ドジャース、”常勝軍団”ゆえにWBC派遣には後ろ向き…?戦い続けることの影響、リスクとは【コラム】
2025/05/01
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MLB投手を入れることのデメリット
前回大会では、MLB球団が投手をWBCに派遣する際に、強力な登板制限を設けた。これはWBCがスプリングトレーニングの時期と完全に重なるためであり、WBCの登板がそのままレギュラーシーズンに向けた調整の一環となるからだ。
この登板制限には、先発投手の球数制限、リリーフ投手の連投禁止、一度ブルペンで肩を作ったら必ず登板し、追加のウォームアップは禁止――といった内容が含まれている。
2023年のグループステージにおいて、アメリカ代表はこの制限に大きく苦しめられた。3月13日と14日にメキシコ、カナダとの連戦が予定されていたが、初戦のメキシコ戦では、第2先発として登板したブレイディ・シンガーが立ち上がりからピンチに陥った。
この時点でスコアはメキシコの3-1リード。さらなる失点を防ぐにはシンガーを早めに交代させるのが理想だったが、球団から課された「最低球数制限」により交代が許されなかった。結局、シンガーはジョーイ・メネセスにホームランを浴び、スコアは1-7と大きく引き離されてしまった。
さらに8回に登板したリリーフのダニエル・バードもピンチを招いた。当初のプランでは8回をバード、9回をデヴィン・ウィリアムスで締める予定だったが、バードが崩れたため、予定外の投入としてウィリアムスだけでなく、翌日のカナダ戦に温存予定だったライアン・プレスリーまで登板する事態となった。
それでも、カナダ戦ではランス・リンが5回1失点、マイルズ・マイコラスが2回無失点と安定した投球を見せ、打線も12得点の猛攻を展開。結果的には難を逃れたものの、登板制限が勝ちを目指すチーム戦略に大きな影響を及ぼすことが浮き彫りとなった。
日本代表に関してはMLB選手の割合が少ないため、NPB選手を活用することでこの問題を解決できる。一方でMLB選手が半分以上占めることが予想される他国の代表チームについては、所属球団が制限を解除・緩和しない限り、前回と同様の問題を抱えることになる。
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