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いまだ契約未定。イチローに衰えはあるのか? セイバーメトリクスから現状の立ち位置を分析

2018/02/15

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DELTA



10年前と比べるとコンタクト率が低下。特に内角の空振りが増加


 昨季イチローは44歳を迎え、MLB最高齢野手となっていた。同世代の多くの選手はプレーのレベルが落ち引退しており、この年齢まで世界最高のレベルでプレーできる質をキープしているのは驚異的だ。ただ同世代の選手に比べると小さいものの、やはりイチローにも加齢の影響はある。
 
 影響はどういった部分に出ているのだろうか。イチロー最大の武器といってもいいバットコントロールの変化を見てみたい。1つ目の図はイチローがバットを振った際ボールに当てた割合を表すコンタクト率に関するデータだ。まず年度別に見ると、2007年から2012年までは90%を超える年も多く高いレベルを維持しているが、2013年以降に数字を落としているのがわかる。
 
 次に投球コースごとのコンタクト率を見ていこう。左側は2007年、右側は2016年と2017年を合わせたものを2007年と比較したものだ。2017年だけでは打席数が少なく、2007年と総投球数に大きな差が出るため、2年間のデータをあわせて使用している。ちなみに2007年のイチローは打率.351を記録しており、全盛期といっていい時期だ。
 
 右側の図を見ると多くの投球コースでイチローのコンタクト率が落ちていることがわかる。顕著なのが内角寄りの投球に対する数字の低下だ。端のコースはスイングすること自体が少なく、極端な数字が出やすいとはいえ、内角はほかのコースよりも数値の下落が大きい。身体に近い投球への対応に加齢の影響を感じさせる。

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