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【データで選出7月月間MVP】村上ではなく中日・岡林が12球団トップ。同じく中日・髙橋宏斗も圧倒的奪三振能力を発揮

2022/08/08

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産経新聞社



防御率3点台も実はいつもどおりの投球を見せていたオリックス・山本


 
 投手のWARは投球の質と量両面でどれだけ貢献したかから求める。質は「奪三振」、「与四死球」、「被本塁打」、量は「投球回」によって決まり、そこから平均的な投手と比較しどれだけ多くの失点を防いだかを算出。それが何勝分に値するのか換算したものが投手のWARとなる。
 
 投手部門でパ・リーグは山本由伸(オリックス)、セ・リーグでは濵口遥大(DeNA)がそれぞれ1.12、1.07のWARを記録した。

 山本は7月の防御率が3.14。彼の基準からすると本調子ではなかったように見えるかもしれない。しかし詳しく投球内容を見ると、平均が約20%になるK%(奪三振/打者)では28.7%と高い値を記録。与四球も少なく、実はいつもどおりの素晴らしい投球を見せていたようだ。防御率がいつもより悪かったのは、投手の実力ではコントロールできない運による部分が大きい。
 
 セ・リーグでは髙橋宏斗(中日)が凄まじい奪三振能力を発揮。K%は先述した山本を大きく上回る37.3%を記録し、多くの失点を防いでいる。本企画でもトップ・濵口との差はわずかで、月間MVPに選ばれてもおかしくない投球だったと評価できる。
 
 
DELTA@Deltagraphshttp://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~5』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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