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大谷翔平は「何も待たない」。球界最強右腕バーランダーとの対戦で見えた好調の必然性

ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手は、7月1日(日本時間2日)から7日(同8日)の一週間で、オールスターブレイクを前に、キャリアハイへ向け数字を加速させた。好調を維持する大谷だが、同地区首位アストロズのエース・バーランダーとの対戦後に語った打席内での思考は、実にシンプルなものだった。

2019/07/08

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「速球派」のバーランダーが大谷には変化球勝負?

 バーランダーとの第1打席こそ3球三振に終わったが、第2打席では見事に修正してきた。初球は第1打席で空振り三振を奪われた内角低めのカーブだったが、これを見送ると2球目の外角高めボールゾーンのフォーシームを見事にスタンドに放り込んだ。球速、コースを一転させる中での見事な対応だった。
 
 今季初対戦であったバーランダーには、昨年の残像が残っていたのかもしれない。米公式サイト『スタットキャスト』によれば、昨年の大谷の外角高めボールゾーンの長打率は.219であったが、今季は.714と大幅な改善が見られている。決して失投とはいえないボールであり、大谷の対応が勝ったということであろう。
 
 次の第3打席では、内角低めにカーブとスライダーを3球続けて集め、大谷はファーストゴロに終わる。この打席でバーランダーは一球もフォーシームを投じなかったことになる。試合後の大谷はバーランダーについて「(彼は)速球派だと思う。投球の大半はそれが占めるし、真っすぐだけではないが、そこが一番強いと思う」と語っている。
 
 今季もここまで全投球の51.1%がフォーシームというバーランダーだが、この日の大谷との対決では8球中わずか2球となっている。マイク・トラウト外野手に対しては16球中14球がフォーシームであることと比べると実に対照的であることが分かる。わずか8球の対決ではあったが、大谷とアストロズバッテリーとの駆け引きは非常に見ごたえがあった。

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