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甲子園から続く物語――やっぱり期待したい斎藤佑樹【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#119】

春季キャンプの1軍・2軍メンバーが発表されたファイターズ。1軍メンバーには斎藤佑樹の名前がある。毎年期待されながら結果が出ていないが、今年はどんな1年になるのか。

2020/01/26

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記事が売れる選手

 いよいよ春季キャンプ目前である。ファイターズは5年ぶりに1、2軍揃っての沖縄キャンプ(1軍名護、2軍国頭)を実施する。新装成った名護市営球場(タピックスタジアム名護)の映像を見たが、立派になっていて見違えてしまった。色褪せた黄色いコンクリのスタジアムをイメージしていると、今年は現地でびっくりするんじゃないか。青い空、白い屋根。早く新球場のスタンドでファイターズが見たい。
 
 既に1、2軍のメンバーが発表になっていて、読者の皆さんは「おお、郡拓也、今井順之助、万波中正が1軍か!」などと盛り上がっておいでだろう。郡は持ち前の俊足を生かすのもあって捕手と内野手の「二刀流」で挑む。今井、万波は昨シーズン終盤、頭角をあらわした。主力級のなかで揉まれて何かをつかんでほしい。
 
 2軍メンバーのなかにも上沢直之、吉田輝星、宮西尚生、吉川光夫、石川亮、清宮幸太郎、谷口雄也、淺間大基と実力者、スター級の名が並ぶ。これはまぁ、リハビリ中の上沢がわかりやすいけれど、2軍でじっくり仕上げていこうという感じだ。淺間のようにコンディションが整わない者(自主トレ中の13日、第3中手骨剥離骨折)もいるけれど、新人から見ればお手本になる選手ばかりだ。ドラ1の河野竜生は目標とする選手に宮西の名を挙げているから国頭で一緒にやるのが楽しみだろう。
 
 さて、そんなキャンプ目前のファイターズだが、スポーツ紙・夕刊紙がやっぱり斎藤佑樹ネタを取り上げるので感心してしまった。1、2軍メンバーの振り分けで色んな注目点があるだろうに、斎藤佑樹が見出しになるのだ。あ、これは筆者が目にする「東京版」と断る必要があるかな。北海道版は状況がぜんぜん異なる。斎藤佑樹はもちろん見出しになるだろうが、ロドリゲスだってちゃんと見出しになる。
 
 (「東京版」の)僕が見かけた斎藤佑樹の記事は早い話、「斎藤が1軍スタートで大丈夫なのか?」というトーンだった。このオフ結婚したエピソードに触れて(おめでとうございます!)、心機一転張り切っているだろうけれど、自主トレで足を痛めた事情もあり、1軍で無理をしないか、30歳を過ぎて崖っぷちのプロ野球人生このままでいいのか。ざっくり言うとそんな感じの切り口だ。
 
 斎藤佑樹の1軍スタートに関してはもうずっと何年も言われ続けている。はっきり言ってファンからすると耳にタコなのだ。そりゃ「栗山監督のえこひいき」と言いたくなる気持ちもわかる。結果が出ていないのだ。昨シーズンはショートスターターとしての役割を期待されたが、それに応えられなかった。
 
 それは本当にその通りで「がんばれ斎藤佑樹!」としか言いようがない。言いようがないんだけど、その一方で「30歳を過ぎて崖っぷちのプロ野球人生このままでいいのか」的なツッコミも大きなお世話だと思う。僕の見たところ、記事の書き手は実際は斎藤佑樹のことなんてそんなに心配して感じなんだよなぁ。ただネームバリューがあるから記事にしてるとしか思えない。
 
 で、そのネームバリューこそ斎藤佑樹をずっとプロの第一線にとどまらせているものだ。ライターから言えば依然として「記事が売れる選手」なのだ。ファイターズの2020年春季キャンプの陣容が発表になって、まず編集部が「斎藤佑樹の1軍スタートに茶々を入れてやれ」と記事のGOサインを出すような存在だ。

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