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清宮幸太郎の魅力――「ヴェールに包まれた」潜在能力への期待感【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#63】

今年のドラフトの目玉・清宮幸太郎(早実)の交渉権を7球団競合の末、日本ハムが引き当てた。甲子園を沸かせた大器が、日本ハムでどのようなプロ野球人生を歩むのか楽しみだ。

2017/11/04

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野球の技術だけではない、清宮の魅力

 ある雑誌対談でスポーツライターの小関順二氏とご一緒したとき、一体、清宮の高校時代の名場面はどれだろうという話になった。例えば松井秀喜なら「明徳義塾戦の5打席連続敬遠」のように後々までの語り草になるシーンがある。僕は1年夏の甲子園「19打数9安打2ホームラン」の怪物出現感を挙げた。小関さんは2年時の侍JAPAN壮行試合、U-18日本代表vs大学日本代表の「4番DH・清宮vs創価大の155キロエース田中正義」(甲子園球場)を挙げた。この対決ではタイムリーを放ったのだ。プロに持ち越されるべきライバルストーリーとして、田中正義がソフトバンクにいて、「高校BIG3」として比較された安田尚憲がロッテに決まったのは好ましいことだ。
 
 小関さんは(ドラフト前の対談なのに)清宮は日ハムが一番いいと断言してくれた。僕も惚れ込んで、うちに来ると決めてかかってたので「遠州森の石松、寿司食いねぇ」状態だ。小関さん、その日ハムの育成ってのはそんなにすごいかい、そうかい、寿司食いねぇ。小関さんは清宮の守備や足も絶賛していた。決してファーストしか守れないことはないし、走らせれば足は速いのだと。まぁ、それはファイターズの野球スタイルにも関わることだから、当然のように要求されることになる。「ヴェールに包まれた」潜在能力はプロの舞台で示してくれればいい。
 
 僕は清宮の人間性の魅力を感じている。あれだけマスコミに追いかけまわされて嫌な顔ひとつ見せず、常に自分の言葉で語ろうとする姿勢は並大抵ではない。素直でいて、芯が強そうだ。大らかな表情は見ていて愉快になってくる。地方大会のライバル校が清宮シフト(内野を5人にする、極端に右寄りにポジションを取るetc)を研究したり、大一番までエースを温存する策に出たりしたのも気持ちがわかる。対戦するのが楽しい選手なのだ。皆、つい夢中になるのだ。
 
 本稿執筆の11月初旬の段階で言えることは一日も早く契約して、ファイターズ入団を発表してほしいということだ。球団が事前面談に行かなかったのは、つまり相思相愛ということだ。荒木大輔2軍監督も正式に決まって、受け入れ態勢もバッチリ整った。この早実ライン強化は、もしかしたら来年、野村大樹(早実)も狙うのかもしれない。清宮君、ファイターズへようこそ! 本当の物語はここから始まる。思い切り暴れてくれ。春が待ち遠しい。プロ第1号が早く見たいのだ。

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