ドジャース・大谷翔平、三冠王の可能性に現実味。ナ・リーグの首位打者争いは史上初の”低レベル”に?【コラム】
2025/07/19
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大谷翔平 最新情報
2年連続の世界一に向けて、調子を上げたいロサンゼルス・ドジャース。しかし、MVPトリオが不調に陥るなど、後半戦に向けて不安要素が残る。そんな中、捕手のウィル・スミスがナ・リーグ首位打者に立つも、史上初の2割台首位打者の可能性も浮上している。そして、大谷翔平の三冠王の可能性も現実味を帯びている。(文・八木遊)
ポストシーズンで対戦する可能性も
メジャーリーグは、大いに盛り上がったオールスターゲームが終わり、日本時間19日から後半戦に突入する。
注目のドジャースは、本拠地ドジャー・スタジアムでの3連戦からスタート。相手はオールスター前に敵地で3タテを食らったミルウォーキー・ブルワーズで、ポストシーズンで対戦する可能性もあるだけに、ここはしっかりと前回のリベンジを果たしておきたいところだろう。
ただし、オールスターブレイク前のドジャース打線は大谷を筆頭に、ムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマンのMVPトリオがそろって不振だった。7月の月間打率は、大谷.186、ベッツ.205、フリーマン.208という体たらくだ。
そんな“大不振トリオ”を尻目に好調を維持していたのが、捕手のウィル・スミス。ドジャースのレギュラー野手では唯一、月間打率3割台(.357)をマークしており、目下ナ・リーグの首位打者に立っている。
しかし、スミスの打席数は規定打席の300を1上回るだけの301。捕手というポジション柄、適度な休養を挟みながらの起用となるため、規定打席数を行ったり来たりという状況が続きそうだ。ちょっとしたケガなどで、一定期間の欠場を強いられれば、最終的に規定に届かないということもあり得るだろう。
また、ナ・リーグの首位打者争いは、スミスを除くと歴史的な低レベルとなっている。2位のフリーマンから9位のマイケル・ブッシュ(カブス)の8人が、.297から.290まで7厘差以内にひしめき合っているが、いずれも3割に届いていない。後半戦のスミスの使われ方次第では、メジャーリーグ史上初となる打率2割台の首位打者が誕生するかもしれない。
首位打者争いの陰で浮上するのが…
そんな史上空前の低レベルな首位打者争いの陰で浮上するのが、大谷の三冠王の目だ。
投手復帰後は打撃にブレーキがかかり、一時は3割1分台に乗せていたシーズン打率を.276まで下げている。それでも、リーグ2位のフリーマンとの差はわずか.021。勢いに乗れば止まらないタイプの打者だけに、固め打ちを数試合続ければ、首位打者争いに加わるチャンスは十分あるだろう。
さらに開幕以降、低空飛行が続いていた打点の数も気が付けば、リーグトップのユジニオ・スアレス(ダイヤモンドバックス)と18差の60打点。上位との差を徐々に詰めている。
思い起こせば、昨季の大谷は後半戦に打棒を爆発させ、史上初の「50本塁打&50盗塁」を達成。1番打者ながら後半戦にメジャー最多となる61打点を挙げ、本塁打と打点の2冠王に輝いた。
今季も同じ様に、終盤戦にかけて自慢のバットが火を噴けば、3つのタイトルを獲得してもおかしくない。二刀流で狂ったリズムを取り戻せるか。後半戦も大谷から目が離せない。
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