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ドジャース・大谷翔平、6月に急降下している”バロメーター”。データが示す「ゴロ量産態勢」の実態【コラム】

2025/06/09

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ドジャース・大谷翔平

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 ロサンゼルス・ドジャースは8日(日本時間9日)、セントルイス・カージナルス戦に快勝し、同試合で大谷翔平も二塁打を放って5試合連続安打を記録した。しかし、今月の大谷は長打が少なく、打球角度の低下やゴロの割合も増加傾向にある。得意の6月だが、打撃不振が懸念されており、今後の打撃内容が注目されている。(文・八木遊)

 

大谷が得意な6月に入ったが…

 
 現地8日(日本時間9日)、セントルイス・カージナルスとの3連戦最終戦でようやくロサンゼルス・ドジャースの打線が火を噴いた。
 
 前日までの2試合は合計19安打を放つも、わずか1得点に抑え込まれていたドジャース。この日は、2回にキム・ヘソンの三塁打など4安打を集中し、3点を先制した。その後はムーキー・ベッツに3週間ぶりの一発が飛び出すなど、効率よく7得点を挙げた。
 

 
 投げてはベテランのクレイトン・カーショーが5回1失点の力投。6回以降は5人のリリーフをつぎ込む必勝リレーを見せ、カージナルスを7-3で下した。カーショーは294日ぶりの白星をつかみ、チームもいい形で翌日から始まるサンティエゴ・パドレスとの首位攻防戦を迎えられそうだ。
 
 そんな中、「1番・指名打者(DH)」で先発した大谷翔平は、初回の第1打席にセンターの頭上を越える二塁打を放ち、5試合連続安打をマーク。ただ、今月に入って、長打はこれが2本目と打棒全開には至っていない。
 
 それでも、今月は8試合中6試合で安打を放ち、打撃の調子自体は決して悪くはない。不調と思わせてしまうのは、大谷に対する期待値の高さと、5月に打ち過ぎたことも要因だろう。
 
 5月は27試合出場で15本塁打を放ち、自身6度目の月間MVPを受賞した。得意とする6月はさらに打撃の調子が上向くとみられていたが、今月は8試合の出場で1本塁打にとどまっている。
 
 また、下降線を辿っているのは打撃だけではない。
 

好不調を示すバロメーターが”急降下”

 
 打撃とともに“下降”傾向にあるのが、大谷の打球角度である。大谷にとって打球角度は、好不調のバロメーターの一つとなる。もちろん俊足も持ち合わせているため、ゴロでも内野安打の可能性はあるが、やはり大谷にとってライナーとフライの割合は高い方がいい。
 
 今季の大谷の平均打球角度を月ごとに見ると、なかなか打球が上がらないといわれた3~4月が13度。絶好調の5月は15度に持ち直したが、今月はいまのところ11度に下がっている。
 
 月ごとのGB%(全打球に占めるゴロの割合)に置き換えると、さらに深刻さは鮮明となる。3~4月は42.0%だったGB%は、5月に37.5%と良化の気配を見せたものの、今月はいまのところ54.1%と再び上昇している。
 
 今月の大谷は、ゴロ量産態勢に入っているのだ。8日のカージナルス戦も、二塁打が出た後は、一ゴロ、左飛、遊ゴロ、死球と3つの凡打のうち2つがゴロアウトだった。月間打率も5月の.309から今月は.258と右肩下がりだ。
 
 9日から地区ライバルのパドレス、サンフランシスコ・ジャイアンツとの合計10試合が組まれている。
 
 ドジャースにとって前半戦の山場になり得るが、大谷はギアを入れ直すことができるのか。5月の反動という懸念の声を、1日も早く払拭したいところだ。

 
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【了】



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