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松井秀喜がメジャー挑戦、イチローら3選手の活躍は――日本人野手のメジャー挑戦を振り返る【2003年編】

2020/07/05

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 ついに7月開幕(日本時間7月24日か25日)が正式決定となったメジャーリーグ。60試合制や、ナショナル・リーグ初の指名打者(DH)制導入など、NPB同様2020年は異例のシーズンとなる。
 

 
 一方で、今年は新たに筒香嘉智、秋山翔吾、山口俊の3人がNPBから海を渡り、メジャーの舞台に挑戦。2人の野手が同時に挑戦するのは、2012年の青木宣親と川﨑宗則以来8年ぶりとなる。筒香と秋山は、日本人野手再評価の流れを作ることができるだろうか。
 
 本シリーズでは、年度別シーズンOPSランキングトップ10選手と、同年の日本人選手の成績を振り返り、時代背景とともに日本人野手のメジャーリーグ挑戦の軌跡を辿る。今回は2003年編。

2003年シーズンOPSランキングトップ10


 
 
 2003年は、バリー・ボンズ(サンフランシスコ・ジャイアンツ)が3年連続でランキングを制した。同年のボンズは本塁打、打率ともにナショナル・リーグ2位となり、タイトルこそ逃したものの、出塁率.529、長打率.749、OPS1.278と3部門で両リーグトップの成績を残した。
 
 2位にランクインしたのはアルバート・プホルス(セントルイス・カージナルス)だ。プホルスは、2001年にメジャーデビューを果たし、ナ・リーグ新人王を獲得。同年のアメリカン・リーグ新人王はイチローが獲得しており、二人は盟友としても知られている。メジャー3年目となった2003年はさらに成績を伸ばし、打率.359、212安打で首位打者と最多安打を獲得。アベレージヒッターとしての面もあるが、43本塁打、124打点、OPS1.106をマークしており、長打力も兼ね備える好打者と言えるだろう。
 
 3位はトッド・ヘルトン(コロラド・ロッキーズ)、4位はゲーリー・シェフィールド(アトランタ・ブレーブス)とプホルス同様の打撃を誇る打者が続く。
 
 5位に入ったのは、カルロス・デルガド(トロント・ブルージェイズ)だ。同年は打率.302とハイアベレージを残しながら、42本塁打、両リーグトップの145打点をマークし、自身初の打点王に輝いた。
 
 6位にマニー・ラミレス(ボストン・レッドソックス)、7位にジム・エドモンズ(カージナルス)と続き、8位はランキング常連のアレックス・ロドリゲス(テキサス・レンジャーズ)だ。同年のロドリゲスは、両リーグトップの47本塁打をマークし、3年連続ア・リーグ本塁打王を獲得。地区最下位に沈んだチームで、シーズンMVPに輝く奮闘ぶりを見せた。
 
 9位にはトロット・ニクソン(レッドソックス)、同じくレッドソックスのデビッド・オルティスが10位という結果になった。

新庄剛志はメッツに復帰、田口壮はレギュラーを狙う

 2003年は「ゴジラ」こと松井秀喜がメジャーデビュー。不動のレギュラーとして活躍を続けるイチローと、レギュラー奪取を目指す新庄剛志、田口壮は置かれる立場が明確に分かれた。まずは、田口の成績から振り返っていきたい。
 
 メジャー2年目を迎えた田口は、悔しい結果に終わった前年から巻き返しを図るシーズンとなった。
 
 しかし、開幕ロースター入りとはならず、5月下旬にメジャーへ昇格。少ない出場機会の中、特に打撃で結果を残したが、1ヶ月未満でマイナー降格となった。
 
 8月に再昇格を果たすと、打撃でさらなるアピールを見せ、メジャー初本塁打も記録。様々な起用法にも柔軟に対応して見せた。
 
 最終的に出場43試合と前年より出場機会を増やし、打率.259、3本塁打と長打力も見せた。また、勝負強い打撃で得点圏打率も高く、打席数は少なかったが、OPS.829と高水準の数値をマークした。
 
 続いて、メジャー3年目を迎えた新庄だ。
 
 新庄は、オフに古巣・ニューヨーク・メッツへ復帰。オープン戦では高打率を残し、首脳陣へのアピールに成功した。
 
 シーズンに入ると、主に左投手が先発登板する試合でのスタメン起用が続いた。打撃ではまずまずの滑り出しを見せ、評価の高い守備でも高い貢献度を見せた。
 
 5月に入ると不調に陥り、打率が低迷。6月下旬には初のマイナー落ちとなった。以降はロースター枠から外れ、DFAとなり、メッツとマイナー契約を締結。マイナーでは打撃で好成績を残したが、メジャーに昇格することなく、シーズンを終えた。
 
 最終的に62試合の出場に留まり、打率.193、OPS.483となった。イチローとともに日本人野手として初めてメジャーデビューを果たし、確かな足跡を残した新庄。3年間のメジャー挑戦を終えた。

イチロー、メジャー3年目の活躍

 メジャー2年間で実績を積み重ね、マリナーズ打線の中核を担うイチロー。
 
 3年目を迎えた2003年も、不動の「1番・右翼」として変わらぬ活躍を続けた。
 
 春先は打撃の調子がいまひとつだったが、5月に入ると安打を量産。オールスターゲームにも3年連続でファン投票の両リーグ最多得票で選出されるなど、実力だけでなく、メジャーの顔ともいえる人気を誇った。
 
 8月に打撃が湿りがちになると、前年と同じくチームも失速。自身は200安打に到達するも、チームは僅差で地区2位となった。
 
 最終的に159試合に出場。打率.312、212安打、34盗塁と2003年も好成績を残したイチロー。守備でも3年連続ゴールドグラブ賞を獲得する名手ぶりを発揮した。同年はア・リーグ7位の打率、3本差でリーグ2位の安打数となっており、メジャー初の2桁13本塁打を放つなど、長打力も見せた。

松井秀喜のメジャーデビュー

 そして、メジャーデビューを果たした松井だ。
 
 松井は、読売ジャイアンツからFA移籍で名門・ニューヨーク・ヤンキースに入団。NPBではシーズンMVP、本塁打王、打点王、最高出塁率を3度獲得するなど、数多くのタイトルに輝いた。巨人の4番、日本を代表する主砲として活躍が大いに期待された。
 
 MLBでは、開幕戦で「5番・左翼」としてスタメン出場を果たし、メジャー初打席で初安打、初打点を記録した。本拠地開幕戦ではメジャー初本塁打となる満塁本塁打を放つなど、デビューから強烈なインパクトを残し、オールスターゲームにも選出された。
 
 以降もサヨナラ本塁打を放つなど勝負強い打撃を続け、シーズン100打点にも到達。チームの地区優勝に大きく貢献した。ポストシーズンでも活躍を見せた松井。ワールドシリーズでは惜しくも敗れたが、2003年のア・リーグチャンピオンの座を手に入れた。
 
 最終的に、両リーグ唯一の全試合出場となる163試合に出場。打率.287、16本塁打、106打点、OPS.788の成績を残した。本塁打数こそ伸び悩んだが、主にクリーンアップの一角として多くの打点を稼いだ。OPSも平均以上の数値をマークするなど、上々のメジャーデビューとなった。
 
 イチローをはじめ、俊足巧打の選手がメジャーデビューを飾っていた日本人野手だったが、長距離砲の挑戦は松井が初めてだった。新たな活路を見出したという意味でも、後に海を渡る日本人野手に、大きな影響を与えることとなった。
 
 
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