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すべてが王者だった。下克上似合わぬソフトバンク、アスリートの“軸”感じた立ち居振る舞い【日本S総括】

プロ野球日本シリーズは3日、福岡ソフトバンクホークスの2連覇で幕を閉じた。シリーズ開幕前は、パ・リーグ2位のソフトバンクに対し、セ・リーグ3連覇の広島東洋カープにやや分があるかとも思われた。だが、終わってみれば、ソフトバンクが第3戦から4連勝で一気に勝負を決めた。経験、選手層の厚さなど、強さの要因は様々だが、グラウンド以外にも「王者」の風格を見せていた。

2018/11/05

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開幕前は大いなる期待を抱かせた広島

 “安定王者”に相応しくない表現に違和感を覚えた。
 
 2年連続日本一に輝いたソフトバンクは、パ・リーグ2位からクライマックスシリーズ(CS)を制して2年連続の日本一を達成した。その偉業を「下克上」と表現するのはいかがなものか。
 
 「下克上」という言葉が相応しくないと思えるほどに、2018年日本シリーズにおけるソフトバンクには「王者たる」風格を感じた。
 
 短期決戦を熟知した戦い方のうまさ、個々の能力、けが人が出ても次から次へと出てくる選手層の厚さ。自己判断でプレーし、ここ一番の勝負強さを発揮する選手たち、スタッフを含めたチーム全体の組織力……。
 
 日本一に輝いた要素をあげればきりがないほどに出てくるが、シリーズが進めば進むほどに、ソフトバンクが「王者たる」ゆえんを感じずにはいられなかった。
 
 シリーズ開幕前、今年の広島には大いなる期待を抱いていた。
 
 リーグ3連覇を達成してのシリーズ進出という期待。田中広輔、菊池涼介、丸佳浩の同学年主力3選手が円熟期を迎えている。加えて、昨季は故障離脱していた若きホープ鈴木誠也の完全復活はチームの希望だった。
 
 投手陣も、今季最多勝の大瀬良大地をはじめ、クリス・ジョンソン、九里亜蓮、野村祐輔、岡田明丈が名を連ね、リリーバーに外国人選手を配した徹底した継投策。投打走のバランスに、年齢層も若手・中堅・ベテランがうまくかみ合っているように思えた。だからこそ、パ・リーグ2位から進出したソフトバンクを負かすのではないかと期待した。
 
 開幕の2ゲームはほぼ互角だった。
 
 1勝1分け。開幕ゲームでソフトバンクの粘りに「経験」を感じたが、2戦目で広島が勝利したときには、互角か接戦の末に、広島がモノにしていくとさえ思えた。
 
 両チームを見ながら圧倒的な違いを感じたのは、野球の質はもちろんのこと、グラウンドを離れても見せる立ち居振る舞いだ。

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