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佐々木朗希が今オフにドジャース入りも!? “令和の怪物”のメジャー挑戦が生み出すメリットとは【MLB】

2024/04/14

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産経新聞社



“いま”の佐々木朗希はメジャーで通用する?

 佐々木のメジャー挑戦まではまだ時間があるため、情報が少ないのだが、2023年3月に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、メジャーのボール、機材を使ったトラッキングが可能であったため、米メディア『The Athletic』のEno Sarris記者が分析を公開している。Sarrisは球種の物理的指標で質を判断する『Stuff+』というモデルを用いている。
 
 同モデルによれば、WBCで登板した先発投手の中で佐々木の『Stuff+』はメキシコ代表のフリオ・ウリアスに次いで2位であるという。ちなみに佐々木の下には2022年ナショナル・リーグ(NL)サイ・ヤング賞投手であるサンディ・アルカンタラや、2023年アメリカン・リーグ(AL)サイ・ヤング賞投票2位に入ったソニー・グレイがいる。
 
 球速という要素のみに注目すれば、佐々木はすでにメジャートップレベルだ。速球の平均球速100マイル(約161キロ)というのは平均球速の上昇が激しいメジャーでも珍しく、2023年に達成したのはフォーシーム、シンカー合わせて4人しかおらず、しかもすべてリリーバーである。
 
 先発投手ではゼロで、最速ではドジャースのボビー・ミラーのフォーシームで、平均球速99マイル(約159キロ)を記録している。スプリットの平均球速90マイル(約145キロ)は2023年に5人のリリーバーによって達成されており、先発投手での最速はアレックス・コブの89.5マイル(約144キロ)であった。
 
 日本人投手がメジャー挑戦する際に頻繁に言われることだが、メジャーの投手でスプリット使いは珍しい。近年のスイーパー流行で、対逆利き打者(左投手→右打者、右投手→左打者)への中和剤としてスプリットが注目されてはいるものの、2023年では全体の2.2%しか用いられていない。
 
 また、100球あたりの得失点期待値の変動は-0.50と、変化球の中ではフォークボールに次いで2位である。いまだメジャーの打者はスプリットに慣れているとは言えず、球速も踏まえれば有効な球種になるだろう。

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