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 シーズンも後半戦に突入し、プレーオフへ向けて激しい順位争いとなっているメジャーリーグ。現在ナショナル・リーグ西地区首位に立っているロサンゼルス・ドジャースも、故障者が徐々に復帰し後半戦へ向けてロースターの再編成が行われている。そこで今回は、ドジャースの終盤に向けたローテーション予想、怪我人の状況について纏めた。(文:Eli)

後半戦のローテをどう組むか

ドジャース後半戦ローテーション予想

 序盤、ブルペンデーやショートスターターなどを活用し、何とか人数を確保している状態だった先発ローテだが、カーショー、グラスノー、スネル、大谷とエース級が次々と復帰し、今度は逆に人数過多となっている。
 
 ドジャースは大谷が先発として通常通り稼働できる準備が完了次第、シーズン前から予定していた6人ローテにすると思われる。大谷が二刀流登録のため、40人枠や投手制限の13人に影響を与えることは無い。
 
 また現在メイ、あるいはシーアン/ロブレスキーが埋めているローテ6番手はスネルが復帰次第交代する予定だ。メイはオプションが無いため、若手枠が削られるだろう。
 
 以上より8,9月の先発ローテは怪我人が無い限り山本/グラスノー/カーショー/大谷/スネル/メイとなる。
 
 次にプレーオフの先発を考える。プレーオフはスケジュールの関係上6人も先発投手は必要にはならない。
 
 最低3人、多くても5人で十分だ。ここまでの成績を踏まえると、山本、グラスノーは確定。残りは変動する。3番手最有力はスネルだ。故障前の4月は9回K%8.7と制圧力はほぼゼロであったが、これは肩の炎症を抱えた影響だろう。
 
 ポストシーズンではキャリア通算48.2回を投げ、防御率3.18、K%30.3と支配的な投球を見せている。8月の復帰後、よほどの成績下降が無ければ山本、グラスノーと共に強力なトリオを形成することになる。
 
 4番手は2人のジョーカーが候補だ。1人目はカーショー。今季は手術リハビリからの復帰後、防御率3.38と安定してローテを回し、念願の3000Kも達成した。誰に聞いても一発殿堂入りのドジャースレジェンドだ。
 
 一方、プレーオフで選択肢となるかは話が別だ。カーショーのプレーオフ失敗歴は別として、今季のK%16.9、Whiff%24.2はリーグ平均以下とプレーオフでは必要不可欠な制圧力に欠ける。
 
 2人目は大谷。6月後半に実戦復帰し、順調にイニング数を増やしている。まだすべての登板が3イニング以下、合計9イニングしか投げていないが、速球平均97.9マイル、Stuff+119と投げられれば支配的な投球はしてくれそうではある。
 
 一方で未だ先発として長いイニングを投げておらず、球威は下がる可能性が高い。加えて球数制限が通常より厳しいため、面倒な変則的運用を強いられる。
 
 メイ、シーアン、ロブレスキー、ナックは今後離脱者が出た際のバックアップ、先発が足りる場合はロングリリーフに回るだろう。

 

 

ベッツの復活

ムーキー・ベッツ
 今季はベッツの不振が顕著だ。もともと開幕直前に体調不良で体重が減少。もともと優秀な方ではないバットスピードから最大限の出力を引き出すスタイルのベッツだったが、病気で更にバットスピードが低下したことで、打球速度やパワー系の指標が著しく低下してしまった。
 
 ベッツは今年32歳のシーズンだが、Chase%やWhiff%などの空振り系の指標はそれほど悪化しておらず、K%もリーグトップクラスを維持している。さらに95マイル(約153キロ)以上の投球に対しても成績の悪化は見られない。故に年齢からくる能力の低下ではなさそうだ。
 
 今季はSS守備、病気、病気によるバットスピード低下、メカニック悪化など課題が次々と積みあがる不運なシーズンとなっている。ドジャースはオールスター後の試合でベッツに休養を与え、リセットを促している。 
 
 おそらく今季中にOPS9割台のような大復活を遂げることは無いだろう。それでも、今後ベッツがキャリアで最も得意とする8月を迎える。なんとかリーグ平均レベルまでは戻してほしいところだ。

故障者の見極め

ドジャース故障者の見極め
 
 最後に故障者の調子の見極めと調整だ。
 
 先発では前述したスネルや大谷に加え、ゴンソリン、佐々木も控える。特に佐々木は4,5月の出力低下が故障によるものであって、復帰後NPB時代に見せた98-99マイル(約158~159キロ)の速球とコマンドを取り戻せるなら、制圧力を評価され、9月のメジャー/マイナー調整期間を経てプレーオフローテに入る可能性もある。
 
 リリーバーではトライネンが復帰間近、後続には100マイル(約161キロ)の剛速球を持つコペック、グラテロルが続く。3人とも昨年のプレーオフでは支配的な投球を活かして、先発不足によりフル稼働したブルペンを支えた面々だ。
 
 加えてメジャーデビュー直後に長期離脱となったカイル・ハートもいる。このあたりで誰が戦力になるのかを見極める必要がある。
 
 野手では序盤の不振をメガネ着用により吹き飛ばし、ドジャースでも上位の攻撃力を誇っていたマンシーがプレー中の事故で離脱したが、幸い大事には至らず。既にトレーニングを再開している。
 
 中位打線の長距離砲として重宝するだけに、9月はしっかりプレーしプレーオフに向けて勢いをつけたい。長年ドジャースのプレーオフ砲として活躍したキケ・ヘルナンデスは現在復帰の目途が立っていない。9月には復帰して例年のクラッチヒットを見せてほしいところだ。

 

 
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【了】



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