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オリックス新外国人、アダム・ジョーンズは“やられる前にやる”男 データで分かったイイトコとは

2019/12/23

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右打者ながら意外にも右投手に強い?開幕直後からの好スタートも「恒例」

 右打者のジョーンズは今季、投手の左右によって著しい数字の違いが見られる部分がある。打率は左投手に対して.261、右投手に対して.259と差がなく、出塁率、長打率もともに差がほとんどない。しかし、本塁打数の内訳では左投手に対して4本塁打、右投手に対して12本塁打と意外にも右投手に対して一発を放つケースが多かった。
 
 しかし、得点圏では打率.274(113打数31安打)、2本塁打。さらに2死での得点圏の成績は打率.263(57打数15安打)、1本塁打、22打点とそれほど良い成績とは言えない。
 
 ボールカウント別で見ると、初球では打率.379、1-0(打率.357)、2-0(打率.364)、2-1(打率.400)、3-1(.300)とボール先行ではいずれも打率3割を超えた。さらに興味を引くのが0-1と初球でストライクを取られた直後の「2球目」。打率.317(63打数20安打)、1本塁打、9打点と2ストライクと追い込まれる前に勝負をかけたスイングが好結果を生みだしていることが分かった。
 
 また、今季は4番で最も多い51試合に出場。4番として最も多く打席に立ったが、そこで残した打率.265は、26試合に出場した5番、24試合に出場した1番と6番より高い打率を残している。
 
 先発で出場した際は、先発投手に対して3打席目に打率.329を残しており、これは1打席目の打率.215、2打席目の.254をはるかに上回る数字。この影響もあり、4回~6回という試合中盤のイニングでは打率.358、8本塁打、26打点とハイレベルな数字を記録した。試合の行方を左右する大事な場面、イニングで期待に応える活躍が見られるだろう。
 
 今季は3月・4月に打率.286、5本塁打と開幕直後から好調ぶりを見せていたが、これはメジャー14年間の通算でも打率.285、43本塁打と「恒例」のこと。6月は一旦下降気味になるが、7月(打率.288)や8月(打率.274)に再び上昇する傾向も見られる。夏場に主砲が強く存在感を発揮できれば、チーム全体としても大崩れすることは考えにくいだけに、中心選手として頼りになりそうだ。

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