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グラブ投げつけ、インフィールドフライを落球…判定はどうなる?【意外と知らない野球ルール3問クイズ】

 野球には、様々な状況を想定した「公認野球規則」がある。このルールブックによって、想定外と思われるような珍場面でも公正な判定を下すことができる。今回は「名珍場面から振り返る野球のルール」(カンゼン、2014年刊行)より、難解な野球規則を過去の事例からクイズ形式で出題する。(2017年12月28日配信分、再掲載)

2020/03/31

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正解は…

A:インフィールドフライ宣告の瞬間、打者はアウト。本塁はフォースプレーではなく、タッグプレーとなるため、併殺にはならない。
 

 1991年6月5日、大洋対広島戦で今でも語り継がれるプレーが起こった。ある意味では、インフィールドフライの説明に用いるには最高のプレーともいえる。
 
 2対2の同点で迎えた9回裏1死満塁で、大洋の清水義之がホームベース付近に高いフライを打ち上げた。そのフライを見て、球審がインフィールドフライを宣告したが、広島の捕手・達川光男がこれを直接捕球せず、打球はフェアゾーンに落ちた。
 
 落ちたのを見て、各塁の走者はスタート。達川はすぐ近くにあった本塁を三塁走者よりも早く踏み、打者走者を刺すために一塁に送球した。これで併殺成立…とはならずに、三塁走者の山崎賢一が本塁を踏むと、球審が得点を認めた。何故なのか?
 
 公認野球規則6.05「打者は次の場合、アウトになる」の(e)項に「インフィールドフライが宣告された場合」と書かれている。つまり、インフィールドフライ=打者はアウト。野手がフライを捕っても捕らなくても、アウトであることに変わりはない。この場合、打った清水はすでにアウトになっているため、達川が三塁走者をアウトにするためには山崎にタッグしなければいけなかった。
 
 なお、各塁の選手はあえて走る義務もなかった。山崎はフライが落ちたのを見て走ったわけだが、捕手にタッグされればゲッツーになっていた。危うくボーンヘッドになるところだった。

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