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セイバーメトリクスの視点で見るNPB歴代最強打者ランキング ~41位-50位~

2021/03/11

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DELTA・道作



長期間安定の衣笠、波のあるキャリアを送った高橋由伸・バレンティン

 44位には「鉄人」衣笠祥雄がランクイン。こちらは23年間広島一筋でプレーした。決して大柄とは言えない体格ながらパワーヒッターとして活躍。打点王と盗塁王が1度ある。短期間に圧倒的な力を見せるというよりは、長年にわたり水準以上の能力を示すことによりチームに恩恵をもたらした。飛ばないボールにもあまり苦にしなかったようで、投高打低環境にあった1971年にはリーグ2位の打率.285を記録した。ちなみにこれは打率2位としては戦後最も低い数字である。17年間フル出場を達成しており、レギュラー獲得後の20年で欠場はわずか15試合であった。

 45位には2015年に現役を引退した高橋由伸が入った。18年のキャリアは常に負傷との戦いで、特に最後の8シーズンは100試合を超えたのが2年だけ。生涯で130試合以上に出場できたのも4シーズンに留まった。試合に出場しつづけた44位の衣笠とは真逆の現役生活だが、それでもこの位置にランキングされているところに才能を感じさせる。入団後しばらくは四球をあまりとれないタイプの打者であったが、2007年には出塁率.404を記録。弱点をはね返してwRAAでも1位となっている。
 
 46位はシーズン本塁打記録保持者ウラディミール・バレンティン。年度別の記事でも紹介したが、2020年終了時点で獲得した3回の本塁打王は、打率最下位・規定打席不足・史上最多本数と、すべてレアな形容詞がついている。2013年と2014年には圧倒的な打棒を披露したが、キャリアを通して欠場が多く、年度ごとの成績にバラつきが大きい。この結果、ヤクルトで同僚だった山田より1年長い一軍キャリアながら、通算wRAAでは山田に及んでいない。ちなみに直近5年間でマークした盗塁は1個だけだが、5年続けて盗塁死を律儀に1個ずつ記録しているのは面白い。
 

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