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【2022ロッテ・戦力分析】低迷する先発陣の再建が最重要課題。佐々木朗希の活躍に期待

2022/03/20

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DELTA・竹下弘道



4.今季の選手供給の見込みは?

 ここまでに論じた補強ポイントを踏まえて、ロッテが新しい選手をどれだけ用意できるかを見ていきたい。一軍に選手を供給する手段は、①二軍から選手を引き上げる、②ドラフトで獲得する、③国内外の他チームから獲得する、の3つだけだ。それぞれの手段について、どのような選手供給が見込まれるかを見ていこう。
 
 まずは二軍だ。二軍において得失点差への寄与が優れる選手は、一軍でも得失点差を改善する見込みが強いと言える。ここでは2021年の二軍において、各選手が得失点差に何点分の寄与をもたらしたかを調べた[4](図5)。グラフは縦軸が得失点差への寄与、横軸が年齢を表しており、優秀でなおかつ若い左上の選手は将来的な一軍定着を期待しやすい。
 

 
 補強ポイントの先発では本前郁也と河村説人が好成績を残している。ただ、どちらも既に一軍戦力になっているため、今季の上積みとなる追加戦力にはなりえない。彼ら以外には好成績の若手はいないため、先発は二軍からの選手供給が期待しづらいと思われる。
 
 また、捕手は植田将太、三塁手は福田光輝が主に起用されたが、どちらも現時点の成績は二軍平均を下回っている。一軍に送り出すにはまだ時間がかかりそうだ。
 
 他ポジションでは遊撃手の平沢大河が好成績を残している。平沢は三塁手での出場実績もあるため、三塁手の底上げに貢献できる可能性があるだろう。昨季の好成績は遊撃守備のプラスによるところが大きいため、三塁手でも守備適性を発揮できるかがポイントとなる。

 次はドラフトを見ていこう(図6)。育成契約の選手が1年目から戦力になるケースは稀なので、支配下契約の選手のみを見ていきたい。
 

 
 1位で捕手の松川虎生、2位で三塁手の池田来翔を獲得。上位枠を使って補強ポイントに有望な人材を確保できたかたちだ。ただ、高校生捕手が1年目から活躍した例は歴史的に見てもかなり少ない[5]。今季中の上積みを狙うなら松川には歴史的な活躍が求められる。
 
 3位以下では廣畑敦也、八木彬と即戦力投手を2人獲得した。ただ、現時点ではどちらもリリーフで起用される見込みとなっており、先発の底上げには繋がらなさそうだ。
 
 最後に補強を確認する(図7)。こちらも育成契約の選手が1年目から戦力になるケースは稀なため、支配下契約の選手だけを見ていく。
 

 
 補強では外国人枠で救援投手のタイロン・ゲレーロを獲得した。直近5年間はほとんど先発で起用されていないため、先発起用は難しいと見られる。なお、ロッテは左の救援投手が極端に不足しているため、リリーフを補強するなら左腕が欲しかったところかもしれない。

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