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プロ野球に新たな療法。発案は日本人、“逆輸入“のファンクショナル・カッピング・メソッドとは?

大谷翔平が加入するロサンゼルス・エンゼルスからほど近い、カリフォルニア州のアーバイン市から新たなコンディショニング法が広まっている。米国公認カイロプラクター浅野吉隆氏が考案したファンクショナル・カッピング・メソッドだ。日本のプロ野球球団や選手からも支持を得ているという、そのコンディショニング法を現地在住記者がリポートする。(取材・文:角谷剛【アーバイン】)

2018/01/21

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肩の可動域が大幅に向上

 下は記者がファンクショナル・カッピング・メソッドの治療を受けた前後の写真である。治療は10分間程度で左肩のみに行われたが、可動域の向上に驚くほどの効果が見られた。左手の位置に注目してほしい。

 
 浅野氏が治療したプロ野球投手の中にはシーズン中に疲労が蓄積して肩回りの可動域が非常に狭まった状態で投げ続けていたケースが多く見られたと言う。言うまでもなく、肩の可動域は投球動作に直接関わる部分である。前述のような状態がパフォーマンスを下げ、怪我の危険性を高めることは明らかである。
 
 無論、可動域を広げることだけで全てが解決するわけではない。浅野氏は「ファンクショナル・カッピングはあくまでコンディショニングにおける一つの方法であって、従来の筋膜リリースやマッサージとも併用出来るし、何よりも適切なトレーニングを続けることが最も重要」と説明している。
 
 南カリフォルニア発祥のファンクショナル・カッピング・メソッドが日本プロ野球界において逆輸入のコンディショニング方法として受け入れられ浸透していく中、「地元」選手のエンゼルス・大谷が浅野氏の治療を受ける日が来るかもしれない。
 
浅野吉隆氏
経歴
・一般社団法人グローバルアスリートサポート協会ロサンゼルス南カリフォルニア健康科学大学(Southern California University of Health Sciences)卒業
・米国公認カイロプラクター
・カリフォルニア州公認鍼灸師
・ 2009年 プロサッカーチーム、ロサンゼルス・ギャラクシーにてメディカル・スタッフとしてプロアスリートのサポートを開始。
・2010年 カリフォルニア州アーバインにて自身のクリニック「浅野カイロプラクティック&鍼灸院」を開業。
・2013年 元メジャーリーガー長谷川滋利氏の練習施設にて、長谷川氏並びにプロアスリートを目指す学生やアマチュア選手のケアを開始。
・2015年 ファンクショナル・カッピング・メソッドを考案。
・2017年 一般社団法人グローバルアスリートサポート協会(GASA)を設立。

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