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巨人・岡本和真が歩み始めた「第89代4番」の1カ月。輝きと苦悩が凝縮された“濃厚”な時間

 歴史ある読売ジャイアンツの4番ーーかつて王貞治氏や長嶋茂雄氏、そして松井秀喜氏などの強打者が務めてきたこの場所に、今22歳の若者が座っている。岡本和真内野手が歩んだ1カ月を成績とともに振り返る。

2018/07/02

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歴史が刻まれた6月2日。“デビュー戦初打席”で一発

 読売ジャイアンツの4年目、岡本和真内野手が「第89代4番」に座って1カ月が経った。昨季までの3年間でわずか1本塁打。くすぶっていた「大砲」の芽が、いよいよ“本格開花”の時を迎えた。
 
 セ・パ交流戦が始まって5試合目の6月2日、巨人の高橋由伸監督はオリックス・バファローズ戦(京セラD)で岡本を「4番・一塁」で起用した。
 
 相手先発は2年目の右腕、山岡泰輔投手。岡本は、第1打席を2回の先頭打者として迎え、カウント1-1から147キロの速球を捉えると、打球はレフトスタンドへ突き刺さる第10号先制ソロ本塁打となった。この日は8回にもリリーフ右腕の山本由伸投手から右前へタイムリー安打を放ち、“4番デビュー戦”を6打数2安打2打点という活躍で終えた。
 
 この試合以降、岡本は7月1日現在に至るまで全試合で4番を務めることとなる。22歳の青年が任された、偉大な先輩たちが歴史を積み上げてきた巨人軍の4番。しかし、その背中に「重圧」があるようには見えなかった。
 
 5日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦(東京D)まで3試合連続で2安打をマークした岡本は、その後2試合連続無安打を経て再び快音を響かせ続ける。8日の埼玉西武ライオンズ戦(東京D)で1安打、そして9日の同カードで4番就任以降初の3安打猛打賞を記録すると、翌日10日(西武戦)から14日の福岡ソフトバンクホークス戦(ヤフオクD)まで怒涛の4試合連続2安打。
 
 特に、ソフトバンクとの敵地3連戦では、計11打数6安打、2本塁打を記録するなど4打点で3連勝に大きく貢献した。打った相手も武田翔太、摂津正、石川柊太といずれも好投手で、経験ととも毎日成長していく様子が見られた。
 
 好調のまま終えた交流戦。そして22日から再開したリーグ戦でも、岡本の勢いが止まることはなかった。
 
 23日の東京ヤクルトスワローズ戦(東京D)で左腕のデーブ・ハフ投手から内角高めのカットボールをレフトスタンドへ運ぶと、26日の広島東洋カープ戦(マツダ)でも同じく左腕のクリス・ジョンソン投手から内角高めの速球を弾き返しレフトへの本塁打。「『4番・岡本』はチームを代表する大砲、強打者になった」と確信させた。
 
 しかし、一転して6月27日から7月1日まで5試合連続無安打。打席にして21打席連続無安打と、今季これまでにない苦戦を強いられている。苦悩を経験せず育った4番はいない。4試合連続無安打、17打席連続無安打となった時点で高橋監督が岡本を4番から外すこともなかったし、途中で交代させることもなかった。

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