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ボールボーイがまさかの…、二塁へ激烈スライディング…判定はどうなる?【意外と知らない野球ルール3問クイズ】

 野球には、様々な状況を想定した「公認野球規則」がある。このルールブックによって、想定外と思われるような珍場面でも公正な判定を下すことができる。今回は「名珍場面から振り返る野球のルール」(カンゼン、2014年刊行)より、難解な野球規則を過去の事例からクイズ形式で出題する。(2017年12月30日配信分、再掲載)

2020/04/02

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正解は…

B:アウトのタイミングでの悪質なスライディングは守備妨害とみなされ、一塁走者はアウト。
 

 2006年10月12日に行われたパ・リーグのプレーオフ第2ステージ、日本ハム対ソフトバンク。ソフトバンクのフリオ・ズレータのスライディングが守備妨害と取られた。
 
 5回表、一塁走者のズレータが二盗を仕掛けたが、タイミングは明らかにアウト。滑り込む前に、日本ハムの田中賢介はキャッチャーからの送球を捕球していた。その田中のグラブ目掛けて、ズレータは激しいスライディングを仕掛けて、グラブからボールがポロリ。これを見て、二塁塁審がズレータにアウトを宣告した。
 
 根拠となるのは公認野球規則7.08「次の場合、走者はアウトとなる」の(b)項にある。
 
 「走者が、送球を故意に妨げた場合、または打球を処理しようとしている野手の妨げになった場合」
 
 そして、【原注1】と【注2】にはこのように記されている。
 
 【原注1】「打球(フェアボールとファウルボールとの区別なく)を処理しようとしている野手の妨げになったと審判員によって認められた走者は、それが故意であったか故意でなかったかの区別なく、 アウトになる」
 
 【注2】「走者が6.05(k)、7. 08(a)項規定の走路を走っていた場合でも、打球を処理しようとしている野手の妨げになったと審判員が判断したときには、本項の適用を受けて、走者はアウトになる」
 
 つまり、故意か否か、正規の走路を走っていたか否かは関係なく、打球を処理しようとする野手の妨げになった場合は、守備妨害となり走者はアウトになる。
 

 
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