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大谷の一発の影にトラウトあり。エンゼルス・大谷翔平、良い“流れ”を受けて本塁打量産モードへ

ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手が、復調の兆しを見せている。現地6月3日(日本時間4日)~9日(同10日)にかけての一週間で、打率.333、3本塁打、8打点と好成績を残した。大谷の活躍の裏には、チームメイトたちが生む“流れ”がある。

2019/06/10

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トラウトの好アシスト光る

 野球とは“流れ”のスポーツであると改めて思わされた。1球、1打席の中で、1試合の中で、そして長いシーズンの中で様々な流れが存在する。現地6月3日(日本時間4日)~9日(同10日)にかけての一週間が今季の大谷翔平選手(ロサンゼルス・エンゼルス)にとってどのような意味となるかはシーズン終了後に答え合わせをするしかないが、それでも様々な含みを感じさせるものだった。
 
 この一週間はインターリーグのシカゴ・カブス戦での欠場以外の6試合でフル出場し、24打数8安打、打率.333、3本塁打、8打点と好成績を残した。現地8日(同9日)のシアトル・マリナーズ戦では菊池雄星投手との花巻東高対決も実現するなど話題も多かった。
 
 その前週は「打球に角度がつかない」と大谷自身がコメントしていたことを考えると、6試合で3本塁打を放ったことはいい兆候といえ、菊池から放った一発は今季初の左投手からの一本となった。状態が上がり切らない中でもホームランの数を6本まで伸ばした大谷だが、この流れを振り返ると、大谷の前を打つ主砲マイク・トラウト外野手の存在感が浮き彫りにされる。
 
 トラウトは打率こそ3割を切っているが、現在ア・リーグ最多の61四球、リーグ最高となる出塁率.469、OPS1.096をマークしている。ここまで大谷が放った6本塁打の状況を振り返ると、実に4本が初球を仕留めたものだが、うち2本はトラウトが四死球で出塁した直後のもの(第2号、第4号)、もう2本はトラウトがホームランを放った直後の初球を捕らえ二者連続ホームランにしたというものだ(第3号、第6号)。また、今季1号目もトラウトの出塁後に放たれたものであり、大谷の一発の影にトラウトありというところを見せつけている。
 
 トラウトが13球粘り、死球で出塁した直後に第4号を放った、現地4日(同5日)のオークランド・アスレチックス戦後の会見では「(トラウトが)ほぼ必ず出塁してくれるので、近くでボールを見ながらタイミングを取ったり、色々な球種を見られるのでそのお陰もある」と述べている通り、トラウトが相手に与える影響力は計り知れない。その流れの中で結果を残す大谷もまた見事だが、大谷も「四球の後は初球にストライクが欲しいのが投手の心理」と言うようにトラウトの好アシストで大谷の狙いがシンプルになっている側面はあるはずだ。
 
 このトラウトのお膳立てはもちろんだが、1番打者となるトミー・ラステラ、デビッド・フレッチャーの両内野手も出塁率がそれぞれ.371、.363とリーグでも上位につけており、点を線に変え、大谷によりよい流れを整えていることも見逃せない。

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