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中村剛也の48発はバレンティンの60発以上の価値? セイバーメトリクスの視点で過去の打撃ベスト10を振り返ろう ~2011年編~

2020/12/13

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DELTA・道作



 本企画はNPB過去年度の打撃ベスト10を眺め、往事の野球を今の視点から振り返り楽しんでもらおうというものだ。ただベスト10は従来の打率ではなく、セイバーメトリクスにおける総合打撃指標wRAA(※1)を採用する。これはリーグ平均レベルの打者が同じ打席をこなした場合に比べ、その打者がどれだけチームの得点を増やしたかを推定する指標だ。この視点で振り返ることで、実は過小評価されていた打者がわかるということもあるかもしれない。
 

 
 NPBの運営はリーグ開設当初から、打者か投手どちらかが優位すぎる状態が続いた場合、中立の方向へとプレーを誘導するような働きかけを行ってきた。具体的には使用球やストライクゾーンの変更である。この2011年は極端な低反発球が採用された年である。だがこの前年にあたる2010年は実はそれほど極端な打高環境というわけでもなかった。運営が初めて、投打中立からより離れる働きかけを行ったのだ。ここから2年間、NPBでは得点が極めて少ないかなり変則的な野球が展開された。
 

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