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岩村明憲がメジャー挑戦、再起をかける松井秀喜ら6選手の活躍はーー日本人野手のメジャー挑戦を振り返る【2007年編】

2020/07/09

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 ついに7月23日(日本時間7月24日)開幕が決まったメジャーリーグ。60試合制や、ナショナル・リーグ初の指名打者(DH)制導入など、NPB同様2020年は異例のシーズンとなる。
 

 
 一方で、今年は新たに筒香嘉智、秋山翔吾、山口俊の3人がNPBから海を渡り、メジャーの舞台に挑戦。2人の野手が同時に挑戦するのは、2012年の青木宣親と川﨑宗則以来8年ぶりとなる。筒香と秋山は、日本人野手再評価の流れを作ることができるだろうか。
 
 本シリーズでは、年度別シーズンOPSランキングトップ10選手と、同年の日本人選手の成績を振り返り、時代背景とともに日本人野手のメジャーリーグ挑戦の軌跡を辿る。今回は2007年編。

2007年シーズンOPSランキングトップ10


 
 

 2007年は、ランキング常連のアレックス・ロドリゲス(ニューヨーク・ヤンキース)が初の1位に輝いた。同年のロドリゲスは、打率.314、54本塁打、156打点をマークし、アメリカン・リーグ本塁打王、打点王の二冠を獲得。長打率.645、OPS1.067は両リーグトップの数値となった。
 
 2位はチームをワールドチャンピオンへと導く活躍を見せたデビッド・オルティス(ボストン・レッドソックス)、3位にタンパペイ・デビルレイズ(現タンパペイ・レイズ)のカルロス・ペーニャ、4位にはチッパー・ジョーンズ(アトランタ・ブレーブス)が入った。
 
 5位にはマグリオ・オルドニェス(デトロイト・タイガース)が初のランクイン。オルドニェスは、毎年3割前後の打率を残す好打者だったが、メジャー11年目となった同年は大きく数字を伸ばした。打率.363、216安打、28本塁打、139打点、OPS1.029をマークし、初の打撃タイトルとなるア・リーグ首位打者を獲得した。
 
 続く6位のプリンス・フィルダー(ミルウォーキー・ブルワーズ)は、阪神タイガースでもプレーした父セシル・フィルダーと同じく長距離砲として活躍を続けた。同年は前年の倍近い50本塁打を放ち、ナショナル・リーグ本塁打王を獲得。メジャー3年目にして飛躍を遂げた。
 
 7位はマット・ホリデイ(コロラド・ロッキーズ)、8位に前年1位のアルバート・プホルス(セントルイス・カージナルス)、9位にチェイス・アトリー(フィラデルフィア・フィリーズ)が初のランキング入りを果たした。
 
 10位には同じくフィリーズのライアン・ハワードとなった。前年はナ・リーグ本塁打王、打点王の二冠に輝き、ランキング3位に入ったハワード。7つ順位を下げる結果となったが、47本塁打、136打点をマークし、2年連続ナ・リーグ打点王を獲得した。

岩村明憲がメジャーデビュー

 2007年は、岩村明憲がメジャーデビュー。同年オフにはチーム名がレイズに改名となったため、デビルレイズ時代に所属した唯一の日本人野手となった。
 
 岩村は、東京ヤクルトスワローズからデビルレイズに入団。NPBでは打撃タイトルの受賞歴はないが、長打力ある打撃を武器に、日本を代表する三塁手として活躍した。
 
 MLBでは、「6番・三塁」で開幕スタメンを勝ち取り、初安打も記録。打撃好調で高い打率を残していたが、4月下旬に故障者リスト入りとなり、1ヶ月ほど戦列を離脱した。
 
 復帰後は1番に定着した岩村。日本時代のパワフルな打撃スタイルとは打って変わり、コンタクト率を高めるなど、チームバッティングに徹底。守備でもシーズン終盤には二塁手へコンバートとなるなど流動的な起用法だったが、臨機応変に対応した。
 
 最終的に123試合に出場。打率.285、7本塁打、34打点、OPS.770をマークした。けがによる離脱はあったが、数字以上の高い貢献度を見せ、上々のメジャーデビューを果たした。

松井稼頭央、井口資仁両内野手の2007年シーズン

 ここでは松井稼頭央、井口資仁両内野手の2007年シーズンを振り返っていきたい。
 
 まずは、前年のシーズン途中にロッキーズへ移籍した松井稼だ。
 
 メジャー4年目を迎えた同年は、2年ぶりに開幕スタメンを勝ち取った。4年連続の初打席本塁打とはならなかったが、複数安打を放つ活躍を見せた。しかし10試合足らずで腰痛により離脱。1ヶ月以上の離脱を強いられた。
 
