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「スピードと奪三振率」に見る“絶対的なクローザー” MLBが誇る驚異の若者たち

2019/05/01

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MLB最速50球のうち42球を占める強者

 球速だけで言えば、昨季彗星のように現れたセントルイス・カージナルスの22歳、ジョーダン・ヒックス投手が今季は米解析サイト『Statcast』の速球部門トップを独走している。29日現在において、今季最速50球のうち42球がヒックスのものだ。1位は4月21日(同22日)の104.2マイル(約167.3キロ)。ヒックスの主武器は超高速シンカーで、平均球速はなんと100.6マイル(約161.9キロ)。
 
 今季はカージナルズのクローザーを任されているジョーダンは、ここまで12試合に登板し、1勝1敗8セーブ防御率2.31の好成績を残している。ところが、9イニング換算平均の奪三振率は11.6と前述の2人には遠く及ばないことは興味深い。
 
 今季は驚異的な活躍を見せているクローザーが他にもいる。
 
 サンディエゴ・パドレスのカービー・イェーツ投手は、ここまで15試合に登板しリーグトップの13セーブを挙げ、防御率は0.60だ。
 
 イェーツに次ぐ11セーブを挙げているのがデトロイト・タイガースのシェーン・グリーン投手。タイガースはここまで12勝14敗とチームとしては低迷しており、グリーンはチーム12勝のうち11試合でセーブを挙げ、防御率は1.38となっている。
 
 ピッツバーグ・パイレーツのフェリペ・バスケス投手はここまで11回2/3を投げて無失点。アリゾナ・ダイヤモンドバックスのグレッグ・ホランド投手も9回を投げて無失点だ。
 
 絶対的なクローザーの存在は、野球観戦を盛り上げる醍醐味の1つだ。最終回にクローザーがマウンドに向かう時、ファンの興奮は嫌が上にも高まる。2003年のエリック・ガニエ氏(当時ロサンゼルス・ドジャース)以来出ていない、投手最高の栄誉であるサイ・ヤング賞を受賞するクローザーの出現を期待したい。

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