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リーグ6位の打率残した楽天・小深田大翔と最多登板の西武・平良海馬、パ・リーグ新人王を獲得するのは?

2020/11/19

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 プロ野球は14日、公式戦全日程を終了。セ・パ両リーグの個人タイトル受賞選手も確定した。
 

 
 今後発表されていく表彰には最優秀選手賞(MVP)、沢村賞、新人王などを残している。今回は東北楽天ゴールデンイーグルスの小深田大翔内野手、埼玉西武ライオンズの平良海馬投手で一騎打ちとなっているパシフィック・リーグ新人王にフォーカスする。

小深田大翔と平良海馬の今季成績


 
 小深田は、今季大阪ガスからドラフト1位で楽天に入団した即戦力ルーキーだ。順当に開幕一軍入りを果たすと、序盤は代走など途中出場が続いたが、打撃面でもアピールを見せ、スタメン起用が増加。8月からは遊撃のレギュラーに定着した。
 
 以降はさらに調子を上げ、チームのリードオフマンを担った。9月には打率.320、OPS.834(長打率.427、出塁率.407)、10、11月も打率.300をマークするなど適応能力の高さを見せた。
 
 最終的に規定打席に到達し、リーグ6位の打率.288、同7位の出塁率.364をマーク。走塁面でも存在感を放ち、同8位の17盗塁を決めた。ミート力、コンタクト率が高く、三振は51個にとどめ、持ち味の俊足を活かして多くの内野安打も放った。
 
 一方で、9盗塁死はリーグワーストタイの数字。成功率.654と課題も残した。遊撃守備でも、規定試合数を超えた選手の中ではリーグワーストの守備率.973だったが、1年目でショートのポジションを定位置として守ったのは評価できる点だろう。
 
 対する平良は、八重山商工高から2017年ドラフト4位で西武に入団した高卒3年目。ルーキーイヤーは主に二軍で経験を積むと、2年目の昨季は一軍でリリーフとして26試合(24回)に登板し、2勝1セーブ6ホールド、防御率3.38をマークするなど活躍の兆しを見せた。
 
 一軍での通算投球回が30回未満のため、新人王資格を残した今季は、期待通り大ブレイク。開幕前には先発挑戦も断念し、昨季同様リリーフとして開幕を迎えると、7月以降は主に7、8回を任されるセットアッパーに定着した。
 
 シーズン終盤はさらに調子を上げ、9月は11試合登板で9ホールド、防御率0.87、10、11月は16試合登板で1勝1セーブ13ホールド、防御率1.65と高い安定感を見せ、シーズン無敗でフィニッシュ。最後までクライマックスシリーズ進出争いを繰り広げたチームの屋台骨となった。
 
 最終的にリーグトップタイとなる54試合に登板。同2位の34ホールドポイント、防御率1.87をマークした。最速160キロの速球に加え、カットボール、チェンジアップで数多くの三振を奪い、奪三振率は10.53となった。
 
 来季以降の課題に上がるのは制球力だ。与四死球率は6.28と悪く、5暴投はリリーフながらワースト4位タイの数字。奪三振で打者を圧倒したものの、四死球で自らを苦しめるシーンも目立った。
 
 昨季のパ・リーグ新人王は、大卒2年目の福岡ソフトバンクホークス・高橋礼投手が、同じくソフトバンクの大卒ルーキー・甲斐野央投手を抑えて受賞。平良は投手、小深田は野手と成績の比較が難しい今季。パ・リーグ新人王は、横一線の争いとなりそうだ。
 
 
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