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故郷へ戻り、楽天日本一の原動力に 先発と抑え、日米で記録と記憶を残した斎藤隆

楽天の斎藤隆が17日、今季限りでユニフォームを脱ぐことを発表した。横浜から始まった日本でのプロ野球生活、その後アメリカへ舞台を移して活躍。最後は故郷で楽天初の日本一に貢献した。

2015/08/18

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アメリカから故郷・仙台へ

「生まれも、野球を始めたのも、すぐそこです。私が甲子園出場を決めたのは、まさにこの場所でした。僕が大学生の時に内野手からピッチャーに転向して、ここに繋がった最初のスタートは3塁側のブルペンでした。もう語ればきりがないほど、この仙台、宮城、そして東北という地にはたくさんの縁があります」
 
 2013年1月8日、Kスタ。8年ぶりの日本球界復帰の入団会見で斎藤隆が、万感の思いで東北との縁を語ったのを思い出す。
 
 仙台出身。東北高、東北福祉大を経て1991年ドラフト1位でプロ入り。横浜で87勝を挙げ、2006年36歳でメジャー挑戦。7年間プレーした後、野球人生の終着点にかねてから打診を受けていた楽天を選んだ。
 
あれから約2年7カ月、同じ場所で語った第一声は「今は晴れやかな気持ちでいます」。日米通算112勝139セーブのレジェンドが24年の旅路を終え、今季限りで現役を引退する決意を発表した。
 
 今から考えれば、2013年の日本一は、6人の新旧メジャーリーガーが東北に結集したことで始まった。MJ砲を結成し得点源を担ったアンドリュー・ジョーンズとケーシー・マギー。125試合に出場して攻守で存在感をみせた主将・松井稼頭央。エースとして24勝0敗の歴史的大記録を打ち立てた田中将大。5月下旬から17セーブを挙げて勝利に貢献した元ピンストライプのダレル・ラズナー。そして、リーグ優勝を決めた9月23日西武戦のマウンドにも立ち、3.11以降特に強い思いを抱えていた地元出身の斎藤隆だ。経験に乏しい選手が多いチームにあって、彼らがその存在感で優勝戦線を引っ張ったことが大きかった。
 
 この年、斎藤はリリーフとして30試合に登板、防御率2.36、3勝0敗、4ホールド、4セーブの成績を残している。6月8日巨人戦、43歳3カ月で楽天移籍後最速の148キロストレートを投げ込み亀井から空振りを奪うと、7月30日の西武戦ではこの年の打点王・浅村から3つのストライクを全てストレートの空振りで取る奪三振を記録。8月下旬以降、抑えのラズナーが負傷離脱した後は、その実績を買われて抑えも任され、その起用に見事応えた。

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