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本塁打も虚しく映る…ガラガラの観客席でなぜ儲かるのか? エンゼルスの球団経営が順調なワケ

2019/05/25

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試合当日も続く営業努力

 ロサンゼルス・エンゼルスにとって5月23日(日本時間24日)は悪夢のような1日だった。前日に予定されていたミネソタ・ツインズ戦が雨天の影響でこの日に順延され、現地時間午後1時に試合開始。エンゼル・スタジアムがある南カリフォルニアは年間を通じて雨が少ない土地で、エンゼルスの本拠地ゲームが中止もしくは延期されたのは4年ぶり、1966年の開場以来の53年間で僅かに12回目という珍事となった。
 

 
 予定された休養のため、今季打者に専念という形で出場している大谷翔平投手が欠場したこの試合では、エンゼルスは球団ワーストタイとなる8本の本塁打を浴び、7-16の大差で敗北。チームはこれで4連敗となった。

 スコア以上にお寒い状況だったのが観客席のガラガラぶりだ。平日の午後1時に試合開始、この日も曇りで霧雨がぱらつく天候、対戦相手は人気チームとは呼べないツインズ、などと諸々の悪条件が重なったとはいえ、空席が目立つどころではなく、逆に人の姿がある部分が目立つぐらいにしか席が埋まっていなかった。両チームで合計11本のホームランボールが外野席に飛び込んだこの試合、無人のスタンドが大写しになる様子をテレビやネットで観た人も多いのではないだろうか。
 
 エンゼルス球団も手をこまねいていたわけではない。普段は20~40ドル(2200円~4400円)のボックス席をその日に限り5~10ドル(550円~1100円)で販売すると、公式フェイスブックなどでファンに呼び掛けるなど、試合当日になっても球団側として必死の営業努力は続いた。
 
 この日は極端な例だとしても、マイク・トラウト外野手、大谷、アルバート・プホルス内野手らが所属して知名度が高い割には、エンゼル・スタジアムの観客動員数は普段からそれほど多くはない。2019年シーズンここまでの1試合平均は3万5557人。昨年より約4%ほど少ないが、ここ何年かはほぼ同じレベルで横ばいに推移している。大体、最大収容人数の約80%の入りと考えて良い。これはあくまで平均の数字で、人気カードでない試合はそれよりずっと少なくなるので、スタンドに空席が目立つのは珍しい光景ではない。

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