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打撃3部門とは無縁でも…「無冠の帝王」の5人(2)大ケガを乗り越えた“天才”

2022/11/24

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産経新聞社



プロ野球 最新情報(最新ニュース)

 プロ野球の世界では、タイトル獲得が一つの大きな勲章だ。野手では主要打撃3部門(打率・本塁打・打点)の受賞が特に大きな価値となっている。しかし、主要タイトルとは無縁だったものの、球界を代表する強打者として活躍した選手も数多くいる。ここでは、「無冠の帝王」と称された一流打者5人を紹介する。

 

 

前田智徳


出身:熊本県
投打:右投左打
身長/体重:176cm/80kg
生年月日:1971年6月14日
ドラフト:1989年ドラフト4位

 
 通算打率.302を誇り「孤高の天才」と称された前田智徳。広島東洋カープを支えた功労者だが、意外にも打撃タイトルには縁がなかった。
 
 1989年ドラフト4位で熊本工業高校からカープに入団。高卒1年目から56試合に出場して経験を積み、翌年にレギュラーを獲得。1992年には打率.308、19本塁打、89打点、18盗塁の好成績を残し、大きく飛躍を遂げた。同年は打点王に肉薄したものの、1年限りの在籍だったラリー・シーツ(大洋)に後塵を拝した。
 
 その後はリーグ屈指の好打者として君臨した。1995年に右足のアキレス腱断裂という大けがを負ったものの、復活を果たして1998年に自己最高の打率.335をマーク。しかし、この年は鈴木尚典(横浜)にわずか2厘差で首位打者争いに敗れた。
 

 
 2000年に今度は左足のアキレス腱を痛めて長期離脱を強いられたが、不屈の精神で一軍の舞台へ返り咲き、2002年には打率.308、20本塁打でカムバック賞を受賞。長らくカープの中心打者として活躍を続け、晩年は代打の切り札としても存在感を示した。