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レッドソックスの「低予算」路線転換は本気か 新GMに同地区ライバル・レイズの副社長を招聘も

2019/10/26

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レイズで15年間のキャリア築いた「編成エキスパート」

 ボストン・レッドソックスが、解任したデーブ・ドンブロウスキ氏に代わる新GMとして現在タンパベイ・レイズで野球事業担当副社長を務めるチャイム・ブルーム氏を招聘する意向であると、米スポーツ専門サイト『ESPN』など米国内の複数メディアが25日(日本時間26日)、報じている。
 
 チャイム氏は現在36歳。名門イェール大学を卒業した後、2005年にレイズにインターンとして入社し、以後15年間に渡ってレイズ組織内でキャリアを築いてきた。レイズの球団No.2の位置にまで上りつめたチャイム氏は、昨年のオフシーズンにはニューヨーク・メッツの新GM最終候補だったとも伝えられている。
 
 今年9月、レッドソックスのオーナーであるジョン・ヘンリー氏は2020年からはチームの年俸総額をMLBの「ぜいたく税」が発生する上限額である2億600万ドル(約224億円)以下に抑える方針を明らかにした。
 
 今シーズンのレッドソックスの年俸総額は約2億4000万ドル(約261億円)になると見られ、約1300万ドル(約14億円)の追徴課税が課せられる見通しだ。それにもかかわらず、昨季ワールドシリーズ覇者のレッドソックスは今季アメリカン・リーグ東地区3位に終わった。
 
 年俸総額を抑えるためには高額プレイヤーの放出を余儀なくされることが予想され、ムーキー・ベッツ外野手やJ.D.マルティネス外野手などのチームを代表するスター選手もトレードの噂に上っている。
 
 レッドソックスが本気で低予算路線への転換を図るのであれば、チャイム氏はこれ以上ない適役だと言えるだろう。何しろチャイム氏はMLB屈指の低予算でレイズをこの数年に渡ってリーグ上位の好成績に導いてきた球団編成のエキスパートだからだ。
 
 2019年シーズンのレイズの年俸総額は約8800万ドル(約96億円)でレッドソックスの約3分の1だったが、レギュラーシーズンでは96勝66敗(勝率.593)の好成績。84勝78敗(勝率.519)のレッドソックスを大差で上回って東地区2位でワイルドカードにまで進出した。ワイルドカードゲームでは同じく低予算チームのオークランド・アスレチックスをも下している。
 
 レッドソックスはドンブロウスキ氏の退任以来、球団運営をアシスタントGMのエディ・ロメロ氏、ザック・スコット氏、ブライアン・オーハロラン氏、そして球団副社長のラケル・フェレイラ氏が担ってきた。
 
 100年以上の歴史と長い伝統を誇り、MLB屈指の人気チームであるレッドソックスは、同じ地区のライバルチームであるレイズから新たなチーム編成トップを招くことによって、大きな転換を成し遂げることが出来るだろうか。