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「先発中5日制」へダルビッシュの提言がきっかけになったベンチ入り人数枠増加案。新労使協定で合意ならずも大きな意義【小宮山悟の眼】

11月30日、メジャーリーグ機構と選手会との間で、新たな労使協定の内容に関して合意に達した。個人的に注目していたのはロースター枠の拡大だった。

2016/12/10

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ロースター枠に注目した理由

 11月30日、メジャーリーグ機構は、選手会との間で、新たな労使協定の内容に関して合意に達したと発表した。 
 これまでの協定からの改定点として、ワールドシリーズ本拠地開幕権の決定方法や、ぜいたく税の規定額、国際ドラフトの導入などが話し合われていたが、個人的にはアクティブ・ロースター(出場選手枠)を従来の25人から26人へ増やす案の交渉の行方に注目していた。
 
 結果から言えば、新協定のベンチ入り人数は「25人のまま」で決着した。26人に増えることを期待していたので、この結果を残念に思う。
 
 なぜ、そこまで出場選手枠の増加について注目していたかといえば、その結果がもたらす影響がかなり大きいから。わずか1選手分といえども、金銭面、チーム編成面など、その影響は広範囲に及ぶのだ。
 
 まずは金銭面での影響について。
 アクティブ・ロースターが拡大すれば、選手がFAの権利を有するまでの期間短縮につながる。それはFA市場の活性化につながり、結果として年俸の高騰を招くだろう。また、引退後の選手年金の額にも影響が出てくることも明らかだ。
 各チーム1人×全30球団の30選手分と考えれば、トータルで動くお金はとてつもない額に上ると、容易に想像できる。こういう事情から、機構側……つまり経営者であるオーナーサイドは、現行のままを主張したわけだ。
 
 裏を返せば、アクティブ・ロースター26人枠案は、選手の待遇向上につながる。ただ、選手会が増加案を希望したのは、そのためだけではない。チーム編成上、選手に有利な環境が生まれるからだ。そして、私が26人枠を期待した理由もそこにある。

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