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【プロ野球2018年総括】“辻野球”の真髄は2番源田。主力流出の2球団、来季踏ん張れるか<広島・西武>

2018/12/28

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 2018年シーズンを終えた各球団は、来季に向けた補強に乗り出している。フリーエージェント(FA)権を行使した5選手は、交渉を終え来季の居場所を決めた。また、ドラフト指名選手たちも入団発表を終え、プロとしての第一歩を踏み出した。
 
 12球団総括の最終回は、リーグ優勝チームの広島東洋カープと埼玉西武ライオンズだ。
 

広島東洋カープ

 
 圧倒的な力を見せつけリーグ3連覇を達成した。チームの中心選手を基本線としながらも、若い選手が躍動して、チームの底を押し上げた。目立つのは中心選手だが、総合力でのリーグ優勝だった。
 
 打線を引っ張ったのはリーグMVPの丸佳浩と鈴木誠也だ。丸は出塁率.468という驚異的な数字を残した上、本塁打も39本のキャリアハイをマーク。打てて、選べて、長打力もある。現代野球に最も必要とされている選手で、昨季以上の怖さを見せつけた。
 
 鈴木は昨季の故障が心配されたシーズンだったが、5月からエンジンの回転数を上げると、8月には月間4割、12本塁打29打点と驚異的な数字を残して勝利に貢献した。最終的にはチームトップの.320をマーク。30本塁打にも到達し、4番をしっかり務め上げた。
 
 昨季まで1、2番を務めた田中広輔、菊池涼介がやや数字を落とす苦しいシーズンで、丸と鈴木に負担がかかるかにも思えたが、松山竜平や西川龍馬、バティスタ、野間峻祥、會澤翼などが高打率をキープ。打線をしっかりと下支えした。
  
 投手陣は防御率こそ高かったものの、最多勝と最高勝率の二冠を達成した大瀬良大地がエース格に成長。2016年沢村賞のジョンソン、九里亜蓮、岡田明丈、野村祐輔がローテーションをほとんど回りきったのが大きい。20試合先発が4人もいたのが他球団と比べて突出していたところだ。ある程度の計算が立つから戦いやすかったのだ。
 
 ブルペン陣のマネジメントにはやや苦労した。今村猛やジャクソンがここ数年の疲労を感じさせ、クローザー中﨑翔太までの繋ぎに苦慮した1年だった。最終的に育成から這い上がってきたフランスアが大車輪の活躍。8月にはプロ野球最多タイの月間18登板を果たすなど、シーズン終盤の救世主となった。
 
 日本シリーズでは、パ・リーグ2位のソフトバンクの前に1勝4敗1分けの完敗。これだけの力があっても、短期決戦を勝ち抜けない脆さを露呈し、これが来季以降へ残された課題となった。
 
 シーズンオフに2年連続MVPの丸が巨人にFA移籍した。二塁手の菊池も、将来的なメジャー挑戦を訴えるなど、ここ数年のチームを支えてきた主力たちがチームに君臨する期間がそう長くないことを改めて痛感させられる。補強に成功した巨人をはじめとして、ゴールデンルーキーを獲得した中日、トレードなどでチームを強化中のヤクルトなどの存在がいる中、広島がどう踏ん張っていくことができるのか。来シーズン以降にこそ、真の意味での黄金時代を築けるかの浮沈の鍵があるのかもしれない。

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