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甲子園出場校の名将たちが語る“極意”(2)エンドランの成功率が上がった理由

2022/08/06

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産経新聞社



高校野球最新情報

 第104回全国高等学校野球選手権大会が2022年(令和4年)8月6日から17日間、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)に開幕。今年も49代表校が夏・王者をかけて熱戦を繰り広げる。甲子園に出場する監督たちは、どのような思考をもって、強いチームを作り上げたのだろうか。その“極意”を紹介する。《山梨学院・吉田洸二監督編》(7月21日発売『高校野球界の監督が明かす! 走塁技術の極意』より一部抜粋)

 

 
高校野球界で広く名を知られる名門・山梨学院。決してやみくもに走るチームではないが、“ツボ”と“コツ”を抑えた走塁には定評があり、効率的かつ効果的にスコアを積み重ねていく。全国屈指の強豪が重視しているのは、走塁における「判断力」。親子鷹でも知られる、吉田洸二監督と吉田健人部長が教える“判断力の磨き方”に迫った。
 

 ──吉田監督のなかに、葛原(美峰)先生と小倉(清一郎)コーチの教えは、今どのように生きているのだろうか。
 
「葛原さんは結構、リスクを背負ってでも攻めていく考えを持っていて、ある程度はアウトになるのは仕方がない。その分、決まったときには大きなリターンがある。だから、うちが葛原さんから学んでいたときは、積極的にはスチールを仕掛けていたはずです。
 
逆に、小倉さんはリスクを背負わずに、徹底的に確率を求めていく。小倉さんに臨時コーチに入ってもらってからは、単独スチールの回数が減っていると思います。その分、イチかバチかの走塁も減っている。場面における的確な状況判断は、小倉さんに教えていただいて、間違いなく向上しています」
 
 ──「確率を求める」という点で、吉田監督が興味深い事例を教えてくれた。

「小倉さんは、試合のなかでもっとも高い確率で起きる場面から練習します。高校野球で必ず起こりうる状況が、ノーアウト一塁でのバント処理です。よほど力の差がないかぎりは、1試合に一度は訪れる〝高校野球あるある〞は、ピッチャーがバント処理をミスして、ピンチが広がっていくこと。これを防ぐために、小倉さんがいたときはいつもバント処理の練習をしていました。
 
逆に言えば、ノックを毎日1時間やっても、1試合で一度もレフトに飛ばなかったなんてことはよくある話です。練習時間が限られているのであれば、起こる確率が高いことからやるのが小倉さんのやり方です」

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