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現役引退の上原浩治がMLBで残した足跡を振り返る 2013年にWHIPでMLB記録、ワールドシリーズ胴上げ投手も経験

2019/05/20

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Getty Images



 読売ジャイアンツの上原浩治投手が20日、現役を引退することがわかった。1999年にプロ入りすると、2009年にはMLBに挑戦し、その後2018年までに4球団を渡り歩いて救援投手として活躍した。今季は怪我の影響もあり結果を残せず、シーズン途中での引退となった。そんな上原のMLBでの活躍を今一度振り返る。

MLB挑戦への経緯とオリオールズ、レンジャーズ時代

 上原は1999年、読売ジャイアンツに入団。ルーキーイヤーから20勝をマークするなど、先発投手としてプロ野球を代表する選手に成長した。2006年の第1回WBCでは3試合に登板して2勝を挙げる活躍ぶりを見せたが、2007年からは抑え投手としてジャイアンツの最終回を任された。
 
 2008年4月4日に取得したFA権をオフに行使することを公言し、アピールしたい勝負の1年となったが、この年は不振にあえいだ。故障以外での初の二軍落ちを経験するなど、夏場までは苦しい時期が続いた。北京五輪にも参加した上原だが、後半戦からは先発投手として復調。11月14日には念願のFA権を行使、MLB挑戦を果たした。
 
 2009年1月13日、ボルティモア・オリオールズと契約合意。開幕から先発ローテーション入りを果たし、初登板となった4月8日のニューヨーク・ヤンキース戦で5回1失点と好投した。MLB初勝利を挙げた。6月半ばまでに12先発を果たしたが、右ひじ腱の部分断裂からそれ以降の登板はなかった。
 
 2年目からはリリーフとしての起用となった上原。右ひじの故障から復帰した6月末以降は敗戦処理もこなす何でも屋のリリーフとして活躍した。チーム事情から抑えに配置転換され、8月には自身MLB初セーブを挙げた。終わってみれば43試合登板、防御率2.86、6ホールド13セーブと、MLBでの居場所を見出す1年となった。
 
 2011年はセットアッパーとしての役割を担い、前半戦37試合に登板して防御率2.03の好成績を残した。7月30日にはテキサス・レンジャーズにトレード移籍が決まったが、8月には成績を大きく落とす。本塁打を浴びる場面が目立ったが、その後見事に修正し、最終的には65試合登板、防御率2.35、22ホールドをマーク。65回で85個の三振を奪う一方で与四球はわずか9と、圧倒的な制球力でリーグのリリーフ1位となるWHIP(与四球+被安打/投球回。1イニングあたりに許した走者の平均数)は0.72を記録した。
 
 翌年は6月半ばに故障者リスト入りするが、8月末に復帰。後半戦は17試合登板で防御率1.23と抜群の安定感を取り戻した。37試合登板、防御率1.75、7ホールド1セーブ。43奪三振に対して3四球とやはり制球力は健在で、WHIPは好成績の前年をさらに下回る0.64を記録した。

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