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助っ人外国人流出危機。レアード抜ければ「玉突きコンバート」の可能性も【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#90】

ファイターズの助っ人二人との交渉が難航、自由契約となる。今後もチームは交渉を継続するが流出時の対応を考えていく必要がある。

2018/12/03

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契約交渉は継続するが、シミュレーションは必要

 11月末、ファイターズ恒例のファンフェスも終わり、契約更改のニュースが報じられるなか、気がかりな一報が入った。「レアード、マルティネスが自由契約=プロ野球・日本ハム」(29日付、時事通信)だ。吉村浩GMの談話と情報ソースを明示する形で、日ハム球団はブランドン・レアード、ニック・マルティネス両選手を保留選手名簿から外す手続きを取ったと伝えた。12月2日付で自由契約選手として公示され、(MLBを含む)他球団の交渉が可能になるそうだ。もちろん、公示以降も日本ハムは契約交渉を続ける。
 
 うわ、やっぱりかとため息をついた。2人の契約交渉が難航してるのは噂に聞いていた。自由契約というのはマーケットに出すという意味だから、フツーに考えたらもう戻らない。日本ハム球団は基本、マネーゲームには参加しない。報道では2人ともMLB返り咲きを狙っているというが、「元ホームラン王」と「10勝投手」だ。NPBでも欲しがる球団は数多(あまた)あるだろう。NPB球団としては「当たるも八卦当たらぬも八卦」で新外国人選手を連れて来るより、日本で実績のある外国人を獲ったほうが早い。巨人は原監督の意向で中島裕之を獲ったけれど、もしかしたら東京ドームを得意にするレアードのほうが働くかもしれない。
 
 もちろん、ファイターズには痛手だ。チームメイトやファンにとって、2人は単なる「元ホームラン王」「10勝投手」ではない。レアードは「寿司ポーズ」で人気を博し、グッズの売れ行きも好調だ。ファイターズ史上、最もキャラの立った外国人選手の一人である。一方、マルティネスはたった1年の在籍とは思えないほどチームに溶け込んだ。それは実力に加え、素晴らしい人間性の成せるわざだ。去年、ZOZOマリンの試合で鶴岡慎也がフライを落球して、試合を台無しにしたことがあった。マルちゃんは一切、鶴岡を責めなかった。落球の後は鶴岡に寄り添い、言葉をかけていた。もちろん、試合後の談話も気遣いが行き届いている。これは「紳士的な態度」の上を行くなぁとそのとき思ったのだ。なかなか自分の勝ちをフイにされて、あれができる投手はいない。本当にいいヤツなんだと思った。チームっていうのはいいヤツのために頑張るものだ。
 
 ただプロの世界に移籍はつきものだ。ことにファイターズは出入りが激しい。この「去る者を追わない」球団体質は、もしかして新球場が完成し(札幌ドームに払ってた分プラスアルファで)資金力がアップしたら少しは変わるかなぁと皮算用しているが、現状に関しては、出せるお金に限度がある。スパッと切り替えて、新戦力でチームを回していくしかない。逆にいえばこの新陳代謝がファイターズの魅力にもなっている。
 
 レアード流出の噂は以前から流れていた。僕は王柏融(台湾ラミゴ)の交渉権獲得は、その手当てじゃないかなとにらんでいた。「台湾の4割打者」獲得は話題性も十分だ。コンサドーレ札幌、チャナティップ選手のようなインバウンド需要だって見込めるし、いったん花開けば(これもチャナティップ選手のように)チームの中核を担う戦力として大活躍が期待できる。
 
 ただ王柏融は外野手なのだ。熾烈な外野手競争にまた1枚、強力な駒が加わることになる。もちろん、レアードもマルティネスも、自由契約になっても結局、元のサヤに収まってくれるのがいちばんいい。ただそれが叶わないときのシミュレーションは必要だろう。サードのポジションは誰が守るのか?
2018年シーズンのように横尾俊建を抜擢するか。

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