データやコラム、多角的な視点で野球の魅力を発信!ベースボールチャンネル(BaseBall Channel)



菊池雄星が前半ラスト登板で見せた“主張” 効果的な「米国流の新球」習得で今後の可能性広げる【雄星リポート第19戦】

 シアトル・マリナーズの菊池雄星投手が5日(日本時間6日)、本拠地Tモバイルパークでのオークランド・アスレチックス戦に先発、7回を投げて4安打3失点(自責2)と好投を見せたが、7回に逆転を許して悔しい6敗目を喫した。

2019/07/07

text By

photo

Getty Images

タグ: , , , , , , , ,



課題だった第3の球種“通用するチェンジアップ”

 開幕シリーズから数えて4度目となるアスレチックスとの対戦はお互い手の内を知り尽くしての対戦となった。
 
 菊池は初回からストレートが微妙に動いてしまう苦しいピッチングの中だったが、スライダー、チェンジアップを使いながら巧みにゲームを作った。ストレートを意図的に高めに投げ、スライダー、チェンジアップを散りばめる。特に、スプリットチェンジにも見えるチェンジアップが効果的に決まったのが大きかったと言えるだろう。
 
 これは前回に続いてのことだが、スライダーとの球速がほとんど近いものになり、効果的な球種になっている。
 
 菊池にとって、チェンジアップの習得は日本時代からの課題だった
 渡米前にもパーソナル契約を結ぶデータ解析会社『ネクストベース社』との会話の中でカーブ、スライダーに続く「第3の球種」の重要性を感じていた。しかし、ボールへのアジャストと環境へ順応を優先していたために、なかなか習得が難しいものだった。
 
 菊池はスプリングトレーニングの最中に、チェンジアップの改良を行っている。それまでは日本時代と同じように抜くように落としていたところ、メジャーの打者に見破られてしまっていたのだ。
 
 数々の経験者に話を聞く中で、「スプリットに近い」チェンジアップの重要性に気づき、改良していったのだった。
 
 元メジャーリーガーの岡島秀樹さんがこんな話をしていた。
 
「メジャーリーグのバッターはピッチャーの手首を見ているケースが多いんですね。日本式の抜くように投げるチェンジアップだと分かってしまう。手首を使いながら落とすようなチェンジアップ。昨シーズンからマエケン(ロサンゼルス・ドジャースの前田健太投手)が使い出したような風にしていかないとなかなか打ち取るのは難しい」
 
 シーズン開幕から菊池は順調にすべり出していて、それほどチェンジアップにはこだわっていなかったが、5月下旬から訪れたコンディション不良からくる不調の波によって、第3の球種の必要性を再考させた。

1 2