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「球団方針をまさに体現している場所」。カープアカデミーはドミニカの若者に“ジャパニーズドリーム”を与える

広島東洋カープが運営するドミニカカープアカデミー。これまでも何人もの選手を日本球界へと送り込み、成功させてきた。現在も5選手が支配下に名を連ねており、“強いカープ”を支える重要なピースとなっている。

2019/08/28

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高橋康光



1軍戦力を輩出し続けるカープアカデミー

 去る7月、広島東洋カープはエマイリン・モンティージャ投手、フアン・サンタナ内野手と支配下選手契約を締結したことを発表した。両選手は共にドミニカ共和国のカープアカデミーの出身。これで広島はチーム内に、ヘロニモ・フランスア投手、アレハンドロ・メヒア内野手、そして、ドーピング問題で揺れるサビエル・バティスタ外野手を含めた計5人のアカデミー出身者を支配下に抱えることとなった。
 
 1990年に創設された同アカデミーは、これまでにも1995年に15勝をマークしたロビンソン・チェコ投手やMLB通算2095安打を放ったアルフォンソ・ソリアーノ選手といったプレーヤーを輩出してきたが、1軍戦力として活躍し続ける選手を輩出し続けるという点で、近年の実績はアカデミー史上でも指折りの出来ではないだろうか。
 
 私はこれまでに4度カープアカデミーを訪問させていただいた。最初に訪問したのは2008年8月。当時のアカデミー在籍選手は10名ほどで、いずれも投手であり、野手はおらず、広大な敷地を持て余しているような印象を受けた。この時期はアカデミー的にも日本で活躍するプレーヤーを送り込めておらず、冬の時代であったとも言える。
 
 その印象は、2015年1月に訪問した際にはガラリと変わっていた。松田元オーナーの肝いりで野手育成に再び舵を取ったアカデミーは、2014年ライネル・ロサリオ選手を日本へ送り込んだ。アカデミー生の数も大幅に増え、ロサリオという身近な選手の活躍はアカデミー生のモチベーションを掻き立てるには十分であり、アカデミーの活気を大いに実感できた。

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