仙台育英・須江流背番号マネジメント──1~20までの役割分担と育成法【日本一からの招待】
2025/08/17 NEW

2023年夏以来、2年ぶりに夏の甲子園で三回戦に勝ち進んだ仙台育英!
第104回全国高等学校野球選手権大会で、東北勢初の日本一を達成した仙台育英高校。23年夏に慶応義塾(神奈川)と戦って以来2年ぶりに夏の甲子園に出場。2022年12月に発売となった『仙台育英 日本一からの招待』(須江航・著)より、「日本一激しいチーム内競争─評価論」から一部抜粋で公開する。仙台育英の「背番号」に込められた意味。(文・須江航)
二桁背番号には明確な役割を持たせる
仙台育英ではあらかじめ、背番号ごとに大まかな役割を決めていて、選手たちにも提示しています(1~9番はレギュラー)。
自分の能力を客観的に理解したうえで、どの背番号を狙っていくか。ライバルは誰になるのか。どの能力を高めれば、ライバルに勝てるのか。
選手とコミュニケーションを取っていく中で、こうした話を繰り返しています。
10番、11番=投手
12番=第二捕手
13番=代打
14番=内野守備&代打
15番=内野守備&代走
16番=外野守備&代走
17番、18番=投手
19番=投手or捕手or代打(チームの状況を見ながら判断/一芸枠)
20番=ブルペンキャッチャー
投手陣を充実させたいときは、19番にピッチャーを入れ、代打を厚くしたいときには、代打が入る場合もあります(県大会は20名、甲子園は18名)。
1番から9番は、チーム内競争を勝ち抜き、代表として選ばれた9人です。彼らに求めるのはハイパフォーマンス。
レギュラーとして、誰からも認められるような結果を残すこと。
酷な言い方かもしれませんが、「あなたができないとき(実力を発揮できないとき)は、チームが負けるとき」と伝えています。
それぐらいの自覚を持ってほしいのです。
ただし、この言葉だけでは重圧がかかるので、「できることだけをやればいいから」とフォローも入れています。
特に経験が浅い下級生がスタメンに入るときには、あれもこれもは要求しません。
現キャプテンの山田脩也は、1年夏にショートのレギュラー格で出場していましたが、「守ってくれるだけでいい。打率0割でも使い続けるから」と話をしました。役割を明確にしておくことで、自分がやるべきことに集中させたい狙いがあります。
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書籍情報
『仙台育英 日本一からの招待 幸福度の高いチームづくり』
須江航 著 定価:1870円(本体1700円+税)
2023年夏 甲子園準優勝!
2022年夏 東北勢初の甲子園優勝!
「青春は密」「人生は敗者復活戦」「教育者はクリエイター」「優しさは想像力」
チーム作りから育成論、指導論、教育論、過去の失敗談まで、監督自らが包み隠さず明かす!
『人と組織を育てる須江流マネジメント術』
<有言実行!夢の叶え方>
基準と目標を明確化 努力の方向性を示す
選手の声に耳を傾け、主体性を伸ばす
データ活用で選手の長所・短所を〝見える化”
日本一激しいチーム内競争の先に日本一がある
高校野球が教えてくれる、本当に大切なことを学ぶ
【了】