 5月下旬に復帰後は、「1番・二塁」に定着。チームはシーズン終盤に快進撃を見せ、ワイルドカードでのポストシーズン進出を決めた。
 
 ポストシーズンでは満塁本塁打を放ち、勝利に導く打撃を見せた松井稼。ワールドチャンピオンには届かなかったが、球団初のワールドシリーズ進出に大きく貢献した。
 
 最終的に104試合に出場。打率.288、32盗塁、OPS.746をマークした。けがによる離脱は痛かったが、シーズン途中からは切り込み隊長としてチームの躍進を支えた。
 
 次に、メジャー3年目を迎える井口。
 
 過去2年間はチームバッティングに徹するなど縁の下の力持ちとしてチームを支えたが、同年は開幕からけがを抱えての強行出場となり、低調なスタートとなった。
 
 以降もけがの影響から調子が上がらず、打率も低迷。7月下旬にはフィリーズへトレード移籍となった。
 
 移籍直後はスタメン出場を続けた井口。その後三塁手への転向を打診されたが、これを固辞したため、代打での出場が続いた。
 
 最終的に135試合に出場。打率.267、9本塁打、43打点、OPS.746となった。フィリーズ移籍後は3割を超える打率をマークしていたが、あくまで二塁手としての出場にこだわった。

松井秀喜、田口壮両外野手の2007年シーズン

 続いて松井秀喜、田口壮外野手の2007年シーズンを振り返っていく。
 
 まずは、けがからの再起をかける松井秀だ。
 
 メジャー5年目を迎えた同年は、順調に開幕スタメンを掴んだが、直後に左太股の肉離れを負い、早々に故障者リスト入りとなった。
 
 4月下旬に戦列復帰を果たすと、調子は上がりきらなかったが、5月6日には日米通算2000安打を達成。7月に復調を果たし、月間MVPを獲得する活躍を見せた。8月2日にはメジャー通算100本塁打も達成したが、以降は右膝に痛みを抱えるなど相次ぐ故障に苦しんだ。
 
 最終的に143試合に出場。打率.285、25本塁打、103打点、OPS.855をマークした。複数の個人記録を達成したが、前年同様故障に苦しむ時期も長く、悔しさの残るシーズンとなった。
 
 次に、メジャー6年目を迎えた田口壮。
 
 「7番・左翼」で開幕スタメンを掴んだ田口だったが、レギュラー定着とはいかず、主に代打などの途中出場が続いた。
 
 以降も様々な起用法に対応。与えられた役割をそつなくこなした。
 
 最終的に130試合に出場。打率.290、OPS.718をマークした。同年の代打成績は4割を超える高い成功率を誇り、代打の切り札的存在となった。

マリナーズ勢の2007年シーズン

 最後にシアトル・マリナーズに所属するイチロー、城島健司両選手の成績を振り返っていく。
 
 まずは、メジャー2年目を迎えた城島健司だ。
 
 同年も正捕手として活躍した城島。春先から打撃も好調で、7月上旬までは3割を超える打率を残した。
 
 夏場には少々調子を落としたが、シーズン通して好成績をキープ。前年に続いて打撃でも好成績を残した。
 
 最終的に135試合に出場。打率.287、14本塁打、61打点、OPS.755をマークした。守備面では守備率、盗塁阻止率で両リーグトップの数値を誇り、扇の要として高い貢献度を見せた。
 
 そして、メジャー8年目を迎えたイチロー。
 
 同年は、定位置の「1番・右翼」ではなく、「1番・中堅」として出場を続けた。春先からまずまずの滑り出しを見せ、5月には前年から続く連続盗塁成功記録を「45」まで伸ばし、ア・リーグ記録を更新した。
 
 7年連続出場となったオールスターでは、ランニング本塁打を含む猛打賞を記録する活躍で、オールスターMVPを獲得。以降は熾烈な首位打者争いを繰り広げ、9月には7年連続200安打に到達した。
 
 最終的に161試合に出場し、打率.351、37盗塁をマーク。惜しくも首位打者は逃したが、両リーグトップの238安打を放った。同年は出塁率.396、OPS.827と高い数値を記録し、4割近い得点圏打率を残すなど、例年以上の勝負強さも発揮した。守備面でも右翼から中堅に移ったが、7年連続のゴールドグラブ賞を獲得。ポジションが変わっても名手ぶりは健在だった。
 
 
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