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巨人・2017通信簿、球界屈指の三本柱も屈辱の11年ぶりBクラス。V3時代との決別で再建を【死亡遊戯コラム】

読売ジャイアンツは2017年シーズン全日程を終了した。セ・リーグ4位が確定し、2007年から続くクライマックスシリーズ(CS)出場を逃した。今季は球団最長の13連敗を喫するなど、ここ一番の勝負弱さが目立った。高橋由伸監督の2年目のシーズンを振り返る。

2017/10/06

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野手2点

 チーム打率.249、113本塁打、536得点と寂しい数字の並ぶ打撃成績。リーグ唯一の20本塁打以上0名の長打力不足に悩まされた。
 
 首位打者を争い、48二塁打でリーグ記録を更新したケーシー・マギーがひとり気を吐いた17年の巨人打線だが、やはり「4番ファースト阿部慎之助」が今のチーム状況を象徴してしまっている。2000安打を達成した阿部は間違いなく21世紀の巨人最大の功労者だが、すでに38歳。5年前は「4番キャッチャー阿部」が巨人のストロングポイントだったのに、今は「4番ファースト阿部」がチームの弱点になりつつある。
 
 打率.262、15本、76点、OPS.718。守備・走塁面も加味すると、今の背番号10は4番打者としても、一塁手としても、他球団の主軸とは大きな力の差があると認めざるを得ないだろう。
 
 だが、現状この満身創痍の阿部や、終盤は打撃不振に苦しんだキャプテン坂本勇人を脅かす若手野手がチーム内に皆無だったのも事実。来年3月で39歳になる阿部を7番ファースト、もしくは代打の切り札として起用できるようなチーム編成を求めたいところだ。
 
 昨年の野手通信簿で「長年同じメンバーで戦い続けることによってベンチに漂う一種のマンネリ感。それを打ち破る起爆剤として獲得するのが、日本ハムからFA移籍の陽岱鋼」と書いたが、陽は故障で開幕から出遅れ、交流戦中に1軍復帰するも、87試合、率.264、9本、33点、4盗、OPS.762という平凡な成績に終わった。環境に慣れた巨人2年目は真価が問われる勝負のシーズンになるだろう。
 
 若手では今季最終戦の10月3日、神宮球場で3安打を放ち、二塁で好守を連発したドラ1ルーキー吉川尚輝、打席数が少ないながらも打率.350をマークし、神宮のバックスクリーンに豪快な4号アーチを放った2年目キャッチャー宇佐見真吾らに来季の飛躍を期待したい。
 
 そして、ドラフトでは阿部の後を継ぐ新たな和製大砲候補を由伸監督自ら引き当てられるかも注目だ。

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