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甲子園出場校の名将たちが語る“極意”(2)エンドランの成功率が上がった理由

2022/08/06

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産経新聞社



「このバッターなら決まる」という感覚

 ──作戦面では、小倉さんに出会ってから、「エンドランの成功確率が上がった」と語る。山梨学院が勝っているときは、1試合に一度はエンドランが決まっているのではないかと思うぐらい、よく仕掛けてくる。
 
「小倉さんに出会う前の私は、カウントが整うまで我慢できずにエンドランを仕掛けていました。1ボール1ストライクといった平行カウントでついつい掛けてしまう。一見すると、カウントが整っているように見えますけど、相手はまだ外す余裕がある。
 
小倉さんがずっと言っていたのは、『3ボール1ストライクからエンドランを掛けるなら、3ボール2ストライクになるまで待て』と。『1球待つことによって、フォアボールの確率が上がる』というのが、小倉さんの考えでした。空振りを取れる変化球があるピッチャーに関しては、また違う考えが必要ですが、基本的にはフルカウントまで待つようになりました」
 
 ──また、エンドランを仕掛けるときに、「このバッターなら決まる」という感覚がわかってきたという。

「小倉さんがうちの部長に教えているときに、なるほどなと思ったことで、『このバッターは、クイックで放られたほうが、バットがポンと出るから打てる』と言っていたんです。ピッチャーでも、セットポジションになると余計な動きが省かれて、コントロールが安定するように、バッターにもそういうタイプがいるんですよね。
 
普通に打つと、トップから遠回りしていたバットが素直に出る。こういう視点でバッターを見るようになってから、誰にエンドランを仕掛けるか、出すタイミングを考えるようになりました」
 
 後半で詳しく紹介するが、山梨学院の場合は、エンドランのサインが出たからといって、すべてを振りにいくわけではない。一塁ランナーのスタートが良ければ、そのまま見逃して構わない。また、低めのワンバウンドする変化球は、わざわざ振りにいく必要はない。キャッチャーは、体で止めたとしても二塁に投げるのは難しいからだ。
 
 こうした細かい判断を磨くのが、吉田部長が取り仕切る日々の実戦練習となる。取材時も、ワンプレーごとにアドバイスを送りながら、ノックを打ち続けていた。次ページから、吉田部長の考えを紹介していきたい。(つづきは書籍で)
 
大利実

書籍概要


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