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結果で世間を見返せ、清宮幸太郎と中田翔でホームラン競演を【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#140】

春季キャンプの清宮幸太郎の打撃練習を見ていると、今年こそはと期待してしまう。彼の存在価値はやはりホームランだ。

2021/02/07

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厳しい世間の評価

 ファイターズキャンプは第2クールに入ったところだ。雨に降られた日も1日あったが、まずはケガ人もなく順調に来ている。ベースランニングで俊足を披露した五十幡亮汰がもも裏の張りを訴え、国頭で別メニューになったが、これはケガではない。ていうか、むしろ例えば斎藤佑樹のようにヒジの状態を心配していたら、いきなり初日、ブルペンで200球投げて健在ぶりをアピールという方が目立っている。まさかそんなに投げられるとは!、と皆、仰天だ。 斎藤は温存療法だけど、12月にヒジの手術をした玉井大翔もキャッチボール始めている。全体にとてもポジティブな雰囲気ではないか。
 
 ところで先日、あるスポーツ誌のウェブ記事が「今年、ブレークしそうなパ・リーグ選手」という特集を組み、著名なスポーツライター、記者にアンケートを取っていた。これが面白かったのだ。ロッテの安田尚憲、藤原恭大、楽天の早川隆久を推す声が多かった。推しがかぶってるケースでも見ているところが1人1人違ったりして興味深い。ファイターズの選手では2人の識者が淺間大基の名を挙げていて、ホントに嬉しかった。淺MAX(あさまっくす)、今年こそ出てきてくれ。あれだけのセンスを埋もれさせとくのもったいなさすぎるよ。
 
 で、特集記事を読み終わって、ん?、となったのだ。清宮がいないじゃないか。大勢のライター、記者の誰も清宮幸太郎の名前を出してない。これ、ルーキーイヤーだったら7、8人かぶってただろう。まぁ、もしかしてプロ入り後、そこそこ試合数はこなしてるから「既にブレークした」扱いなのかなぁとも思ったが、冷静に考えてまったくブレークしていない。これは識者の皆さん、清宮はもう上がり目がないと判断されたのか?
 
 逆張りという風に取らないでいただきたいのだが、僕が同じアンケートを頼まれたら「清宮」と記入する。高校生最多の7球団競合ドラフトを経て入団、ちょうど渡米する大谷翔平と入れ替わりで「ニューヒーロー登場」という感じだったじゃないか。あれから3シーズンが経過して、何かすっかり「清宮は期待外れ」みたいな空気になっている。大騒ぎした反動だろうか。昨シーズンは特にSNS等で叩かれたなぁ。僕は個人攻撃は好きじゃないので悲しい気持ちだった。
 
 心機一転迎えた2021年春季キャンプ、初日いきなり清宮がやらかした。ユニホームを忘れて、1人だけホーム用ユニで練習していたのだ。何かの罰ゲームみたいに1人だけ白いユニだった。僕は「キャンプは初に注目しろ」と教わってきた。初日、初ブルペン、初登板、初ノック、初フリー打撃、初打席…、いくつもの「初」を取材者はキャンプで見ることになる。その「初」の姿にシーズンが集約される、というのだ。ということで言えば清宮の21年シーズンはいきなりズッコケである。

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