“第2のエドマン”獲得は…?ドジャース、ポストシーズンの救世主となり得るトレード獲得候補をピックアップ【コラム】
2025/07/24 NEW
産経新聞社

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トレード期限まであと約1週間に迫ったメジャーリーグ。大谷翔平が投手としても復帰するなど、徐々に故障者が復帰しつつあるロサンゼルス・ドジャースだが、昨季のトレード期限終了間際に獲得したトミー・エドマンがポストシーズンで大活躍したように、攻めの一手として更なる補強の実施も十分に考えられる。そこで今回は、ドジャースのトレード獲得候補に挙がる選手を纏めた。(文:Eli)
ドジャースが最優先で補強すべきポイントは…?
ドジャースがトレードデッドラインで補強を望むのは次の項目だ。
最優先事項: ブルペン
米分析サイト『Fangraphs』によれば、ロサンゼルス・ドジャースはMLBで全体8位のブルペンを持っている。
確かにスコット、イエーツ、ベシアがおり、故障からはトライネン、グラテロル、コペックが復帰する予定で、今シーズン飛躍を遂げたカスパリウス、ドライアー、ポテンシャル枠ではディアス、クライン、ヘンリケスと各層でメンバーは揃っているのだが、故障とブレイクに依存する面が若干多く不安が残る。
マイケル・コンフォート問題
ブルペンの次は打線だ。現在、主に右投手に対してレフトでスタメンを張るコンフォートはここまでwRC+80と期待を大きく下回る成績となってしまっている。
守備力も決して高くないため、攻撃力の劇的な改善が見られない限り整理対象になりそうだ。後釜としては外部獲得、あるいはキムやエドマンを活用しても良い。
野手層の強化
最後に野手層の強化だ。マンシーとキケの故障により現在3Bはエドマンが担当しているが、不振に片足を突っ込んでいる状態であり、余裕があれば強化しておきたい。
ただ、故障前はwRC+135と活躍していたマンシーはシーズン終了前に復帰できる予定であり、スター選手を獲得する必要はない。リーグ平均程度の打者を1人獲得出来れば十分だろう。
プラス: ロースター整理
プラスαとして、今後に向けたロースター整理も必要になる。
40人が上限のメジャー枠には故障者の続出により51人が登録(60IL入りはカウント外)されているが、今オフFAとなるのは7-8人であり、価値の低い選手を優先的に放出しておきたい。
候補となるのはアウトマン、メイ、ゴンソリン、リトル、フェルナンデスといったところだ。
リリーフの獲得候補に挙がるのは…?
ジョアン・ドゥラン&グリフィン・ジャックス(MIN)
昨季からトレードの噂が浮いては消えるミネソタ・ツインズのリリーバーコンビ、ドゥランとジャックス。既にドジャースを含む複数チームがツインズに問い合わせをかけていると言われている。
ジャックスは80マイル後半(約128キロ)のスイーパーと90マイル(約145キロ)後半の伸び上がるフォーシームを軸に、2年連続メジャートップクラスの成績を残しているリリーバーだ。とにかく完成度が高く、Pitching+は異次元の125超、メジャートップの奪空振り能力を持つ。
今季は防御率こそ4点台と見た目は悪いが、FIP1点台、K%は40.0に迫り、獲得後は防御率も改善していくことが予測される。同じくスイーパーを武器とするフィリップスを手術に失ったドジャースとしては良い代替選手となるのではないか。
ドゥランはとにかく球速で打者を制圧するクローザーだ。最速はフォーシームが102.7(約164キロ)、スプリットが100.2マイル(約161キロ)ともはや理解不能な領域に達している。ジャックスと比べると制球力に課題を残し、奪三振能力が劣り、与四球もある程度出す。
しかし、これはジャックスと比較した場合で、FIP2点台、K%20後半とリリーバーとしては十分だ。2人とも今年を含めて2年半保有可能、かつ多くのチームが狙っているため対価は高めと予想される。
中堅リリーフ
次の2人は実績のあるリリーフを補充するという感じだ。相手打線を絶望させるような支配的リリーフではないものの、6,7回を手堅く抑えて次の投手につないでくれるだろう。
ライセル・イグレシアス(ATL)
ロサンゼルス・エンゼルスや現在所属するアトランタ・ブレーブスのクローザーを長年務めてきたイグレシアスだが、今季は少し苦しんでいる。
特にxSLGにおいては昨年の.296から.493と大幅悪化しており、打たれた際のダメージが大きくなってしまっている印象だ。一方で、空振りや奪三振はリーグ上位を維持。与四球も増えておらず制球力が悪化している印象はない。
クリス・マーティン(TEX)
NPBの北海道日本ハムファイターズにも所属、更には過去ドジャースにトレード移籍したこともあるマーティン。MLB定着以降圧倒的な制球力で支配的な投球を続けてきたリリーフだ。
今季も奪三振、与四球はリーグ上位レベルなものの、イグレシアスと同様、ボールを当てられた際のダメージが課題となっている。また空振り率がキャリアを通して低いこともプレーオフを戦う上では若干のマイナスとなる。
打者の獲得候補に挙がるのは…?
ラーズ・ヌートバー(STL)
米現地メディア『Cardinals Live』によればドジャースはヌートバーに興味を持っているようである。
2022年は108試合の出場でwRC+123、守備も上手くfWAR2.5を積み上げたがその後は故障も多く、年100試合程度、攻撃力はリーグ平均+α程度で推移。今季もwRC+104とリーグ平均レベルだ。
一方で光る点も多く、バットスピードや打球初速はリーグ上位、ボールコンタクト能力も高い上に、四球を選べる選球眼も良い。今季を除けばStatcast系の指標も良く運が悪いところがありそうだ。
トレード獲得を目指すなら、ヌートバーの才能を開花させられる自信があることが絶対条件となる。セントルイス・カージナルスは地区1位のミルウォーキー・ブリュワーズに6.5ゲーム差をつけられているが、ワイルドカード争いでは圏内まで1.5ゲーム差、プレーオフ進出確率29.2%と現段階でシーズン終了とは言えない。
FAまで2年半のヌートバーの放出には相当の対価を要する。その対価に見合うだけの成績を引き出せると踏むなら獲得しても良いだろう。
テイラー・ウォード(LAA)
マイナーに多くのスター候補外野手が控えている中、2026シーズン終了後にFAとなるウォードはコンフォートの後釜にベストフィットだ。
2022年にwRC+136とブレイクして以降、その時の姿を取り戻すには至っていないが、成績が下降したと言ってもリーグ平均以上の攻撃力は出している。守備力も平均レベルは出せるため、コンフォートのようにチームの弱点となってしまう可能性は低い。
エンゼルスは地区首位まで9ゲーム差、ワイルドカード圏内までは4.0差、プレーオフ進出確率3.9%と厳しい状態にある。来年も競争力を保ちたいであろうエンゼルスがチーム中核打者を放出するかは微妙だが、検討の余地はあるだろう。
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