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大谷翔平は「何も待たない」。球界最強右腕バーランダーとの対戦で見えた好調の必然性

ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手は、7月1日(日本時間2日)から7日(同8日)の一週間で、オールスターブレイクを前に、キャリアハイへ向け数字を加速させた。好調を維持する大谷だが、同地区首位アストロズのエース・バーランダーとの対戦後に語った打席内での思考は、実にシンプルなものだった。

2019/07/08

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「何も待たないのがいいと思う」

 今回の対戦を踏まえて、大谷は内角低めの変化球に対してどのような対応を見せるのか非常に楽しみなところではあるが、この日の試合後のコメントは、改めて“打者大谷”について興味深い示唆を与えてくれた。
 
 バーランダーからのホームランについて「(直球が来るというイメージは)ないですね。何を狙うか何を捨てるかはあるが、基本的には何も待たないのがいいと思う」と述べ、「第1打席目は考えすぎたので、第2打席は技術どうこうというより、自分のいいところを出そうと思った」と自然体での一打を強調していた。
 
 そして、個々のボールに対するアプローチについては「(違いは)特にない。(バーランダーは)各球種がどの投手よりも1ランク、2ランク高いということで、こちら側が特別なことをしようということではない。失敗は次につなげればいいし、成功したらよかったというだけ。そういう1回1回かと思います」と語っていた。
 
 当然、相手投手の基本的なデータなどは頭に入れてはいるだろうが、大谷の打席内でのアプローチは常にシンプルだ。こうした大谷のコメントの行間を読み取れば、見ている側の方が大谷以上に、些細な部分に囚われているような気がしてくる。
 
 フィジカルコンディションも上がり、かつ打席内でシンプルな思考ができている今、大谷が好調であることは必然なのであろう。その点で、現地7日(同8日)、体調不良で試合後の会見をキャンセルしたというニュースが飛び込んできたのが非常に心配ではあるが、幸いにオールスターブレイクで次戦は現地12日(同13日)となっている。コンディションを整え、後半戦も引き続きファンを楽しませてもらいたい。
 
 
高橋康光

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