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「プロの壁」直面の清宮、2軍降格はV争いへの布石 欲しいのは“実績ある投手”からの結果【小宮山悟の眼】

 北海道日本ハムファイターズの清宮幸太郎内野手が、5月28日に出場登録を抹消された。1軍21試合の出場で67打数12安打1本塁打2打点で打率は.179。大舞台で表面化された課題をいかに克服していくことが必要なのだろうか。

2018/06/04

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 北海道日本ハムファイターズのゴールデンルーキー・清宮幸太郎が2軍に降格した。1軍入りを果たし、最初のうちは打っていたが“プロの壁”にぶち当たった。簡単には打てないということで降格するのは仕方ないだろう。
 
 しかし、当初は1軍に帯同させて育成していく方針かと思っていた。そうならなかったのは日本ハムのチーム事情の影響が大きい。昨季の主力3選手が抜け、今季は苦しい戦いが予想された。だが、外国人選手の補強に成功し、チームは好調。パシフィック・リーグ2位につけ、首位の埼玉西武ライオンズを捕まえられる位置まできたところで、打率2割に満たない清宮を降格させた。
 
 清宮の課題は、プロのボールを打つ、守るという経験を積んでいくことだ。1軍と2軍の差を肌で感じたはずだから、その違いを整理した上で、ファームでしっかり取り組んでもらいたい。

調整中の実績ある投手相手に結果を

 ここで重要なのは、本塁打数や打率などの数字ではない。どういう投手から打ったか。
 
 ファームにも名のある投手が調整している場合がある。1軍で投げる力はあるがチーム事情で昇格できないなどのケースだ。そのような投手と対戦するとき、いかに対応できるかが重要になる。
 
 逆に言えば、ファームの育っていく若手投手が打てなくても問題にする必要はない。若手投手によくあることだが、いいボールは持っているがコントロールが悪く、的が絞りにくい。そういう投手は打ちあぐねてしまうが、結果についてはこだわらなくていい。
 
 一方、1軍での実績がある投手は、コントロールが悪いということは少ない。レベルの高い投手のボールに対応して、ミスショットしない確率が上がってくれば、1軍レベルまできたということになるのだ。先日、埼玉西武ライオンズのエース・菊池雄星投手がファームで調整登板していた。あのような機会があれば、清宮にとって絶好の機会となる。
 
 1軍に昇格する前、千葉ロッテマリーンズの西野勇士投手から打っていた。あの時の結果が、清宮は1軍でも通用するかもしれないという要素の一つになったはずだから、これからはそういう投手と対戦して結果が多く出るようにしなければならない。

早ければオールスター前後の昇格も

 今回の降格で守備の時間も多く取れるのは大きいだろう。入団当初は「打撃1本で」ということも耳にしたが、チーム事情も考慮し、ファームで過ごすタイミングで出場できるポジションを増やそうという考えなのだろう。言い換えれば、ファーストにはいつでも戻れるだろうから、様々なポジションにチャレンジをするのだろう。
 
 今後はファームで打って守っての経験を積ませて、ある程度の結果が出るようなったら1軍に昇格するということも十分にあり得る。早ければオールスター前後の昇格もあるだろう。
 
 当然、日本ハムのチーム事情次第ではあるが、清宮の実力はじっくり腹を据えてファームで育てようというレベルではない。すでに一定の水準をクリアしている選手だ。
 
 いかにしてファームに調整に来ている1軍レベルの投手と対戦を充実したものにできるか。最初にも言ったように本塁打の数などは関係ない。1軍の首脳陣も清宮の対応の違いを見ていくのだろうと思う。
 
 1軍レベルの投手との内容を見て、いい感じだと判断されれば再昇格するはずだ。今後、日本ハムが優勝争いをしていく中で、一発の怖さを秘める選手として引き上げる可能性は十分にある。
 
 
小宮山悟(こみやま・さとる)
 
1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)へ入団。精度の高い制球力を武器に1年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家、Jリーグの理事も務める。