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ドジャース、山本由伸は日本人初のサイ・ヤング賞に輝ける…?白熱するサイ・ヤング賞争いを徹底解析!【コラム】

2025/05/23

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Getty Images



アメリカン・リーグのサイ・ヤング賞争いの行方は…?

ア・リーグサイヤング賞候補の成績
 アメリカン・リーグでも新顔3人がトップ争いを繰り広げている。昨季サイ・ヤング賞を受賞したタリク・スクバル、ホワイトソックスからトレードされ、ボストン・レッドソックスと6年1億7000万ドルの契約延長を結んだギャレット・クロシェがサイ・ヤング賞筆頭候補であったが、この2人を抑えてベテラン2人と若手2人が躍動している。
 

 
 トップを走るのはハンター・ブラウンだ。平均96.9、最速99.6マイル(約154~159キロ)のフォーシームとシンカーを軸に今季ブレイク。AL2位の奪三振率(K%)32.2%、AL1位のFIP1.92を記録し、打球指標も良好でALトップのxERA2.73を誇る。
 
 過去2シーズンを見て耐久性にも問題はなく、26歳にして初のサイ・ヤング賞獲得も十分可能だろう。
 
 ブラウンを追うベテラン勢はマックス・フリードとネイサン・イバルディだ。フリードはニューヨーク・ヤンキースと8年2億1800万ドルの大型契約を結び、ヤンキースの投手分析力を生かしてシンカーとスイーパーを改良し、防御率を4月、5月とも1点台に抑えている。
 
 イバルディは35歳のベテランで、かつてのような100マイル(約160キロ)のフォーシームはなくなったが、経験に裏打ちされたカーブ、カッター、スプリットを駆使し、防御率1点台の好成績を残している。
 
 そして、これらの投手を追うのがクリス・ビュービッチだ。2024年の大半をトミージョン手術のリハビリに費やし、リリーフとしてのみ登板していたが、今季は先発として復帰。
 
 好調なスタートを切り、防御率1点台、K%25.0%(AL10位)、xERA3.05(AL7位)と実力を証明している。
 
 武器のフォーシームは92.3マイル(約148キロ)とやや遅いが、高めに集中させる優れた制球力とフラットな軌道で空振り率31.2%を記録。
 
 この球速帯での好成績維持は未知数だが、昨季の今永昇太のような例もあり、サイ・ヤング賞争いに絡む可能性は十分にあるだろう。

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