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【MLB】イチロー、マイアミの至宝に。現地取材で見えた、マーリンズとファンにとっての価値

イチローの偉大さは、現地マイアミや日本だけでなく、キューバにも広まっている。

2016/08/18

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阿佐智

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手に入れていない勲章を目指して

 これらのファンの声援、人気に大ベテランも応えた。

 メジャー通算3001本目を5回にレフトへの流し打ちで放つと、敗戦濃厚の最終回2アウトからの打席ではセンターの左後方へのツーベースでこの試合一番の盛り上がりを演出した。この日の2安打はともに糸を引いたようなライナーの打球で、今なお全盛時を思わせるような鋭い打球だった。結局、後続が続かすマーリンズは試合には敗れたものの、ファンは満足して球場をあとにしていた。

 昨年までは引退や日本球界復帰がささやかれていたが、現状をみると、彼自身が言う50歳までのメジャーでのプレーも絵空事ではないだろう。昨年の成績を見る限りでは、マーリンズのイチローとの契約は、「3000本安打ビジネス」のためととられても仕方がないように思えた。

 実際、ビジネス面では「イチロー景気」がこの不人気球団にもたらしたものは大きい。しかし、彼のプレーが若い選手の見本になるという以上に、十分な戦力であることをもはや否定する者はいない。

 現状ではマーリンズが今シーズン後にイチローを手放すことはないだろう。彼以上の「第4の外野手」はメジャー広しと言えども見つけるのは難しい。

 その一方で、日本のファンの中には、まだ元気なうちに日本に帰ってきてその雄姿をしかと目に焼き付けたいと思う人も多いに違いない。あと722本打てば、日本だけでの通算2000本安打にたどり着く。彼ならできる数字ではあると思うが、今のイチローにはまだ手の届く位置にあるワイルドカードを手にして、ワールドチャンピオンになることしか頭にはないだろう。ありとあらゆる勲章を手にした彼がいまだ手にしていないのは、チャンピオンリングだけなのだから。

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